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白妙の夢

『何年かかるか分からないけど…』

バラバラ

2006年01月02日 | 
マンガの感傷
音楽の歌詞
ゲームの結末
論文の成果
ドラマの展開
小説の顛末
ニュースの脚色

そして
「現実」の世界


バラバラな空想たちが
一つの現実に棲み
一つの心が
バラバラな現実から形造られる

空想の住人が 現実になり
現実の人間が 空想を欲す

継ぎ接ぎの体が叫ぶ
昨今は正に
「空想」の世界だと


極大の偏りと 極大の融合

全てが現実で
全てが空想でもある


そして全ては囁くのだ
それを決めるのは自分だと


――――――――――――――――――
今回からコメントを少し。

これは結構前に作った詩。確か一年前くらい。
まだ書き始めて一年なんで、初期作品とも言えないけど、まぁ始めの方に作ったやつです。
押井守の得意な「現実と空想の狭間」をコンセプトに書いてみました。最近のマンネリ化気味な作品よりは好きです。
世界は自分の受け取り方によって嘘とも真実とも取れるので、そういう意味では「現実」とも「空想」とも取れるかもしれません。皆様にとって世界は何ですか?

タイムマシン

2006年01月01日 | 
あの日の笑顔も
冷たい頬も
もう戻らないけど
君との約束も過去の物にはしたくない

タイムマシンは どこにでもある
未来はいつでも変えられる

今この瞬間にも
少しずつだけど
タイムマシンは動いている

今この瞬間にも
僕らの右手には
タイムマシンのスイッチが握られていて
いつの瞬間にだって
ワープを始めることができるんだ

気付かないだけなんだ

僕らは少しずつ
未来を動かしているということを

気付いた今からさあ
ハンドルを切るんだ
今からだって
遅くはない

足跡

2005年12月31日 | 
今日僕の許に降るこの雪は
あなたの思い出運んでくるよ
真っ白で無邪気な心と
真っ白な君の肌と

ありふれた時間が
永遠に続くと思えたんだ
あの日に降った真っ白な雪と
二人はしゃいで見上げた空と

残された記憶も
今日僕の許に降るこの雪も
小さなこの手に握りしめて
僕は一歩いっぽ歩いてゆく

過ぎ去った時間は
もう戻らないけど
この雪と共に
新しい足跡を創ってゆこう


その手を出して

2005年12月30日 | 
暗闇なら
手を繋げばいい
独りでふさぎ込まないで

君の手も僕の手も
そのためにあるんだもの


冷たいなら
手を繋げばいい
独りで抱え込まないで

誰も独りじゃ生きられない

だから
手を出すことを
恐れないで

小さな手も
か細い手も
ぶ厚い手も
不器用な手も

繋ぎ合えば 温かい
手を繋げば 怖くない


それでも世界は美しい

2005年12月29日 | 
空は
いつまでも美しい被写体であり続け
山々も
綺麗なシルエットを湛える

君は
日に日に衰えてゆく
思い出は
日に日に大きくなってゆく


あの日の君の笑顔は
きっともう見れないね


それでも
山々は美しく
空は高いまま
ガラス越しの空だって
こんなにも美しい
君の笑顔にも皺が増え
いつの間にか影も大きくなった

苦しくて 痛くて
悲しくて 辛くて

それでも君は笑った
世界は美しいと


僕は君を信じるよ


夢とは

2005年12月28日 | 
夢とは
醜き空想でしょうか
むしろ
卑しき欲望でしょうか

泡沫のように
 生まれては死
 生まれては死


欲望の修飾の末
光を纏うなど
あるのでしょうか?

嗚呼
光の中の影は
その補集合なのですか?

街と灯りと風船と

2005年12月27日 | 
街の灯りが風船を膨らませば
歩行者天国に今宵も虚像が映る

街中を歩けば
仮面舞踏会が盛大だ
今宵も盛大な宴の中で
風船は確かに膨らむ
その空っぽで冷たいの空間を
街の灯りが支持している

今宵も盛大な宴は続く
風船は確かに膨らむ
玉虫色の光に照らされ
それは浮くことも出来ず
破裂するのを我らは知っている

それでも盛大な宴は続く
それでも我らは笑わねばならぬ


冷たい戦争

2005年12月26日 | 
ある所に
空気の重さを量る機械があったのでした.
人々はそれを使って山の上で空気を量り,
新たな発見に肩を揺らし合ったのでありました.

ある時
その国で戦争が起こったのでありました.
長く続いた戦争は決着が付かなかったのでした.
そのまま国は二つに割れ,睨み合いが続いたのでありました.

