~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

□『熱波』■

2013-07-24 23:42:21 | 映画【ヨーロッパ】


  『熱波』:公式サイト

ワニ

ポルトガルの俊英ミゲル・ゴメス監督の長編第3作で
第62回ベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞、国際批評家賞をW受賞。
フランスの映画誌『カイエ・ドゥ・シネマ』が選出する
2012年のベスト10にも入るなど、各国批評家筋から高い評価を獲得した作品。
現代のリスボンと1960年代のアフリカを舞台に
壮大な喪失のエピソードを2部構成で綴っていく。

邦題の“熱波”はピンとこなかったな。
まっ、愛に溺れてはいるんだけど
ホットな愛とは言い難く、ドライな愛という感じだったからね。

全体的にシリアスなタッチで
時折、挿入される60年代ポップスがどんよりな空気を瞬間的に和らげていた感じ。
だけど、後からなって思えば、それもアイロニーのような気もしてしまったし、
後味は良くはなかったですね・・。

私は寝不足だったこともあってか、
本編(特にⅠ部)はウトウトきてしまったので内容的には細かくは語りきれないけど、
映像を拝見していて
アレクサンドル・ソクーロフ、ロベール・ブレッソン、フランソワ・トリューフォー、
ロシア映画やヌーヴェルヴァーグなどを彷彿させる
画が語るモノクロの映像美のように感じた作品でした。


≪上映終了後のトークショー≫
7/21(日)で梅田ガーデンシネマで観ました。
上映終了後、新聞社の記者の阿久沢悦子さんと大阪大学教授の林田雅至さんの
トークショーの予定だったのですが、
阿久沢さんが体調を崩して入院されたとの事で
急遽、配給会社の代表の方と林田さんのトークショーとなりました。
ポルトガルの社会に関する専門的な内容も多く、
そういった面に詳しくはない私はよくわからなかった部分もあったので
印象に残った部分のみ抜粋しますね。

◆ 40歳(正確には41歳)の監督。
  この作品がなかったら、国内のみの監督で終わっていた。
    世界へ出て行けなかった。
    音楽のように流れていく映像美。
    白人社会と黒人社会の対比。

◆ Ⅱ部はナレーションのみで台詞なし。
    (本国ポルトガルのポスターは)アフリカを象徴するワニ。
   

◆ 黒人vs白人の対立がとげとげしくはなかった。

◆ (冒頭に)映画を観ている場面がある。
    リスボンのしがないマイナー映画の映画館。

◆ 下の階(シネリーブル梅田)で4人の監督
    (アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・オリヴェイラ)によるポルトガル映画
    (『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区』)が9月にある。

   『ポルトガル、ここに誕生す〜ギマランイス歴史地区』:公式サイト

◆ パウロ・ブランコPDが若手監督を育てた。
    映画館も持っている。

◆ アキ・カウリスマキはポルトガルに住んでいる。
    映画館も持っている。
    映画を作るだけではなく、映画を見せる場も作っている。


≪『熱波』関連記事≫

 映画ファンを熱狂させたポルトガル映画「熱波」監督が語る 〔映画.com:13.07.12〕


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。