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~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

◇『花宵道中』◇ ※ネタバレ有

2014-11-24 23:23:59 | 映画【日本】


  『花宵道中』:公式サイト

行って
行かないで

【女による女のためのR-18文学賞】第5回で
大賞と読者賞を受賞した宮木あや子の同名小説の映画化。
江戸時代末期の新吉原を舞台に、花魁として生きる主人公:朝霧〔安達祐実〕が、
染物職人の青年:半次郎〔淵上泰史〕と出逢った事から、
大きく運命が変わってしまう二人の愛の行く末を描く。
安達祐実20年ぶりの映画主演で初の花魁役に挑んだ作品。
 

遊郭を描く映画って女達の世界なので、ライバル心や嫉妬など
女同士のギスギスした描写が中心になりがちだけど、
そういった面は控え目だったので観やすかった。
と言うか、女郎達を仲間達という目線で見つめて描いていた。

朝霧役の安達祐実はもう30歳過ぎているから、こういう大人の役を演じてもおかしくはないと思う。
でも、彼女は童顔なので女郎役はどうなんだろう?という気もしたけど、
女郎仲間を守る為には潔く啖呵きる姐御肌でありながらも、
男に抱かれ続け身を犠牲にしても、
心までは汚れていない乙女心も残している朝霧役に合っていたと思う。

ただ、演技がリアルすぎて喘ぎ声が痛々しくて、観ていて辛くなるほど。。。
半次郎と愛を確かめ合えた時でさえ、苦しそうで・・・。
まっ、実際はそんなモノなのかもしれないけど、
映画としてはラブシーンでは至福の表情も浮かべてほしかった気もする。
(ムードというか、色気に欠けるのかしら?)

男なんて・・・みたいな感じで強がりながらも、愛に素直に生きてみたいと
心の奥では望んでいるのが女心のような気もするのよね。
恋愛は「行って」「行かないで」のせめぎ合いのようなモノなのかもしれないし。

退廃的な哀しすぎる行く末だけど、
朝霧と半次郎のように愛一筋に生きてみたいと密かに憧れてしまったり・・・。
さりげなく深層心理を突かれているような気もしてしまった作品でした。
 


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