■ピエール?リトバルスキーさん(元西ドイツ代表)
――Jリーグの開幕シーズン、1993年には市原(現J2千葉)でプレー。それから日本はどう変わりましたか。
「クラブが真のプロとして運営されるようになり、練習方法も確立された。選手ももちろん変わった。私は開幕当時、試合前に相手チームの選手から『一緒に写真撮って』と頼まれ、試合中には『あとでサインしてください』と言われ、試合後には相手サポーターにまであいさつに出向いた。今はそのような風景は見られず、選手一人一人が物おじしない。パス、シュートも強くなり、コンパクトに試合ができるようになった」
――日本代表は昨年11月の海外遠征で、オランダに引き分け、ベルギーには逆転勝ちしました。
「オランダ戦では先にペースを握られて失点した。今までの日本なら、FWロッベンを恐れて、DFラインを押し上げられなかった。それが前線からも重圧をかけて、主導権を握り返した。精神的な成長を感じた」
「選手全体のレベルも上がり、パスが1、2、3、4とつながる。少し前だと、質が高いのはMF中田英寿1人だけで、『中田さん、お願いします』という状態だった」