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『復讐者に憐れみを』の作品紹介,あらすじ
キムチ冷蔵庫
パク・チャヌク監督の“復讐三部作”の一作目です。
この作品は序章という感じですね。
音楽が効果的に使われているわけでもないし、
血以外の鮮烈な色と言えば主人公リュ役:シン・ハギュンの緑色の髪ぐらいだし・・・。
悪ノリ感もあまりなく、淡々と撮っている。
ただ、リュ〔シン・ハギュン〕を聴覚障害者にする必然性はあったのだろうか?
ラジオのDJが姉を亡くしたリュへなぐさめのメッセージを投げかけても
伝わらない(聴きとれない)もどかしさを表すだけだったような気もするし・・・。
それと、ドンジン〔ソン・ガンホ〕の娘が溺死する場面に登場する青年を
小児麻痺(脳性麻痺)する必然性も感じとれなかった・・・。
日本映画やアメリカ映画のように障害者を極端に美化しすぎる作品も考えものだけど、
『母なる証明』やこの作品のようにコレと言った具体性や現実味もなく
登場人物を障害者という設定にしてしまう韓国映画も安直すぎるような気もしてしまいます・・・。
『母なる証明』・・・ ※ネタバレ有
アメリカ映画『ギルバート・グレイプ(1993) - goo 映画』や韓国映画『オアシス(2002) - goo 映画』のように
障害者と周囲の関係性を描けている作品ならば共感出来る出来ないは別にして、
何かしら心に迫ってくるものはあるんですけどね。
『オアシス』・・・ ※私見+ネタバレ有
特典映像のメイキングを観ると
リュの恋人ヨンミ役:ペ・ドゥナは手話は初めてで上手く出来なくて
思わず涙しながらも頑張っていましたね。
彼女は努力家なのでしょうね。
リュにドンジンの娘の誘拐をそそのかす役どころ。
バストトップも披露してベッドシーンを演じています。
彼女は当時20歳前半だったのに度胸ありますよね。
日本の若い女優は脱ぐ人はほとんどいないけど、
韓国女優は役の為なら堂々と脱ぐ人もいますね。
シン・ハギュンはこの作品や『地球を守れ!』の頃のほうが存在感あったよね。
『渇き』では目立っていなかったし・・・。
ドンジンの娘の葬儀の場面では前妻の夫役でチョン・ジェヨンが1シーンだけ出演。
メイキングの監督のインタビューによるとジェヨンはソン・ガンホの友人で
ガンホに「出演したい。」と言ったら本当に出演する事になったそうです。^^
2シーンの予定だったのが結局は編集で1シーンになってしまったそうです。。。
臓器密売人に復讐するリュ
ヨンミを拷問し、リュに復讐するドンジン
そして、ドンジンの行く末は・・・
元々、実直な人達が職を解雇されたり、身内を死に追いやられてしまうと
本能的に復讐者に転じてしまった・・・。
復讐の連鎖は断ち切れなかったという事なのかしらね・・・。
≪パク・チャヌク監督作のBCのレヴュー(感想)≫
『オールド・ボーイ』★ ※ネタバレ有(“復讐三部作”の二作目)
『親切なクムジャさん』 ※ネタバレ有(“復讐三部作”の三作目)
『サイボーグでも大丈夫』。。。
◆『渇き』◆ ※ネタバレ含
劇場で一回観たきりで(もう一度観る気になれないまま)最初の印象だけで、イメージが膨らんでいるところもあるのですが、
懸命に生きようとしていたシン・ハギュンとソン・ガンホが、
自らの闇に堕ち、復讐の連鎖に翻弄されるいくという展開、
理不尽さに負けてしまった“善良”な人間が、
こんなにも変わってしまうのか、という衝撃がありました。
“悪女”のペ・ドゥナが、むしろ普通に見えるという怖さ。
今思えば、設定が安直だというのも理解できますが、
とにかく、韓国映画を見始めたころに出会ったこの映画、インパクトは強烈でした。
その後、「悪い男」、「受取人不明」・・・と初期のキム・ギドク作品へと続き、
韓国映画の“毒気”にハマっていった私なのでした(笑)。
GWに数カ月ぶりにレンタル屋さんへ行ったら
この作品入荷されていたのでレンタルしました。
『渇き』の影響なのかしらね?
リュ〔シン・ハギュン〕とドンジン〔ソン・ガンホ〕、ラストに登場する男達も
社会的立場は異なるものの実直な人間なんですよね。
だからこそ、“善良”から“復讐の鬼”に転じてしまったから恐ろしいモノがありました。
善も悪も紙一重なのかもしれないですね。
>“悪女”のペ・ドゥナが、むしろ普通に見えるという怖さ。
ヨンミ〔ペ・ドゥナ〕がリュに誘拐をそそのかしたのが発端とも言えるので
一番のワルはヨンミではあるんだけど、
拷問場面は悲痛だったし、悲劇のヒロインのようにも映りました・・・。
確か、この映画が公開されていた頃は韓流ブームの真っ只中で
韓流と言えば恋愛モノのイメージが強かっただろうから
当時この作品を観るとかなり衝撃的だったのでしょうね。
逆に今では恋愛モノは韓フェス程度で
一般公開作はハードな作品ばかりになってしまいましたね。。。
>その後、「悪い男」、「受取人不明」・・・と初期のキム・ギドク作品へと続き、
韓国映画の“毒気”にハマっていった私なのでした(笑)。
私はキム・ギドク派だけど、
最近は新作を撮っていないようなので寂しいです。。。