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2013-10-21 14:49:45 | 日記
そこで二人の視線は一人の人物に当たった。当人は「んー?」と人差し指を唇に当てるという色っぽい仕草をしながら不思議そうにこちらを見ている――確かにある意味難攻不落だ。
「まぁ、それはそれとして???」
 翔輝は再び不機嫌そうに唇を尖らせている大和に説明する。これからの時代は飛行機であり、艦隊決戦の機会はかなり少ない。それに比べて敵機の猛攻撃を受ける可能性の方が高い。ならば、使うかわからない砲撃力より、実用的な防空能力を上げた方がいいと説明する。大和自身も航空機の方が有利とはわかっている。だが、世界最大最強戦艦の誇りが彼女にはある。それを曲げる事になるのは嫌らしい。
 金剛のように頭ごなしに否定している訳じゃないので、時間が経てばわかるだろうと、翔輝達は思った。ただ今は心の整理がついていないのだろう。
 艦隊は順調に進み、十六日には呉に入港した。
 各艦それぞれは船渠に入ったり沖に停泊したりと様々だったが、『大和』と『武蔵』は船渠に入った。半年ぶりに入った船渠で、『大和』は大改造を行われるのであった。

 船渠に入り、兵達はそれぞれ休暇をもらった。これから『大和』は何ヶ月にも及ぶ大改造が行われる。兵達は久しぶりの内地の土を踏む為に我先にと艦を降りていった。
 そんな仲、翔輝は休暇を取るか取らまいか迷っていたが、大和が「降りないでください」と泣きそうな目で言うもんだから、とりあえず休暇は先延ばしにする事にした。
「瑠璃には悪いけど、会うのはもう少し先だな」
 と、翔輝は苦笑いした。
 だが、お忘れだろうか。あの瑠璃という少女はこの呉海軍工廠の重要なスポンサーの一人娘。翔輝の為なら軍部だって動かすような彼女の強行突破を止める事など、ここにいる者は誰もできない。
 だから――
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 不敵な笑みを浮かべる少女が権力を使って『大和』に乗り込んで来ても、仕方がない事なのだ。

 その頃、何も知らない翔輝は第三会議室にいた。艦魂達がこれからの事を話し合っているのを傍聴しようと思ったからだ。
「『大和』と『武蔵』はこれから長い間の休暇ね。私達も休暇だけど、あなた達ほど長くはないわ。だから最後まで一緒にいられないの。だから長谷川君。二人をよろしくね」
「ぼ、僕がですか?」
「そうよ。他に誰がこの二人の仲を取り持ってくれるのよ?」
「ま、まぁ、そうですが???」
 翔輝は長門の説明に一応納得した。そんな翔輝を見詰め、長門は申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
「ごめんね。あなた以外に二人を抑えられる人はいないのよ。お願い」
 頭を下げて頼み込む長門に、翔輝も諦めたようにため息する。
「はい。まぁ、仕方ないですね。今回の休暇は少し少なめにするしか――」
「そんなの断じて認められませんわ!」
 突如響いた声。これほど特徴のあるしゃべり方をするのは一人しかいない。
 ある者はその懐かしい声に心躍らせ。
 ある者は天敵の登場で不機嫌そうに顔をゆがめる。
 またある者はこれ以上ややこしくなる展開に頭を痛める。
 そんな色々な反応が飛び交う中、けたたましく部屋のドアを開けて入って来た人物は全員の予想通りの人だった。
「瑠璃!」
 翔輝が嬉しそうに瑠璃に駆け寄る。瑠璃も翔輝を見つけると天真爛漫の笑みを浮かべる。その光景をおもしろくなさそうに見詰めている者数名。
 翔輝は目の前にいる少女に少なからず驚いた。
 たった半年しか離れていないのに、瑠璃はずいぶんと大人に成長していた。年齢はもう十五歳になっているはず。もう子供ではなく立派な大人の女である。出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいる。かなりのスタイルである。
 少し見ない間にずい

