べきちゃんのライブ日記

行ったライブの感想とかCDレビューとかそんなもんです。更新頻度はマイペースに。

【ライブレビュー】Battles(2015.11.25)

2015年11月26日 18時30分35秒 | 日記
11/24は大阪へBloc Party/Bohicasを観に行きましたが、25日はダイナミック遠征ということで、地元はそのまま通過して東京へと向かいBattlesのライブを観て参りましたのでレポートいたします!

今回の会場は六本木EXシアターということで、いやもうオシャレな街ですわ。私のような下民が足を踏み入れていい街ではないですね。とかそんなことを感じながら会場へ向かうと街の一角には異常に煌びやかな建物が…



こんな派手派手でしたっけEXシアター。笑
最後に来たのは2014のTravis以来だったと思うので、まぁ実に1年半ぶり。外観変わったなぁ~と思いつつも待機列へと移動した。このライブハウス綺麗だし大きいし、割と好きなんですけど入場待機場所だけが気に入らないんですよね~。吹きっさらしだし、寒いし、雨よけれないし。まぁこれだけの大箱なのでこれでも考えた方なのかもしれませんが。

この日はプレイガイドでの前売りチケットは既にソールドアウトとのことで、キャパ1800でしたっけ?まぁフロアいっぱいに埋まるんだろうなぁと思っていたものの前座の段階ではかなりスカスカ。やっぱみんな興味ないよね前座なんて。とりあえず私は風邪が治りかけという体調不良もあったので、場内がスカスカの内に中段柵前を確保してまったり観ることにしました。

前座はバトルスが直々に指名したという日本人女性3人組ZZZ'sというバンドが勤めていました。雑感で言えば日本で売れるには難しいだろうなという印象。にせんねんもんだいとかBO NINGENみたいに海外で人気を博して逆輸入的に売れるくらいじゃないと日本では陽の目を浴びなそうな感じがしますね。

前座が終わると、バトルスのセッティングが開始。いつのまにやらフロアはいっぱいのお客さんで埋め尽くされてました。ステージには本人達が現れて自分達でセッティングを行っているようでした。このレベルのライブバンドだと細かいセッティングは自分達でやるのだろうなと、この時点で既にゾクゾクです。

ということでライブレビュー。

場内が暗転すると、まずは(一応)ベーシストのデイブが1人で登場すると、ギターなのかベースなのか何かエフェクターのようなものを使って、その場でサンプリングループをかけ始めた。これ打ち込みじゃなくてその場で音を作っているところが本当に凄い。エフェクトループが安定してしばらくすると、今度はギタリストのイアンが登場。登場してすぐにギター音のループをかけて音を重ねてくる。だんだんと盛り上がってきた頃、最後に登場したのはドラマーのジョン・ステアニーである。延々と鳴り響いていたループ音にジョンのドラミングが重なった瞬間にバトルスのライブはスタート。1曲目は新作より「Dot Com」だったのだが、もはや唖然。なんなんだこれは。あまりのクオリティに空いた口が塞がらなかった。実は音源流してエアバンドしてるのではないか?とか、もしくはこいつらロボットか?とか疑ってしまうくらい正確無比な演奏で1曲目から会場の度肝を抜いていた。

2曲目には前作の必殺アンセム「Ice Cream」を披露。前作はほぼ全編に渡って「歌」の部分をゲストを招いてフィーチャリングしており、この部分はもちろん打ち込みだったのだが、え?歌の打ち込みに演奏併せるのって凄すぎやしないか?ジョンもイヤモニとかでリズム取ってるならまだしも、完全にモニタ音だけで演奏してるし、どこかで歯車が狂えば一気に崩れる可能性だってあるわけで。何というかこのギリギリの綱渡りの中で魅せる演奏を出来るバトルスは正直とんでもないバケモノだと思う。

勢いそのままに新作から「FF Bada」と前作から「Futura」を披露。音源と変わらないどころか、音源を遥かに超える演奏でもはや笑うしかない。たったの4曲しかやっていないのに既に30分過ぎているという、謎のタイムスリップ感を味わいながらもここで一旦小休止。デイブがマイクを持ってMCし始める。バトルスってMCするんだ!と思ってしまったが、このMCが非常に可愛かった。こんなタイトでかっこいい演奏を繰り広げている彼らだが、MCでは愛嬌たっぷりで簡単な日本語も織り交ぜながら観客とのやり取りを楽しんでいた。

