マリ
北川景子と深田恭子が初共演し、古澤健監督が手がけたホラー。
今邑彩の同名小説を原案にルームメイト麗子〔深田恭子〕の奇妙な行動をきっかけに
事件に巻き込まれていく春海〔北川景子〕の恐怖を描く。
今邑彩の同名小説は私は未読。
“原作”ではなくて、“原案”なのがなんとなく気になって、wikiを読んでみた。
確かに、役名は同じでも筋書きや設定はかなり違っていますね。
北川景子、深田恭子、高良健吾の日本映画界で売れっ子三人の共演。
深田恭子は30歳すぎているのは知っていたけど、
北川景子は23歳の役をやっていたのでまだ若いのかと思っていたけど、20代後半なのですね。
深田恭子と北川景子の年齢差は4歳差。
それでも、キャリアは深田恭子のほうがはるかに長いと思うんだけど、
二番手で出演しているという事は主役脇役にこだわらない器量の広い女優さんなのでしょうね。
ラストシーンの北川景子の焦点が定まっていないような表情もゾクッとしたし、
女の子喋りから悪女な喋りに豹変する深田恭子も見事だった。
主演女優2人はなかなか良かったけど、謙介役の高良健吾も良かったよ。
個性の強い役が多い彼だけど、この作品では普通におとなしい青年役でしたね。
交通事故の加害男性が被害女性を好きになる設定は下手したら下心ありありの軽い男に見えるし、
葛藤しながらだと悲劇のヒーローぽくなってしまうけど、
彼はそのどちらでもなかったんですよね。
もちろん、戸惑いは伝わってきたけど、
事故後、会って話して自然に惹かれていってという感じ。
春海が麗子を救いたいと思っていたように、
春海の本質がフラッシュバックした彼は春海を救いたいと思っていたけど、
親友がああいう目にあったのでもうそれも出来ないだろう・・・。
それをあからさまに表情や口調で表わす事はなかったけど、
佇まいからせつない空気が伝わってきたんだよね。
女優2人の熱演を喰うわけでもなく、引き立てるわけでもなく、
ただ存在するだけで場面が引き締まる。
スリラーとしてはありがちな題材でも安っぽくならなかったのは
彼の静の存在感があったからこそだと感じたな。
麗子がどうしてそこまで動物を毛嫌いして
アメリカ映画『危険な情事』を彷彿させる鍋煮するのかよくわからなかったし、
本筋とは関係のない、病院の看護婦や交通事故の加害青年の友人が
残酷な殺され方するのもなんだかなと思ったし・・・。
結局は主演の二人のファムファタールな美しさを引き出す為の作品だったような気もする。
だけど、本質を誰かに見抜いてほしいという気持ちは
女なら誰しももっていそうな深層心理のような気もした作品でした。
やっぱ『危険な情事』、匂いましたよね(笑)?
何を期待して観に行ったのかよくわかりませんでしたが(汗)
ま、二人の清純派(?)女優がよくやったと、
事務所もよくOK出したと、そんな感じでした^^
内容については、今までも多重人格の話はテーマとして
あったので、可もなく不可もなくってところでした。
そうそう、『危険な情事』匂いますよね~。
(あちらはウサギだったけどネ。(^-^;)
そうですよね、元々清純派だった彼女達にとっては
こういうスリラー映画は珍しかっただろうけど、頑張ってましたね。
多重人格モノとしてはありきたりな感じで、目新しさはなかったですね。
主演の二人の女優の為のスター映画でしょうね。
自分にとってキケンな者を排除したい深層心理と
可愛そうなワンコに関しては幼少期に「守ってもらえなかった」
歪んだ思いからなのでしょうけど、
観ている側からいえば
憎しみもなく殺されてしまう、理不尽さが怖かったですよね~。
高良健吾クンに関してはBCさんのおっしゃる通り、
ちゃんと自分の立ち位置で演じることのできる俳優さんだから
超、引っ張りだこですよね~。
怖さもちょうどいい感じで観やすかったです
>可愛そうなワンコに関しては幼少期に「守ってもらえなかった」
歪んだ思い
ナルホドです。
さすが、kiraさん洞察力あるね。^^
映画だとテーマとか説得力を求めてしまったりするけど、
現実には大きな動機もなく、ささいなコトが引き金になる犯罪もあるので、
そういう意味ではリアルでしたね。
高良くんはスタンドプレーはせずに、映画の空気を読める俳優さんなので
制作側も使いやすいのでしょうね。
映画界で大活躍されていますね。