もうドンちゃん騒ぎ

2013-10-16 15:01:06 | 日記
ランペットの入ったケースと私物の入ったアタッシュケースを持った。向こうの方で他の軍楽隊員達が上官である翔輝に向かって敬礼しているのが見えた。
 滝川は振り返ると、ニッと笑みを浮かべた。
「今度また『大和』に来る事があったら、よろしくな」
「あぁ、元気でな」
「これからも御国の為に一層奮励努力するように」
「つーか、早く帰れボケ」
「同感です」
「???右に同じ」
 後半三人の態度に滝川は口を尖らせる。
「何だよ。最後ぐらい笑って見送れないのか?」
「それをできないくらい人をからかったのはどこのどいつだよ」
「???せめて味方軍港の湾口に沈むような、人の足を引っ張るような事だけはしないように」
「それ、すごい迷惑。もう迷惑なんてレベルじゃないよ」
「はいはい。それじゃ、沈まないうちに駆逐艦は撤退しますよ」
 滝川は皮肉を言うが、そんなのこの三人にはまったく無駄。むしろ、
「お前が駆逐艦ってのは駆逐艦達に失礼だろ?」
「???同感。水雷艇がいいところ」
「練習艦でいいよ」
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 余計ひどく返された。
 ため息する滝川の肩を、翔輝は苦笑いしながら叩いた。そんな翔輝に滝川も苦笑いして踵を返した。
「じゃあな! 元気でな」
 激しく手を振り、満面の笑顔で別れの挨拶をする滝川に、翔輝も笑顔で手を振った。
 夕日に照らされる二人の笑顔は、とても柔らかいものだった。
 そして、滝川の姿は、輸送艦の中に消えていった。

 夕焼けに染まった海の上を走って湾外に出て行く輸送艦。そのまわりを味方駆逐艦が護衛する。金剛はそんな部隊に向かって小さく微笑むと、静かに敬礼した。それは彼女なりの、小さな激励だった???
 暁色に照らされたその微笑は、とても優しげなものだった。第八章 第五節 月光煌く君の笑顔

 さて、真珠湾攻撃が終わったら一週間後には何があるでしょうか?
 答えは簡単。十二月十六日は、戦艦『大和』の就役日――つまり、大和の誕生日である。

 戦艦『大和』の会議室では艦魂達が大和一歳の誕生日を祝っていた。
「これ私からのプレゼントです! 大和司令! 受け取ってください!」
「ありがとう」
 キャーキャー言いながらプレゼントを渡す駆逐艦達ひとりひとりに、大和は笑顔を向ける。それを受け、駆逐艦達は心底嬉しそう。前連合艦隊旗艦である長門の忠誠心と違って、大和は共に戦う仲間という意識が強いのか、友達のような関係できた駆逐艦達にとっては、もうドンちゃん騒ぎ。食って歌って踊って騒いでフィーバーッ! という感じだ。
 駆逐艦や巡洋艦達からプレゼントを一通りもらうと、大和は戦艦と空母の輪に入った。そこには今日の朝に内地から整備を終えてトラック島にやって来た瑞鶴の姿もあった。
「改めて、久しぶりだね瑞鶴」
「うん。ごめんね。整備ついでに機銃の増強も行ったから時間がかかってね。前線であるトラック島に大和や隼鷹達を置いて来ちゃったから、ちょっと心配だったけど、大丈夫だったみたい」
 お互いを心配して笑い合う二人の姿は、春の日差しのように暖かく、輝いていた。そんな二人の内の一人、瑞鶴の上着の裾を不安げな瞳をした少女がちょこんと握った。
「ねぇ、瑞鶴。翔鶴お姉ちゃんは?」
「姉さん! 瑞鶴さんを呼び捨てにして!」
「いいの飛鷹。私さんづけの方が好きじゃないから」
「そ、そういう問題では???」
 一人納得のいかない飛鷹を置いて、瑞鶴は隼鷹の頭をそっと撫でた。
「ごめんね。姉さんと瑞鳳の傷って結構重傷だから修理に時間がかかるの」
「あとどれくらい?」
「そうね。二人とも来年の春までにはきっと復活してるわよ」
「えー、来年ー?」
 隼鷹は心底残念そうな顔をする。
「こればっかりは仕方

