冒険家あっこのワールドたいむず

幼き頃より将来の夢は冒険家。青年海外協力隊、民間会社勤務を経て、目下次の夢へと邁進中!

ウェゲド村の王様の祭り

2010年12月25日 | 日常@テンコドゴ
今日はクリスマス。

ブルキナの人々は、クリスマスに友人・知人を家に招待し、

豪華にもてなす習慣がある。

しかし偶然にも今日、知り合いのクロードの村で祭りが開かれるとのことで、

私はその祭りを見に出かけた。

テンコドゴ市街から8キロ程離れたところにあるウェゲド村。

今日はこの村で一年に一回開かれるという王様の祭りの日なのだ。

ここブルキナでは、各村々に王様がいる。

ウェゲド村の現王様はクロードの実のお兄さんだ。

兄弟でも身分が違えばこれほどまでに違うのかと驚くほど、

中央に鎮座する王様は威厳に満ちていた。


私が到着した時、ちょうど牛が生きたまま首を掻っ切られ、

生け贄として供えられようとしていた。



祭りの広場にはいくつか石が置かれてあるのだが、

どうやらそれらは歴代の王様の墓らしい。

モシ族の風習として村民は王様の墓に生け贄を捧げ、

その際に流れる生け贄の血を墓の上にそそぎかけるのだ。

広場の真ん中にある墓には、

先ほどの牛から噴き出た血がそそがれていたが、

横を見ると次から次へとヤギやら鶏が生け贄に捧げられていた。



次々に生け贄の首を切っては鮮血を石の上にそそいでいくのは、

見ていて気持ちのいいものではなかった。

むしろこれまでの人生でこのような場面を実際に見たことがなかったので、

最初は直視出来ず、気分も悪くなった。

しかし慣れとは恐ろしい。

これだけ続けざまに見ていると、気付いた時には何とも思わなくなっていた。


さて、儀式を行う場所に到着すれば、必ず王様に挨拶をしなければならない。

その際、平伏すように身をかがめて挨拶をしなければならない。

挨拶の時だけでなく、王様の前では誰もが平伏した姿勢を取っていた。

また常に王様の両脇には僕のような人達が付いているが、

彼らは王様が飲み物を飲む時は必ず大きな団扇のようなもので王様の顔を覆っていた。

聞くと、王様のそのような姿は人々に見せてはいけないのだそうだ。




祭りは進行し、今度は大きなひょうたんで作られた太鼓を抱えた男たちが太鼓を叩き始めた。

これこそが文化人類学者の川田順造氏が研究した「太鼓ことば」である。

モシ族の間では太鼓は単なる演奏楽器ではなく、

叩き出される音が「言葉」として物語を伝える機能を持っているのだ。

私には全然理解出来なかったが、長々と続く太鼓の音は、

歴代の王様について語り、それぞれを讃えていたのだそうだ。




今日、実は普段お世話になっている方から夕食に招待されていたが、

どうも祭りは途中で抜け出せる雰囲気ではなかった。

抜け出すにしても必ず王様に挨拶をしなければいけないということで、

私は結局最後までそこに残った。

そのため招待されていた夕食には間に合わなかったが、

今日は王様の儀式を実際に見る機会を得、すごく貴重な時間を過ごせた。


※後日談

生け贄の儀式だが、やはり自分の考える以上に衝撃が大きかったのか、

この日を境に連日悪夢にうなされ、苦しい夜が続いた。

ウスマン・ベイビー!

2010年12月20日 | 日常@テンコドゴ
今日、仕立屋ウスマンの家に遊びに行ってきた。

実はウスマン、パパになったのである!

わーいわーい、ウスマン・ベイビーの待つ家へゴー!

今回でベイビーに会うのは2回目。

前回はカメラを持っていなかったので、

今度はきちんとカメラを持って行きました。

最初に会ったときは産まれて一週間しか経っていなかった赤ちゃん。

ちょうどその日、割礼が行われたらしく、

処置した部分の傷が痛々しかったが、

今回はだいぶ良くなっていて、一安心。

あれから2週間。

まだまだビックリするくらい小さくてかわいい。

そうそうウスマンもパパになって3週間目。

子どもを抱く手つきもまだ慣れない感じで初々しい。笑



いやあ、本当にかわいい。

ラウーズ君、実は私のフィアンセ☆

(ウスマンからの承諾済み!というかウスマンから任命された!)