ここからは怒涛の後半戦がスタート。新作から3曲を連発したが、更に激化する演奏に踊るとか楽しむとかそういう気持ちは全く湧かない状態。ただただ彼らの演奏を立ち尽くして見つめる人も少なくなかったはず。一瞬演奏がずれた!といったちゃんと人間らしい要素も見せながらも、強引かつ豪快に打ち込みを修正した力技などもあって、その辺のエレクトロバンド以上に楽器を扱えているのではないかとも思わされた。とにかく会場全体が3人の圧力と勢いに飲みこまれていた。

本当にタイムスリップしたかの如く時間は一瞬で過ぎ去り、息を飲むようなライブは気付けばもう本編最後の曲を迎えていた。ラストに披露したのは、そういえばやってなかったな…というレベルだったが、彼らの必殺アンセム「Atlas」だ。もちろん場内は凄まじい盛り上がりを見せたこの曲だが、もはや彼らはこの曲を出した当時のバンドではなく、体制まで変わりながら更に進化をしたバンド。正直なところオマケ程度に感じた。そのくらいここまでの曲群のクオリティが凄く満足していたせいもあるかもしれない。もちろん演ってくれたのは嬉しかったが、そのうち演らなくなる日も来るかもしれないなとも思った。

大盛況のうちに60分間という短い時間で本編を終えるも、その濃厚な内容から短さは一切感じさせなかったし、むしろ計算されつくしたステージングだったのかと思うと恐ろしい。

アンコールは新作のリードシングルでもある「The Yabba」を披露したのだが、これがまたヤバすぎた。終電が近づいていたので荷物を取り出しつつ観ていたが結局立ち尽くしての最後まで鑑賞。なんだか本当に凄いものを観た。

最初のループ音から最後の演奏まで、もはやどれが打ち込みで、どれがサンプリングで、どれが生音なのか途中からわかがわからなくなるくらい、それぞれの楽器と演奏のシンクロ率が高くて、それぞれの楽器がバンド名が如くバトルしているかのような様はまさに「圧巻」の言葉に尽きる。あと10回は同じライブ観ても飽きない自信があるくらいには見どころ満載のライブで、約70分間のステージは私に今年最高の感動を与えてくれたと思う。

Battlesセットリスト
1.Dot Com
2.Ice Cream
3.FF Bada
4.Futura
5.Tricentennial
6.Tyne Wear
7.Summer Simmer
8.Atlas

Encore:
9.The Yabba



なんというか既にバトルスに肩を並べられるアーティストっていないんじゃないかってくらいです。そこらのバンドとは次元が違うというべきか、完全に唯一無二な存在感を放ち始めていると思います。

2011年のソナーサウンドで、初めて3人体制のバトルスを観たときは「いやー酷い。もうバトルスは終わりかな…」なんて感じたのも今となっては土下座で謝りたいレベルですね。ここまで突き詰めたステージを見せてくれるバトルスは次作も同じアプローチとは限らないし、絶対に「今」観るべきアーティストのひとつかと思いました。

日本にはコンスタントに来てくれるし、昨日の盛り上がりを観る限りでは、また夏フェスでの来日に期待出来ると思います。どこかのステージのトリでも充分に遜色ないと私は思いました。ぜひとも次は見入るだけでなく、踊り狂いたいところです!

次のライブは年内ラスト予定のThe Ordinary Boysです!復活した彼らの勇士を拝ませていただきたいと思います!

では。

【ライブレビュー】Bloc Party/The Bohicas(2015.11.24)

2015年11月26日 18時00分29秒 | 日記
2015年11月は思わぬ来日ラッシュとなりましたね。
主要なアーティストからレアなアーティストまでがっつり日程が被るなど、まぁ普段からは考えられないような状況に洋楽ファンからは嬉しい悲鳴も上がってました。

そんなただでさえ飽和状態だった11月の3週目、開催まで2ヵ月すらもきった状態でいきなりぶっ込まれたのは、なんとあのホステスクラブウィークエンド…3連休は仕事だったのでどうしても行けないことが確定していたのですが、こんな短い期間で大胆不敵にも、めちゃくちゃ勿体ぶりながら自信満々に発表してきたので、はたしてどんな大物が来るのかとドキドキしていました。

そんななかで発表されたヘッドライナーはMelvinsとBloc Partyとのことで。メルヴィンズは個人的にはかなり魅力的でしたが、これ以上のアクトの発表はないと考えれば…いやはや安心して今回のHCWは見送ることにしました。こんなメンツでどうやって集客しようとしたんですかね?ホステスはクリマンと組んでから、自信がついたのか、方向性が変わったのか?個人的には何かおかしいなって思います。