すぐに優しく微笑む

2013-10-14 14:20:21 | 日記
「あぁ、そうだったね」
 翔輝は微笑して伊勢を見詰める。すると、「ごめん」と言って頭を下げた。
「悪いけど、僕は出ないって言っといてくれる?」
 翔輝の突然の欠席宣言に、伊勢は瞳を大きく開ける。
「で、出れないって、どういう事どすか? 何か理由がなくてはできへんで?」
「理由???ね。今は彼女達に会いたくない、かな?」
「会いたくないって、どうしてやろか? やっぱ、山城はんに言われた事を気にして???」
「あ、何だ。みんな知ってるんだ」
 翔輝は伊勢の言葉に驚いたような顔をするが、すぐに優しく微笑む。
「それなら話が早い。そうだよ。僕がこれ以上艦魂と関わる事で、双方に悪影響が出ないかなって思ってさ。もし関わらない方がいいなら、早い方がいいと思ってる。だから???」
「それって、逃げてるっちゅー事にならへんか?」
「え?」
 翔輝は驚いて伊勢を見る。伊勢は大きな瞳を真剣に翔輝に向けていた。
「逃げてるって、どういう事?」
 翔輝は伊勢の言った言葉の意味がわからなかった。伊勢は凛とした声で翔輝に問う。
「長谷川はんはどうなんどす? もう大和はんや長門はん達と関係を断って、それでもええんどすか? 悲しくないんどすか? 寂しくないんどすか?」
「それは???、悲しいし、辛いよ? でも、それが最善の策なら――」
「それが逃げてるんどす」

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 伊勢は凛とした声で続ける。
「それが一番ええと誰が決めたんどすか? それが一番ええとどうして決められるんどすか?」
「そ、それは???」
「その方法は確かに正論どす。せやけどそれはあくまで空論。実行できっこない理想論どす。ほんなら訊くけど、長谷川はんを信頼し切ってる大和はんを突き放して、彼女を悲しみのどん底に突き落としてまで関係を断ちたいんどすか?」
 翔輝は答えなかった。いや、答えられなかった。
「それに、うちが知る限り艦魂が見える人は最後まで艦魂と関係を持っとるどす。赤城みたいに特別な関係になる人もたくさんいたんや。あんただけどすよ? そんなふうに否定的な考えを持ってるちゅーのは」
「???最後まで関係を持ってるの? それって、辛い事じゃ」
「楽しかったらしいどすよ。一生艦魂達と仲良く暮らした人もぎょーさんおるどす。まぁ、今は戦時中で次々に艦魂は死んでいくんやけど、それはあんた方人間もそうどすよ? せやのになんで艦魂だけを特別扱いするんどすか? 戦争で犠牲になるのは、むしろ艦魂より人間の方どすよ?」
 伊勢の言葉に、翔輝はずっと沈黙したままだった。
「それに???」
 伊勢は月夜で照らされる顔を笑顔にする。
「長谷川はんがやってくれへんと、大和はんと武蔵はんはずぅっとケンカしたままどすよ?」
 その言葉を聞き、翔輝は思い出したように笑った。
「あの二人まだケンカしてたのか。正反対な性格してるのに、負けず嫌いな所だけはそっくりだな」
「そうやねぇ。厄介な所だけはそっくりな姉妹やで」
 二人は笑い合った。その時、下の方から翔輝を呼んでいる陸奥の声がした。
「長谷川はん。あんたが来てくれへんと友好会が開けんよ?」
 伊勢はイタズラっぽく笑った。
「でもなぁ」
 翔輝はまだ迷っていた。そんな翔輝を見て伊勢はため息をついた。
「長谷川はん。長門はんをこれ以上待たせとると金ダライ二六〇二連発どすよ?」
「???すさまじい数だけど、何でそんな微妙な数なの?」
「二六〇二は今年の皇紀どす」
「???皇紀で金ダライの連射が決まったら、頭がもたないよ」
「せやったら行く。選択肢はないどすよ?」
 伊勢は抵抗しない翔輝を半ば無理やり連れて行った。というか連行した。
 途中、陸奥、霧島と合流。三人が