そしてこちら。

私の膝の上で眠るマイ・ラウーズ☆

う~ん、かわいい!



ラウーズ君、どんな大人になるのかな?

やっぱり仕立屋を継ぐのかな?

元気に育てよー!!ラウーズ!


さて、ウスマンの家の裏には川みたいなダムがあるのだが、

そこにも連れてってもらった。



海がなく、川もそんなにない、ここブルキナ。

やっぱり水のある風景は落ち着きます。

この時はちょうど靄がかかっていて、とても幻想的な雰囲気でした。


さて、今日は先輩の隊員が我が家に泊まりに来る日。

急いで帰宅。

いつものようにテンコ隊員3人揃って、お客さんを連れてレストランに。

今日もまた夜は色々と語りました。

「いやあ~分かるー!!」という話が多々あり、盛り上がりました。


今日は色々楽しい出来事があったけど、

やっぱりブログのタイトルには彼を選ぼう!

愛しのフィアンセ、ウスマンベイビー!

大きく育てよー!

また会おう☆

第一回テンコ料理選手権!

2010年12月18日 | 日常@テンコドゴ
昨日急に通達があり、

今日いきなり第一回目となる「テンコ料理選手権」が開催された。

選手はお馴染みテンコ隊員の3名。

急だなあと思いながらも、

私は自慢のスパゲッティで勝負に挑んだ。

3選手、並びの家に住んでいるが、

調理は自宅でというルールに従い、

制限時間ギリギリまでそれぞれ家に引きこもり、調理にいそしんだ。

午後6時開幕!

3選手、それぞれ自信作を手に、真ん中の家に入場&集合。

そして出揃った料理はこちら!



ずばり時計回りに上から、

不二雄家の野菜丼
(説明:大体想像がつくので省略)

イマ頓堀のチヂベット
(説明:チヂミ&クルヴェット【フランス語で小エビ】のコラボ)

アキー・パスタのレギュネーズ
(説明:レギューム【フランス語で野菜】&マヨネーズのコラボ)

それぞれちょっとずつ有名どころをもじって、

印象の得点アップを狙いました。


さあ、各選手の料理、詳しく見て行きましょう。

まず野菜丼。

鶏肉にナスビを代用するという大胆さで勝負に出ました。

懐かしい日本の味で、みんなの舌を楽しませてくれました。

次にレギュネーズ。

スパゲッティをマヨネーズ&ニンニクで和えるという発想の奥深さ。

意外や意外、両者のハーモニーは美しく、

絶妙なまろやかさでみんなを驚かせました。

そしてチヂベット。

ブルキナでチヂミ!

しかも海のないこの国で、まさかのエビ!

何から何まで衝撃的なチヂベット。

これまた衝撃的に調合されたタレとともにみんなを圧倒させてくれました。


一通り食したところで、審査開始。

と言っても審査員はいないので、

選手たち自身であれやこれやと品評。

結果、チヂベットが優勝!

2位はレギュネーズ。

3位は野菜丼。


1位と2位はなんと0.5ポイント差。

うーん、アキー・パスタの店長としては悔しい限り!

でもここは恨みっこなしで、3選手揃って、最後に仲良く記念撮影!



お腹いっぱい、トークにも花が咲いて、楽しい夜となりました。

む、難しい・・・

2010年12月14日 | 日常@テンコドゴ
今日歩いていたら、裏の家に住むおっちゃんに呼び止められた。

実は用事があったので、挨拶だけのつもりで立ち寄った。

一通り挨拶を交わし、

「じゃあ!」

と行きかけたら、

「ところであんた、仕事は何をやっているの?」

と聞かれた。

「HIV/AIDSを専門に色々と活動していますよー!」

と答えると、

「じゃああんた、ワシらブルキナのために頑張ってくれるのかね?」

と返ってきた。

ああ~この流れ、長くなりそう・・・と内心思いながら、

「いやいや、やっぱりHIV/AIDSは大きな問題ですからねー、

 誰がって言うんじゃなく、みんなで協力して取り組む問題ですよー。」

と答えた。

するとやっぱり始まりました・・・質問&議論攻撃!

