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運命
妻の浮気が原因で心のバランスを崩し、全てを失ったパット〔ブラッドリー・クーパー〕と
パットの近所に住む夫を事故で亡くしたティファニー〔ジェニファー・ローレンス〕が
立ち直っていく為にダンスコンテストに挑戦する姿を描く。
今年のアカデミー賞でブラッドリー・クーパーが主演男優賞ノミネート、
パットの父役:ロバート・デ・ニーロが助演男優賞ノミネート、
パットの母役:ジャッキー・ウィーヴァーが助演女優賞ノミネートなど7部門ノミネート。
ジェニファー・ローレンスが主演女優賞を受賞した作品。
「過去を含めて自分が好きよ」
とパットに言い放つティファニー。
ティファニーは本当にそこまで達観しているのかどうかはわからないけど、
そうパットに言ってのける事で、ティファニーが自分自身の心にもそう言い聞かせると
ダメージを受けている心が少しはカバーされて強くなれる気がするのかもしれないですね。
そうやって強がってしまう気持ち私はわかる気がしましたよ。
ティファニー役のジェニファー・ローレンスは『ウィンターズ・ボーン』では17歳役だったけど、
『世界にひとつのプレイブック』の未亡人役では大人の風貌になっていてビックリでした。
よく見るとアイシャドーは濃い目なので少しは背伸びしていたかもしれないけど、
実際は15歳差のパット役のブラッドリー・クーパーとも見た目はさほど違和感なかったです。
今年のオスカーの助演女優賞のアン・ハサウェイも2度目のノミネートでオスカーを獲得したけど、
ジェニファー・ローレンスはアン・ハサウェイの全身全霊な熱演とは対照的で
淡々としつつも地に足ついた演技で早口や目の据え方で巧みに演じきっていましたね。
パットの父役のロバート・デ・ニーロが冴えないごく普通の父親役を演じるのは珍しい気もするけど、
父親の温かさが自然に伝わってきて良かった。
息子と一緒に過ごしてあげる時間を長く作って育ててあげられなかった自責の念、
息子を心配しなんとかしてあげようとする姿が印象深かった。
クライマックス、ティファニーがパットをせつなく見る眼差しでウルッときて
パットの父がパットにアドバイスして、
パットがティファニーを追いかけるシークエンスはベタではあるんだけど、
観ていてじーんとしてきて涙した。
ベタな展開でも芸達者な俳優・女優が演じると軽くならないからリアルに共感出来る。
心の病気を抱えている男女が主人公で言動はいかれてはいるので
観客によって好みは分かれそうだけど、
不器用ながらも向き合っていこうとしている2人や家族が愛おしく感じた。
シリアスなりすぎずコミカルになりすぎず描かれているので観やすかった作品でした。