難攻不落かと

2013-10-11 14:26:14 | 日記
欷扦饪椞锛窑摔趣盲瞥瘋}家はまさに目の上のたんこぶである。
 その朝倉家の中でも信長はとりわけこの老人を意識していた。
「朝倉家で最も恐ろしいのは宗滴殿じゃ」
「朝倉宗滴殿ですか」
「もう八十近いが今だに負け知らずじゃ」
「齢八十に近くなってもですか」
「うむ、まだ負けを知らぬ」
 信長jは確かな顔で話す。
「初陣からのう」
「それはまた凄いですね」
「敵の数がどれだけ多くともじゃ」
「勝ってきているのですか」
「そうなのじゃ」 
 それが宗滴だというのだ。
「朝倉家は主は特に大したことはないがのう」
「確か朝倉家の主は」
「知っておるか」
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「義景殿でしたね」
「わしはあの御仁は特に気にしておらぬ」
 肝心の当主はというのだ。
「実のところはな」
「織田家とは違って」
「南蛮の大名、いや領主じゃったか」
「貴族ともいいますが」
「その者達でもそうしたことがあろう」
「そうですね。当主が凡庸であっても」
 これだけ義景を痛烈に批判した言葉はないがフロイスはこの言葉を意識して出した訳ではない。意識せずに言っているのだ。
 だがまさにその通りだ、義景はそうした者なのだ。
「その親族や家臣の方が秀でているということはあります」
「そういうことじゃな」
「それで朝倉家もなのですか」
「宗滴殿が要じゃ」 
 あくまで彼がだというのだ。
「しかし当主がそうした御仁じゃからな」
「歪なところがありますね」
「宗滴殿がいなくなってもう柱がなくなる」
 ここでは要と柱は同じ意味である。
「どうということはないであろうな」
「そうでありますか」
「しかしどうであろうな」
 信長はふと話の調子を変えてきた。
「その宗滴殿とわしは一戦交えるやも知れぬな」
「そうなりますか」
「若しやな」100
 これは信長の直感から出た言葉だった。
「そうなったら果たしてどちらが勝つであろうな」
「朝倉殿の兵は」
「二万じゃ」
 越前一国で八十万石、まさにそれだけである。それに対して織田家は十九万、石高で七百六十万石だ。圧倒的である。
 力の差は歴然だ、だが信長はそれでもこう言うのだ。
「しかしさっきも言ったがな」
「宗滴殿には数は問題ではありませぬか」
「何十倍もの数の死を恐れぬ者達にも勝っておる」
「何十倍のですか」
「一向宗は知っておるか」
「あの攝津の巨大な寺の」
「そう、あの寺じゃ」
 本願寺の拠点である石山御坊の巨大さはその辺りの城なぞ比べものにならない。フロイスはその寺を評してこうまで言った。第百八話 茶の湯の南蛮人その十

「難攻不落かと」
「そこまで至るというのじゃな」
「あれはまことに寺ですか」
「南蛮にはああした寺はあるか」
「教会ではありません」
 フロイスはキリスト教に置き換えてそのうえで信長に答えた。
「修道院でもあれ程までは」
「ないか」
「欧州での城は町を壁で囲むものです」
「話に聞けば明もそうであるな」
「あの国も古来よりそうらしいですね」
 欧州や明の城は日本のものとは全く違っている、町で壁を囲んだものだ。信長は日本にあるそうした城ではこの城を知っていた。
「小田原城の様なものじゃな」
「東にある城ですね」
「あの城は町を壁と堀、石垣で囲んでおるそうじゃ」
「はい、まさにそうした城が欧州の城です」
「しかしそれでもか」
「都も確かにそうした城ですが」
 形式的なものでしかない。平安京にしても平城京にしてもその壁は低く門も守るには頼りないものである。だからフロイスも都等はそれに入れなかった。
「しかしあの寺は」
「全く違うな」
「町どころではないかと」
 その中にあるのはというのだ。
「あれが寺ですか」
「そうじゃ」
「あれ

