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Ita's Note

群馬県前橋市の司法書士、板倉真の備忘録です。
日々の業務で覚えた知識、疑問などを記録していきます!

ぐんまクレサラ対協

2008-10-20 16:09:50 | 多重債務問題

18日、ぐんまクレサラ対協の幹事会に、越谷まで行ってきた。

会員はいずれも多重債務問題に熱心に取り組んでいる司法書士・弁護士なので、

毎回の議論は非常に参考になる。

 

今回の主なテーマは、取引の分断について。

今年2月の最高裁判決以来、裁判所は

 ①基本契約の数

 ②当事者間の取引終了の意思の有無

等を勘案し、例え分断期間が数ヶ月に過ぎなくとも別取引と判断される傾向にあるという。

 

取引が個別であるとされた場合、

前取引で生じた過払い金を後取引に当然に充当することができなくなり、

消滅時効が援用されたりすると、返還額に大きな差が生じてしまう。

会員の事例報告では、一連計算で832万円余の請求に対し、

取引の分断、消滅時効の援用が認められたため、

16万円余の支払命令がされた判決があった。

想像するだけで恐ろしい。

最高裁の迷走に、現場は混乱状態である。


上毛ローン

2008-09-27 12:56:44 | 多重債務問題
群馬県の消費者金融会社上毛ローン上毛與信株式会社が、ついに破産手続開始の決定が出ました。
過払金債権を有する債務者が破産申立をした事件で、破産手続が開始されたのはほとんどなく、
同様の手続きが進められている三和ファイナンスの事件の進捗にも大きな影響がありそうです。

破産管財人は東京弁護士会所属の舩木秀信弁護士。
私は、同社の経営不安から、債務名義(判決)を取得し、債権譲渡による債権回収を目指してきましたが、
破産手続の開始に伴い、裁判所の手続きの中で債権を回収せざるを得なくなってしまったようです。




三和ファイナンスに債務者が破産申立

2008-09-16 09:08:23 | 多重債務問題

消費者金融中堅の三和ファイナンス(新宿区)に対し、債務者約600人が破産を申立しました。

http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008091201000771.html

三和ファイナンスは、過払い金の返還を命ずる判決をとっても、それを返還せず、

差押え等による回収も実質的にできない会社であることが知られています。

私も、ある過払い金の返還を求め裁判所に提訴したばかりです。

このような「逃げ得」を許さないためにも、破産手続きにより事態が改善することを望みます。


利息制限法シンポ

2008-09-12 10:48:00 | 多重債務問題

先週末、東京で開かれた利息制限法に関するシンポジウム(利息制限法金利引下実現全国会議主催)に参加してきました。

鳥畑與一静岡大教授の基調講演では、低所得の債務者には、高金利で信用リスクを回避するのではなく、返済に無理のない低金利で生活破綻を防いだ方がリスク回避になるとの主張を、アメリカのサブプライムローン問題などを引き合いに熱弁されました。まさに目から鱗が落ちる思いです。

パネルディスカッションでは、弁護士、学者、税理士、被害者団体などが白熱した議論を繰り広げましたが、現行の利息制限法金利15~20%では、債務者の生活破綻を防ぐことはできず、適正な金利は6~9%であるとの認識で一致しました。このような充実したパネルディスカッションは初めて見た、というぐらい充実したものでした。

司法書士も今後、より一層、利息制限法の見直し運動に取り組まねばと決意を新たにしました。