「HIVはどうやったら感染するのか」から始まり、

途中「最終的にはHIVで人類が消滅するんじゃないか」という極論を経て、

私からも簡単なウイルスの説明&予防の話をはさみつつ、

「結局貧しいワシらはHIVには敵わないんだ」という結論で幕を閉じた。


思ったこと。

やっぱりHIV/AIDSは難しい問題だなあということ。

これは単なる病気ではなく社会的な問題でもあるから、

掘り下げれば社会規範やら貧困やらに行き着いて、根が深い。


おっちゃんが最後まで譲らなかった結論。

「結局貧しさがワシらをHIVに感染させるんだ」

これは具体的には次のようなことである。

・コンドームを買えない。

・女性は男性に依存せざるを得ない。

・最終的にはお金のために体を売らざるを得ない。


予防とかコミュニケーションとか自分の行動を選択・決定する力とか・・・

色々と予防啓発として考えてはいるが、

実際目の前に貧困の問題を突き付けられた時、

自分には返せる言葉が見つからなかった。


時計を見たらなんと40分間も議論していた。

友達との約束の時間はとうに過ぎている・・・

でも改めて色々と考える良い機会となった。

今度議論するときは、また違うことが言えるかな。

独立記念日

2010年12月11日 | 日常@テンコドゴ
今日はブルキナファソの独立50周年の記念日であった。

本当は8月5日が独立記念日なのだが、

その時期は雨季で人々は農作業で忙しいため、

今日に日を遅らせて祝うのだそうだ。

お隣さん家が昨日の夜から大音量で音楽を流し、

今日も朝っぱらから大型スピーカーを設置して大音量で音楽を流し続けていた。

なんだろうと思って聞きに行くと、

「décoration」がどうのという答えが返ってきた。

辞書で調べれば、勲章を授けるなどの意味があがってきたので、

独立記念を祝うのか、別の何かを祝うのかよく分からなかった。

ただとにかく盛大に何かをお祝いするらしいということだけ分かった。

そして気付いたら自分もその準備に駆り出されていた!

誰なのか全然分からないおばちゃん達が次々に集まってきて、

同時に何種類もの料理を作っていく。

別に話し合っているわけでもないのに、

感心するくらいにうまく分担作業が出来ている。

私も面白そうな作業があればそれを覗きに行って、

ついでに手伝ったりした。




面白いのは、みんな作りながらそれをどんどん食べていくのだ。

出来上がった料理があれば、それを次々に空いているお皿に盛っていき、

自分達で食べてしまう。

食べても食べてもなくならないほどの量を料理しているから平気なのだろうが、

イベントの本番はまだまだなので笑ってしまった。

私のところにも次から次へと料理が運ばれてきて、

苦しいくらいにお腹いっぱいに食べた。

もう限界だと思ってそのお皿を横に置くと、

さっそく近くにいたおばちゃんがきれいに食べてくれた。

それでもまた別の人が違う料理を持ってきてくれたので、

一口食べてまた横に置いておいた。

するとさっきのおばちゃん、カバンからビニールの袋を取り出し、

その料理を袋に移し始めた!

そしてそれをカバンにしまった!

ああ、これ万国共通だったんだ!

大阪のおばちゃんだけに見られる現象じゃなかったんだ!と感動。

そのおばちゃん、他にもスプライトやら色々なものをカバンの中に詰め込んでいた。


さて、朝の6時過ぎから始まった準備だが、

イベントは14時開催予定。

時計を見ると15時。

そう思っていると、ここの家のおっちゃんがやってきた。

胸には勲章らしきものを付けている。

回りには何やら取り巻きみたいな人達が4~5人いる。

ビデオカメラがおっちゃんを映して回る。

今日はこのおっちゃんの功績を讃えてのイベントだということが分かった。

家の前にある施設を使って、盛大なお祝いが始まった。

とにかく食べる。飲む。

ビックリするくらいたくさんの人が集まった。

これは夜の20時まで続いた。

私は家に戻っても爆音で落ち着けないので、

夜も会場をウロウロしたりした。

結局最後までよく分からなかったが、

たらふく食べて満足した一日となった。