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2013-10-08 11:45:01 | 日記
ありませぬ」
「しかしじゃ。できぬと思っておってもじゃ」
「その実はですか」
「出きる方が多いのじゃ」
 これは柴田の見立てだった。かくしてだ。
 彼等は積極的に攻めることにした。しかしまだ動かなかった。今は力を溜める様にして動かなかった。だがその目だけは強い光を放っていた。

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 城の中でだ。慶次は奥村に対して言ってきた。
「のう。それで権六殿じゃが」
「何故動かぬかというのじゃな」
「そろそろだと思うのじゃがな」
 慶次郎は自分の見立てを話した。
「しかしそれでもか」
「うむ、まだじゃ」
「ふむ。権六殿といえばじゃ」
 ここで慶次は自分から見た柴田を語った。
「とにかくすぐにかかれと言われると思うのじゃがな」
「確かにな。権六殿ならばな」
「御主もそう思うじゃろ」
「うむ。それにそろそろであろう」
 奥村は真面目そのものの顔で慶次に答える。飄々とした感じの友も違い彼は真面目な顔である。その顔でその友に対して答えたのである。
「攻めるならばな」
「攻めるのなら権六殿じゃしな」
 柴田の攻めの上手さには定評がある。攻めなら彼、退くなら佐久間とだ。信長も認め全幅の信頼を置いているのだ。そしてそれだけにだ。
 慶次もだ。少し疑念を抱いた顔で言うのだった。
「わしから見てもそろそろだと思うがのう」
「うむ。わしもそう思う」
「しかし動きはない」 
 また言う慶次だった。
「何故であろうな」
「既に六角の軍勢は川の向こう側におる」
「野洲川のじゃな」
「そうじゃ。そこにおる」
 物見で確めた通りだ。それは間違いなかった。
「紛れもなくのう」
「それではこの城から川まで一気に進む」
「そうするべきじゃがな」
「しかし動かれぬ」
 どうしてもだった。柴田はだ。それでだ。
 二人はいぶかしんでいた。そのうえで向かいながらだ。話すのだった。
 だがここでだ。慶次はこんなことも言った。
「話をするのもよいがじゃ」
「水じゃな」
「うむ、水を飲もうぞ」
 二人は汗だくになっていた。この時もだ。
 日は高くその光が彼等を照らす。その下でだ。慶次は奥村にこう提案したのである。
「さもなければ倒れてしまうわ」
「そうじゃな。しかしじゃ」
 奥村も水を飲むことには同意した。しかしだった。
 彼は同意しながらもだ。こう慶次に言った。
「水もじゃ」
「少ないというのじゃな
「この暑さじゃ。皆かなり飲んでしもうた」
「だからか」
「かなり減っておる」
 そのだ。水がだというのだ。
「あと少ししかないぞ」
「そうなのか。ではじゃ」
「少しだけにすべきじゃ」
 そのだ。水を飲む量はだというのだ。
「そうしてそのうえでじゃ」
「今は我慢すべきか」
「何時権六殿が出陣と言われるかわからんからのう」
 奥村は冷静にこう言った。
「だから今は少しにしておこうぞ」
「ううむ。わしは思いきり飲みたいのじゃがな」
「そこは我慢せよ」
 駄々っ子を前にした様にやれやれといった笑みでだ。奥村は慶次に話した。
「よいな。戦が終わるまでの辛抱じゃ」
「やれやれ。助右衛門は厳しいのう」
「しかし御主もそれ程飲むつもりはあるまい」
「喉を少し濡らすだけじゃ」
 実際にだ。微笑んでこう答えた慶次だった。
「その程度でよい」
「そうじゃな。御主もじゃな」
「それでよい。今はのう」
「そうじゃな。それではじゃ」
「飲みに行こうぞ」
「うむ」
 こう話してだ。そのうえでだ。二人は水が入っている瓶のところに向かった。