ということで、本当は24日には恵比寿でRudimentalを拝見する予定だったのですが、残念ながら直前で来日延期ということになってしまいました。他のツアーが延期になっていないところから察するにチケットが売れてなかったんでしょうね。この週は洋楽ライブ激戦区ですもん。もはやショーケースで観れるバンドではないだけに残念でした。

とはいえ、せっかく休みをとってしまっていたので、HCWのおこぼれに預かろうと急遽大阪まで足を延ばすダイナミック遠征を敢行し(次の日は東京でBattles予定)、Bloc PartyとThe Bohicasのライブを観てきました。地味にブロックパーティーは初来日から全部見てるくらい好きなガチ勢です。

会場は大阪のBIGCATという場所。なんというかこじんまりしたライブハウスなイメージでしたが最大800人収容とのことでフロアはなかなか広かったです。今回のライブでは結果的にフロアの広さを活かせず…集客失敗と言ってもいいくらいガラガラでした。まぁ近場のなんばHatchでRIDEもやっていたのでそちらにかなり客を吸われてしまったのでしょう。後出しでこんなライブ追加されても困るよねほんと。。客層被ってるだろうし。


ということでライブレビュー。

まずは新人バンドのThe Bohicasからスタート。メンバーが登場すると、両サイドのギターとベースが黒人2人で、特にギターはレフティーという構図が嫌でも目をひく編成で、4人の立ち姿だけでもかなりかっこいい。
1曲目は日本でのデビューEPでもオープニングを飾るサイケデリックでブラックなロックナンバー「XXX」からスタート。新人にしては予想していたよりもタイトで聴きごたえのある演奏で、特にギターの音が黒人ブルース特有というか、UKっぽくなくて味があるなと思う。
正直なところ予習不足もあってあまり曲を知らなかったのだが、全体を通してみてもっとブラック色の強い音を出すのかな?と思いきや案外そうでもなくて、個人的にはアメリカンなグランジやオルタナと同じ匂いを感じた。楽曲毎の個性にも顕著に表れているが、メンバーそれぞれのルーツが結構違うのかな?とも感じ取れた。
ラストには代表曲になりつつある「Swarm」を披露。がっつり50分ほどのライブを見せてくれた。予想していたよりは良いライブを披露してくれ、時には爆発的な演奏力を見せる場面もあったが、なんというかセットリストの組み方が下手なのかな?テンションの凹凸が激しく、ライブ全体として評価すると、ちょっとイマイチだったかなと思う。まだ新人なので選曲するほどの余裕もないだろうし、もう少し楽曲を増やしたときにどんな変化が出るか今後に期待したい。
これは余談だが、今回の来日を併せて既に3回目の来日ということで、このままいくとなんとなくビッグインジャパンになりそうな予感もしている。ぜひこの評価を覆して謝らせて欲しい。

The Bohicasセットリスト
1.XXX
2.Crush Me
3.Only You
4.To Die For
5.Bloodhound
6.Somehow You Know What I Mean
7.Upside Down and Inside Out
8.Red Raw
9.I Do It for Your Love
10.Soldier of Love
11.The Making Of
12.Where You At
13.Swarm


さて、次は一応メインアクトのBloc Partyである。勢いでラッセル側の2列目くらいまで行った。ただ好きな人には申し訳ないが、ここからのレビューは殆ど批判的な内容であることにご容赦いただきたい。

前回の来日から既に3年経っており、オケレケ2度目のソロワークなども挟んでいたり、いつの間にやらゴードンとマットまで脱退し、新体制となっていた彼ら。2016年初頭に発売予定の新作を引っ提げてきたものの、最早不安しかなかったライブが開幕する。

4人が登場するとまず目をひいたのは巨大化したオケレケだ。太ったとかそういう類ではなく、更に筋肉質になっていて巨大化したという以外の表現方法が見当たらない。アー写では同じく筋肉質になっていたラッセルだったが、実際に見ると細マッチョといった感じでまだ愛嬌がある。新メンバー2人はゴードンに似たベーシストと美人ドラマー。このメンバーがどんなステージを披露するのか楽しみではあった。

最近のブロックパーティーは新作をリリースする前に日本へ来日するパターンが多い割に、1曲目を新曲から始める傾向が強いので、どうにもこうにも盛り上がり辛いのだが、それに助長するかのように披露された「The Good News」という新曲は、今までになかったような静かな立ち上がりの曲で観客としてもどうしていのかわからない状況だったように見えた。
ここからは「Hunting For Witches」や「Positive Tension」と過去の名曲を披露していて、これには観客もよっしゃ!といった感じで盛り上がっていた。それにしても新しいリズム隊は非常にタイトで巧いのだが、普通で面白くない。これはこれから自分の色を足していってくれればとも思う。

それにしてもラッセルである。リズム隊が非常に安定したためか、余計に不安定な演奏が際立つ。難しいことをしているので仕方ないと言えば仕方ないが、全員が不安定だった頃と比べると悪い意味で目立っていた。あと右手首の包帯が気になった。(もしや怪我してた?)