ある日
一人の博士が倉庫から一台の機械を見つけたのでありました.
それは戦争の間ずっと忘れられていた空気を量る機械でありました.
博士は喜びました.早速取り出してスイッチをオンにしたのでした.
おや?っと博士は思いました.
メーターの針が「重い」の方へ傾いているのです.
古い機械だから仕方ないと博士は思いました.
それでも博士はうれしかったので,
家族に見せようと家へ持って帰ったのでありました.

博士が家に着くと
奥さんがニコニコと出迎えてくれるのでありました.
それから食卓に着いて,子供たちとニコニコ夕食を取るのでありました.
その時,博士は機械の話をしたのでありました.
まぁ!と奥さんは驚き,子供たちははしゃいだのでありました.
そこで博士は機械を取り出して,スイッチをオンにしたのでした.
はて?っと博士は思いました.
メーターの針が「正常」を指していたのです.
やはり機械は壊れているようだと博士は思いました.
次の日,機械は倉庫の奥の方に仕舞われたのでありました.

ある日
一人の助手が倉庫の整理をしていたのでありました.
その時,奥の方で埃を被った機械を見付けたのでありました.
しかしその助手はその機械を知らなかったのでありました.
助手は,これは何だろうと機械を取り出し,スイッチをオンにしたのでした.
あぁ…と助手は思いました.
メーターの針は「重い」の方へ振り切っていたのです.
この機械は壊れていると助手は思ったのでありました.
機械をそのままにして,助手はテレビのスイッチをオンにしたのでありました.
ちょうど大統領の演説が始まっていたのです.

演説が佳境に入った頃,
突然に機械は,大きな音を立てて壊れたのでありました.
それは国境線まで聞こえるくらいに,とてもとても大きな爆発音だったのでありました.

いにしへ

2005年12月25日 | 
いにしへ
夢見し
少女の瞳に
世界は光を
映せども

いにしへ
夢見し
我らが眼は
世界の闇へと
抗へじ


生長

2005年12月24日 | 
終わりも,永遠も,
僕らにとっては見えないもの.
ただただ明日に向かって,
ただただ夕焼けに向かって,
手を伸ばしていくだけです.

悲しみだって,苦しみだって,
スパイスに変わりはありません.

全部,全部,全部.
苦しみも,悲しみも,笑いも,
涙も,愛も,切なさも,
酸性雨だって,排気ガスだって,紫外線だって
全部吸収してやろうよ.
全部栄養にしてやるんだ.

だから僕らよ,
もっと,もっと,
根っこを張れ.
もっと,もっと,
葉を伸ばせ.
もっと,もっと,
胸を張れ.


僕はここにいる

2005年12月23日 | 
君の目覚めた朝が
僕の下にもやって来て
-大丈夫
世界は全て繋がっている
僕の見ていた星空が
もうすぐ君の肩に掛かる
-大丈夫
地球は今も廻っている

大地に耳を澄ませばきっと
君の寝息が聞こえてくる

-大丈夫
僕はここにいる
君もここにいる


雪降る夜に

2005年12月22日 | 
雪降る夜のことでした
 周りの景色は消えました
雪降る夜のことでした
 全てを白く染めました

 どす黒い街は消えました
 真っ赤な荒れ野は消えました
 汚れちまった空気も消えて
 全てを白く染めました

雪降る夜のことでした
 周りの景色は消えました
雪降る夜のことでした
 全ては白く染まるのでした

雪降る夜のことでした
 私の影は消えぬのでした

温かい 雪

2005年12月21日 | 
この雪は
繋がっている

机に向かっている学生に
灯りの消えない工場に
荒野に佇む旅行者に
ため息を乗せた最終電車に


空を見上げた人はみんな
繋がっている
この冷たさや その温もりを
この雪に託して

あなたの手のひらで
それが融けるとき
世界のどこかで 誰かが
その温もりを受け止めている

夜の詩

2005年12月21日 | 
月が哀歌を奏で
風が私の頬を撫でる

独りの夜は
 全てが優しい

海が私の代わりに泣いても
星が私の代わりに叫んでも
あの人はもう帰って来ないから

全てが優しい
 独りの夜は
  余計に悲しくなるんだ

自然と数式と

2005年12月20日 | 
黒板に書かれる数式の羅列が
自然を丸裸にしてゆく
そのレントゲン写真を使って
その骨格を知り尽くして
人間は自然の全てを解ったつもり

黒板の数式に渦巻く
 人間の欲望と誇りを
自分のノートに写し取り
僕らもまた
 同じ歴史を繰り返すのか