~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

●『SOUL RED 松田優作』● ※ネタバレ有

2009-11-18 22:59:06 | 映画【日本】

  『SOUL RED 松田優作』:公式サイト

父性

私は松田優作の全盛期は知らなくて、松田優作の作品を初めて観たのは
レンタルビデオで観た『
ブラック・レイン(1989) - goo 映画』でした。
その作品での鬼気迫る渾身の演技は今でも記憶に残っています。
その後、何本かの出演作をテレビ・ビデオ・DVDなどで観ました。
でも、ファンではないのでこのドキュメンタリー映画はスルーしようかと思ったんですけど、
たまたま平日休みがとれたので観てきました。

このドキュメンタリー映画でインタビューに応えていた俳優は松田優作の長男である
松田龍平が出演していた映画『
劔岳 点の記』の出演者が多かったですね。

 
▲『剱岳 点の記』△ ※ネタバレ有

あと監督や脚本家、製作者の方達のインタビューが中心。
女性へのインタビューは女優:吉永小百合と脚本家:筒井ともみだけでした。
(前者は顔を見せず、声のみのインタビュー。)
私的には女性達から見た松田優作もたくさん聞きたかったんですけどね~。
私は『
家族ゲーム(1983) - goo 映画』が好きでDVD持っているので
森田芳光監督のインタビューは嬉しかったです。

松田優作は撮影監督があくびをしただけで、
その日の撮影を中止にした事もあったんですね・・・。
一見、わがままにも見えるけどプロとしては当たり前なのかもしれない。
撮影監督が本気で撮ってくれないと俳優としても良い演技が出来ないから。
ア・ホーマンス(1986) - goo 映画』で彼が初監督をするに至ったエピソードを語る
関係者のお話からも松田優作は“一俳優”というよりも
“制作陣の一員”という心意気で作品を作り上げる責任感の強い人のように感じました。

意外だったのは松田優作が小林旭に憧れていたという事。
(松田優作は『太陽にほえろ』に出演していたので
 松田優作は石原裕次郎に憧れていたのかと私は思っていましたので・・・。)
日本映画は併映(二本立て上映)が多かった時代、
小林旭主演映画に自分の主演映画を併映にしてもらった事もあったそうです。

長男:松田龍平と次男:松田翔太のボソボソした話し方は
父:松田優作と通じるものがありますね。
ただ、父は声に力があったけど、息子二人は声に力はあまりないかな?。。。
長男は父親の事を一貫して“おやじ”と言っていたけど、
次男は“お父さん”と言ったり“おやじ”と言ったり
そういった細かな言葉の違いも興味深かった。
特に長男は面差しが段々父に似てきていますね。

松田優作の数々の出演作の映像には
70年代はアクション作品を中心に活躍し、
80年代には内なるアクションへと発展させていく
俳優としての方向性を模索していく松田優作の姿が映し出されていました。
それらの映像に映る松田優作の演技は観ていて惹き込まれるモノがありました。
観て良かったと素直に思えたドキュメンタリー映画でした。

6 コメント

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剱岳つながり! (rose_chocolat)
2009-11-18 23:18:01
私もそう思った~。 

とにかく優作さんのストイックさ、芝居に賭ける凄味がわかる作品ですよね。
あの味って真似はできないと思います。 優作さんの人生そのものということがわかりますね。 息子さんたちは、優作さんそのものにはなれないですが、彼らなりに役者人生を歩んでいってほしいです。
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私も (KLY)
2009-11-19 00:05:31
「ブラック・レイン」は大好きでビデオに撮ったものを何度も見返しました。アンディ・ガルシアが優作にクビを落とされるシーンが強烈に焼きついてます。
森田監督のサングラス秘話や、表彰状の話なんかからは友人としての松田優作の側面が伺えて嬉しかったなぁって思います。
息子2人、どちらも好きな俳優ですし、きっとこれからもっと成長していくんでしょうが、それこそ長嶋一茂じゃないですけど、偉大な父を持った息子にしか解らない苦しみはずっとついて回るのかもしれないですね。
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歩んだ時代。 (BC)
2009-11-19 12:49:56
rose_chocolatさん、こんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

優作さんは自分の全てをかけて
作品に取り組んでいた様子が伝わってきましたね。

息子さん達は父とは歩んだ時代が違うし、
現代っ子らしい独自の個性を持っているので
彼ららしい演技で役者として成長していってほしいですよね。
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『ブラック・レイン』、現代っ子。 (BC)
2009-11-19 20:37:18
KLYさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。(*^-^*

『ブラック・レイン』は当時の大阪をスタイリッシュに映し出しているのが印象的で
大阪人の私としては親近感を覚える作品ではあるけど、
それよりも松田優作の演技の鮮烈さが際立っていました。

やはり、息子二人は俳優を続ける限り父親を少なからず意識せざるおえないだろうけど、
父とは活躍した時代が違うから
息子二人は現代っ子らしいスタンスでそれぞれに個性を発揮していってほしいですよね。
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観たい! (west32)
2009-11-19 22:44:03
この映画、期待して機会を探っているんですが、まだ観にいけないです。

観たい、観たい、観たい、観たい!!
BCさんのこの記事をみてもっと、観たい、観たい、観たい!!!!

松田優作さんの厳しさは有名でしたね。でもBCさんもおっしゃるとおり「プロとして当たり前」です。
私も仕事の時にそうなりたいです。

観にいきます
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ストイックな姿勢。 (BC)
2009-11-20 21:14:34
west32さん、こんばんは。
コメントありがとうございました。(*^-^*

この作品は梅田ピカデリーでは明日からは一日1回上映になり、26(金)で終了なので、
観に行かれるならば早めに行かれた方が良いかと思いますよ。
この作品は大阪では2館でしか上映されていなくて、
市内ではこの映画館だけでの上映なんですよね。
この映画館は数年前に改装されて内装がキレイになったけど、
駅からかなり歩かないと行けないのがしんどいですよね。

松田優作さんのストイックな姿勢が伝わってくるドキュメンタリー映画でしたよ。
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