<A>源十郎〔森雅之〕&宮木〔田中絹代〕夫婦
妻:宮木が落人に殺されたとは知らずに帰郷した夫:源十郎。
我が家で宮木を呼びながら、火の消えた囲炉裏を通り過ぎ、
裏手に回った源十郎が戻ってくると死んだはずの妻が炉端で待ち受けていた・・・
<B>藤兵衛〔小沢栄〕&阿浜〔水戸光子〕夫婦
出世欲にとりつかれた藤兵衛は太刀取から武将の首を掠め取って、武士として認められるが、
凱旋の途上、夫を出世される為に娼婦になってしまった阿浜と再会する・・
<A>と<B>の夫婦をベースにした物語。
物語的には惹かれるモノはなかったなぁ~。
でも、溝口の感性が伝わってくる作品。
映像は水墨画のようなタッチ。
どの構図も画になる。
川・湖・温泉・・・
モノクロだけど、水に艶があり、それぞれの温度が伝わってくる。
浄瑠璃のような人形メイク?で舞を取り入れるなど
日本伝統芸能の薫りを醸し出している作品でした。
上映終了後、当時溝口監督のチーフ助監督をされていた田中徳三監督
(その後『悪名』『座頭市』『兵隊ヤクザ』シリーズなどを演出した監督)
のトークショーがあり、貴重なお話を聴くことが出来ました。
[↓その中から『雨月物語』に関するお話です。]
*『雨月物語』は人の命の儚さ、人間愛を描いた作品。
*湖の場面は霧を張ったプールで水につかっての撮影で足が冷たくなって痺れてしまった。
*<A>の場面は溝口監督の意向により1カットで撮影。
CGが使えない時代、出演者やスタッフはカメラに映らない部分で動き回って大変な撮影だったそうです。
*<B>の場面は妻と再会してからも藤兵衛が出世しようとする結末を考えていたけど、
映画会社に明るい結末にしてほしいと言われ、その程度で抑えたそうです。
(溝口監督は会社の権威には弱い?と田中監督は仰っていました。)
*溝口監督は演技指導に厳しい方で、
森雅之が刀を振り回す場面では森雅之が失神してしまった。
「こんな殺されるようなら、やらなきゃ良かったよ。。。」
と森雅之が言っていた
と田中監督はその当時を懐かしむように笑いながら仰っていました。
妻:宮木が落人に殺されたとは知らずに帰郷した夫:源十郎。
我が家で宮木を呼びながら、火の消えた囲炉裏を通り過ぎ、
裏手に回った源十郎が戻ってくると死んだはずの妻が炉端で待ち受けていた・・・
<B>藤兵衛〔小沢栄〕&阿浜〔水戸光子〕夫婦
出世欲にとりつかれた藤兵衛は太刀取から武将の首を掠め取って、武士として認められるが、
凱旋の途上、夫を出世される為に娼婦になってしまった阿浜と再会する・・
<A>と<B>の夫婦をベースにした物語。
物語的には惹かれるモノはなかったなぁ~。
でも、溝口の感性が伝わってくる作品。
映像は水墨画のようなタッチ。
どの構図も画になる。
川・湖・温泉・・・
モノクロだけど、水に艶があり、それぞれの温度が伝わってくる。
浄瑠璃のような人形メイク?で舞を取り入れるなど
日本伝統芸能の薫りを醸し出している作品でした。
上映終了後、当時溝口監督のチーフ助監督をされていた田中徳三監督
(その後『悪名』『座頭市』『兵隊ヤクザ』シリーズなどを演出した監督)
のトークショーがあり、貴重なお話を聴くことが出来ました。
[↓その中から『雨月物語』に関するお話です。]
*『雨月物語』は人の命の儚さ、人間愛を描いた作品。
*湖の場面は霧を張ったプールで水につかっての撮影で足が冷たくなって痺れてしまった。
*<A>の場面は溝口監督の意向により1カットで撮影。
CGが使えない時代、出演者やスタッフはカメラに映らない部分で動き回って大変な撮影だったそうです。
*<B>の場面は妻と再会してからも藤兵衛が出世しようとする結末を考えていたけど、
映画会社に明るい結末にしてほしいと言われ、その程度で抑えたそうです。
(溝口監督は会社の権威には弱い?と田中監督は仰っていました。)
*溝口監督は演技指導に厳しい方で、
森雅之が刀を振り回す場面では森雅之が失神してしまった。
「こんな殺されるようなら、やらなきゃ良かったよ。。。」
と森雅之が言っていた
と田中監督はその当時を懐かしむように笑いながら仰っていました。