~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

*『パルムの僧院』* ※ネタバレ有

2012-12-16 15:07:09 | 映画【フランス】


  パルムの僧院 - goo 映画



スタンダール原作の『パルムの僧院』の映画化。
イタリアでオールロケ、ナポリでの学生生活を終え、 故郷パルムに戻ってきた青年ファブリスが
宮廷の陰謀や恋愛に巻き込まれる姿を描く。

ファブリス〔ジェラール・フィリップ〕が一時的に恋した女優は道化役者が邪魔になって
ファブリスにそっとナイフをもたせるのが悪女だよな。。。

囚人に毒を盛る男達の会話の中で「若くてもあっさり死ぬ。」って台詞はシャレにもならないよ・・・。

ファンファン(ジェラール・フィリップの主演作『花咲ける騎士道('52) - goo 映画』の役名が彼の愛称)は
何をやってもファンファンなんだよね~。^^
幽閉されていても小奇麗な身なりで清潔感あるし、
脱獄する場面以外は髪もオールバック気味で整っている。^^
だけど、クライマックスのファブリスとクレリア涙目のシークエンスは神秘的で美しかった。
ほわっと霞みがかった映像質感はモノクロならではだろうね。

正直、ジェラール・フィリップのカラー映画も数多く観たかったと思う事もあるんだろうけど、
ヌーヴェルヴァーグにさしかかる前のモノクロ映画時代の選ばれし美男スターだったのかもしれないね。

年増の女性と若き女性の狭間の青年と言えば、
危険な関係('59) - goo 映画』を思い出したりもしました。
まっ、『危険な関係』は悲劇的な結末だけど、『パルムの僧院』は3人それぞれ別々の選択をする。
だけど、 道は続いて行くという希望も含んでいるようにも感じた。
離れていても“心はひとつ”なのでしょうね。

結構、波乱万丈な展開で上映時間も3時間近くあって長かったけど、
ヌーヴェル・ヴァーグ前の時代なので作家性が強すぎず、
娯楽映画ぽく演出していたから長尺のわりには観やすかったです。
結末は清々しく感じた作品でした。


 【ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版 特別映画祭】


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