自分のレース
1973年にアメリカで3冠を獲得した競走馬セクレタリアト。
アメリカ・バージニア州の主婦ヘレン〔ダイアン・レイン〕は
父親が持つ競走馬の育成牧場メドウ・ステーブルを経営難である事を知りながら引き継ぎ、
最初は戸惑うが、トレーナーのルシアンと出会ったことから、
積極的に男性社会である競馬ビジネスの世界に足を踏み入れていく様子を描く。
日本では劇場未公開(DVDスルー)。
黄緑色の芝生にブラウンの艶々の毛並みの競走馬。
やっぱ、馬映画はスクリーンで観たかったな。
主演のダイアン・レインは子役出身だけど、
子供時代のデビュー作で一気に才能を開花させたテイタム・オニール、
20代後半で機が熟したジョディ・フォスターのような早咲き型ではなくて、
年齢を重ねていって熟年になるにつれて演技が上達していく大器晩成型な女優だよね。
今年の『マン・オブ・スティール』のスーパーマンの母親役もそうだったけど、
おデコの深い皺をもさらけ出して、多分、実年齢よりも上の役を演じきっている。
表情豊かになったし、表情に温かみがある。
何より、明るい笑顔に充実感が出ていて活き活きしている。
もう脱いで背伸びをしなくとも充分、ベテラン女優の風格が備わっている。
内容的には汗水垂らして馬と一心同体で向き合い名馬に育て上げるベタなスポ根モノではなくて、
馬を預かりレースを見守る良家?のご婦人とその家族達の物語という趣き。
だから、ご婦人は上品なワンピースを着ていたり、ドレスを着ていたりする。
画としては美しいけど、
競走馬映画としては優雅すぎて熱いモノが伝わってこないから共感しづらく、
映画としての盛り上がりにも欠ける。
それに、アメリカではセクレタリアトは伝説的な名馬なのかもしれないけど、
日本ではさほど知られてはいないのかな?
決して、駄作ではないんだけど、日本人受けする題材ではないのと、
サラッとしすぎている作りがDVDスルーになった要因なのかもしれないですね。