最後の晩餐 - 映画作品紹介- CINEMA TOPICS ONLINE
君を食べたい
大石圭のホラー小説『湘南人肉医』を福谷修監督が映画化。
「ゴットハンド」と称されているカリスマ的な存在の美容整形の外科医が
人肉を食すことに取り憑かれ、次第に常軌を逸していく姿を描く。
雅也の幼なじみの女医役を演じているのは
元宝塚歌劇の男役トップスターのチャーリーさん(匠ひびき)。
女らしい話し方がぎこちなくて、棒読みで映像には向いていない感じ。
「君を食べたい・・・」飄々と甘美にささやく雅也は絶妙な感じ。
ただ、松方さんのねちっこい口調の狂気じみた演技と比べると
雅也は二枚目の殻を破れていない感じで演技力や存在感の差は感じたな。
松方さんはホラー初めてだったらしいですけど、役になりきってらっしゃいましたね。
牛肉にしても豚肉にしても鶏肉にしても生物の肉を食している。
だけど、脂肪吸引した人間の脂肪だけでも私は嫌だな。
だって、薬以前に汗・体臭・女性なら香水の匂いもあるだろうし。
まっ、この主人公の場合は間接セックスとして酔っているだけだろうけどね。
正直、B級だと思っていたけど、霞みがかった白に映える赤の映像、
テーブルの緑のライティングが美しく彩られている。
意外と芸術的な作りでJホラーの隠れた傑作でした。
P.S.メイキング
監督や共演者の方達が「加藤さんはホラー初めて」というお話しをされていたけど、
加藤さんが若い頃に主演した日本映画『帝都大戦』もホラーだと思うんだけど?
「何をやりたいとかはなく、きた役をやる。」
「映画に必要ならばラブシーンもやるが、宣伝の為だけならやらない。」
加藤雅也は職人気質ながらも単に流されるのではなく、譲れないポリシーも持っている。
大人の男だなと改めて実感。
メイキングでは加藤さんは関西弁丸出しで
共演者やスタッフともフランクで撮影現場のムードメーカーな感じ。
まさしく“関西のおっちゃん”ですね。^^
当時、事務所の先輩で雅也との共演が多かった
松方さんが彼の事を「加藤ちゃん」と言っていたのが面白かった。^^
保護者みたいな感じで支えてらしたのかな。