そこで二人の視線は一人の人物に当たった。当人は「んー?」と人差し指を唇に当てるという色っぽい仕草をしながら不思議そうにこちらを見ている――確かにある意味難攻不落だ。
「まぁ、それはそれとして???」
翔輝は再び不機嫌そうに唇を尖らせている大和に説明する。これからの時代は飛行機であり、艦隊決戦の機会はかなり少ない。それに比べて敵機の猛攻撃を受ける可能性の方が高い。ならば、使うかわからない砲撃力より、実用的な防空能力を上げた方がいいと説明する。大和自身も航空機の方が有利とはわかっている。だが、世界最大最強戦艦の誇りが彼女にはある。それを曲げる事になるのは嫌らしい。
金剛のように頭ごなしに否定している訳じゃないので、時間が経てばわかるだろうと、翔輝達は思った。ただ今は心の整理がついていないのだろう。
艦隊は順調に進み、十六日には呉に入港した。
各艦それぞれは船渠に入ったり沖に停泊したりと様々だったが、『大和』と『武蔵』は船渠に入った。半年ぶりに入った船渠で、『大和』は大改造を行われるのであった。
船渠に入り、兵達はそれぞれ休暇をもらった。これから『大和』は何ヶ月にも及ぶ大改造が行われる。兵達は久しぶりの内地の土を踏む為に我先にと艦を降りていった。
そんな仲、翔輝は休暇を取るか取らまいか迷っていたが、大和が「降りないでください」と泣きそうな目で言うもんだから、とりあえず休暇は先延ばしにする事にした。
「瑠璃には悪いけど、会うのはもう少し先だな」
と、翔輝は苦笑いした。
だが、お忘れだろうか。あの瑠璃という少女はこの呉海軍工廠の重要なスポンサーの一人娘。翔輝の為なら軍部だって動かすような彼女の強行突破を止める事など、ここにいる者は誰もできない。
だから――
「『大和』。相変わらず大きいですわ」http://www.ktsdsm.com/
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不敵な笑みを浮かべる少女が権力を使って『大和』に乗り込んで来ても、仕方がない事なのだ。
その頃、何も知らない翔輝は第三会議室にいた。艦魂達がこれからの事を話し合っているのを傍聴しようと思ったからだ。
「『大和』と『武蔵』はこれから長い間の休暇ね。私達も休暇だけど、あなた達ほど長くはないわ。だから最後まで一緒にいられないの。だから長谷川君。二人をよろしくね」
「ぼ、僕がですか?」
「そうよ。他に誰がこの二人の仲を取り持ってくれるのよ?」
「ま、まぁ、そうですが???」
翔輝は長門の説明に一応納得した。そんな翔輝を見詰め、長門は申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
「ごめんね。あなた以外に二人を抑えられる人はいないのよ。お願い」
頭を下げて頼み込む長門に、翔輝も諦めたようにため息する。
「はい。まぁ、仕方ないですね。今回の休暇は少し少なめにするしか――」
「そんなの断じて認められませんわ!」
突如響いた声。これほど特徴のあるしゃべり方をするのは一人しかいない。
ある者はその懐かしい声に心躍らせ。
ある者は天敵の登場で不機嫌そうに顔をゆがめる。
またある者はこれ以上ややこしくなる展開に頭を痛める。
そんな色々な反応が飛び交う中、けたたましく部屋のドアを開けて入って来た人物は全員の予想通りの人だった。
「瑠璃!」
翔輝が嬉しそうに瑠璃に駆け寄る。瑠璃も翔輝を見つけると天真爛漫の笑みを浮かべる。その光景をおもしろくなさそうに見詰めている者数名。
翔輝は目の前にいる少女に少なからず驚いた。
たった半年しか離れていないのに、瑠璃はずいぶんと大人に成長していた。年齢はもう十五歳になっているはず。もう子供ではなく立派な大人の女である。出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいる。かなりのスタイルである。
少し見ない間にずい
「まぁ、それはそれとして???」
翔輝は再び不機嫌そうに唇を尖らせている大和に説明する。これからの時代は飛行機であり、艦隊決戦の機会はかなり少ない。それに比べて敵機の猛攻撃を受ける可能性の方が高い。ならば、使うかわからない砲撃力より、実用的な防空能力を上げた方がいいと説明する。大和自身も航空機の方が有利とはわかっている。だが、世界最大最強戦艦の誇りが彼女にはある。それを曲げる事になるのは嫌らしい。
金剛のように頭ごなしに否定している訳じゃないので、時間が経てばわかるだろうと、翔輝達は思った。ただ今は心の整理がついていないのだろう。
艦隊は順調に進み、十六日には呉に入港した。
各艦それぞれは船渠に入ったり沖に停泊したりと様々だったが、『大和』と『武蔵』は船渠に入った。半年ぶりに入った船渠で、『大和』は大改造を行われるのであった。
船渠に入り、兵達はそれぞれ休暇をもらった。これから『大和』は何ヶ月にも及ぶ大改造が行われる。兵達は久しぶりの内地の土を踏む為に我先にと艦を降りていった。
そんな仲、翔輝は休暇を取るか取らまいか迷っていたが、大和が「降りないでください」と泣きそうな目で言うもんだから、とりあえず休暇は先延ばしにする事にした。
「瑠璃には悪いけど、会うのはもう少し先だな」
と、翔輝は苦笑いした。
だが、お忘れだろうか。あの瑠璃という少女はこの呉海軍工廠の重要なスポンサーの一人娘。翔輝の為なら軍部だって動かすような彼女の強行突破を止める事など、ここにいる者は誰もできない。
だから――
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不敵な笑みを浮かべる少女が権力を使って『大和』に乗り込んで来ても、仕方がない事なのだ。
その頃、何も知らない翔輝は第三会議室にいた。艦魂達がこれからの事を話し合っているのを傍聴しようと思ったからだ。
「『大和』と『武蔵』はこれから長い間の休暇ね。私達も休暇だけど、あなた達ほど長くはないわ。だから最後まで一緒にいられないの。だから長谷川君。二人をよろしくね」
「ぼ、僕がですか?」
「そうよ。他に誰がこの二人の仲を取り持ってくれるのよ?」
「ま、まぁ、そうですが???」
翔輝は長門の説明に一応納得した。そんな翔輝を見詰め、長門は申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
「ごめんね。あなた以外に二人を抑えられる人はいないのよ。お願い」
頭を下げて頼み込む長門に、翔輝も諦めたようにため息する。
「はい。まぁ、仕方ないですね。今回の休暇は少し少なめにするしか――」
「そんなの断じて認められませんわ!」
突如響いた声。これほど特徴のあるしゃべり方をするのは一人しかいない。
ある者はその懐かしい声に心躍らせ。
ある者は天敵の登場で不機嫌そうに顔をゆがめる。
またある者はこれ以上ややこしくなる展開に頭を痛める。
そんな色々な反応が飛び交う中、けたたましく部屋のドアを開けて入って来た人物は全員の予想通りの人だった。
「瑠璃!」
翔輝が嬉しそうに瑠璃に駆け寄る。瑠璃も翔輝を見つけると天真爛漫の笑みを浮かべる。その光景をおもしろくなさそうに見詰めている者数名。
翔輝は目の前にいる少女に少なからず驚いた。
たった半年しか離れていないのに、瑠璃はずいぶんと大人に成長していた。年齢はもう十五歳になっているはず。もう子供ではなく立派な大人の女である。出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいる。かなりのスタイルである。
少し見ない間にずい