中盤に差し掛かり、このセッティングはもしや個人的にも大好きな「Song For Clay」をやるのか!?と思いきや、何やらオケレケのギタートラブルで中断。シールド交換、ギター交換、アンプの確認と何をやっても復旧せずで、ローディーもステージ上でどうしていいかわからずに頭を抱えてしまっている状態。あまりに長い中断でオケレケも失笑。ここで恐らく曲順を替える判断をしたのだろうか、ギターを使わない「Octopus」を披露するもトラブル状況は変わらず。そのままライブでの定番アンセム「One More Chance」を披露したがここで更に非劇。新ベーシストがサビでがっつりと間違えてベースレスに…しかもこの間、ずっとローディがステージ中央をうろうろとしている始末。ブロックパーティーって5人組だっけ?もうはっきり言ってグダグダなクソすぎるステージ。まだ中盤であったが、これはもうどうしたって覆せないレベルの酷さだった。

なんとかギターが直り音が鳴った!と思いきやしばらく経つと、すぐに元に戻る状況で(どうもエフェクターに問題ありそうな感じがあったが)、もう本人たちも殆ど演奏に身が入っていないんじゃないか?と疑ってしまい純粋にライブが楽しめなかった。彼らの演出で1番の見せ場にも成り得る「Song For Clay」から「Banquet」の流れもイマイチだったし、何とも不運な形と終始盛り上がらないステージングで本編を終えてしまった。

アンコール1曲目には既にPVなどが公開になっている新曲「The Love Within」を披露。音源聴いただけではシンセサウンドだなーと思っていたものが、なんとギター音をカオスパッド(かな?)を利用して音を歪めてループさせていたのが何とも新機軸な曲。今後はこういったエレクトロな方面に向かっていくのかな~と感じさせた。

加えて何曲か新曲を披露したあとには、待ってましたの「Helicopter」で大盛り上がり!のはずだったが、前ドラマーであったマットの場合、この曲では走りに走る傾向があって音源の1.5倍速くらいになるのはお約束だったが、新しいドラマーここは非常に堅実で、今までに比べてスピードダウンした印象…いやーここは正直走って欲しかった。
ラストには名曲「Flux」と「This Modern Love」を披露したが、あまりに情けない彼らの姿に目も当てらず、ラストの曲途中で退出した。

なんというかべきか。Bloc Partyのライブがイマイチなのは何度も体感しているしわかっていたつもりだったが、前日のHCWでの評判が軒並み良かったのもあって、少しハードルが上がっていた部分もあったかもしれないが、それを加味しても非常に残念なライブだった。
とにかく進歩がなさすぎるといった一言に尽きる。新しいことにチャレンジしたがる割には、技術が追いついておらずライブでの表現が不満に感じる(音源はもちろん完璧なので楽曲単体としては人気があるしカッコイイから余計にキツイ)。こんなグダグダなライブ90分も見せられてはたまったもんじゃない。

前回のHCW以上にもう次はないかなと思ってしまった。新人の割には…と評価したボヒカスの方がよっぽどいいライブをしていた。

Bloc Partyセットリスト
1.The Good News
2.Hunting for Witches
3.Positive Tension
4.Virtue
5.Real Talk
6.Waiting for the 7.18
7.Octopus
8.One More Chance
9.Song for Clay (Disappear Here)
10.Banquet
11.Trojan Horse
12.So He Begins to Lie
13.Ratchet

Encore:
14.The Love Within
15.Price of Gasoline
16.Exes
17.Helicopter
18.Flux
19.This Modern Love



ボヒカスはまだまだ伸び代もあるだろうし、これからどういった方向に進むのかとか考えれば、若くして解散しない限りは今後に期待が持てそうな気がします。いやはやブロックパーティーはデビューして10年も経ってこれでは…というレベルで、好きだからこそ言うけどちょっとキツイっす。

2~30分で行けるような場所だったり初めて観たライブならまだしも、わざわざ大阪まで遠征したくらい好きだったので、もう少しまともなライブが観たかったなぁと思う所存です。

次回はBattlesのライブレビューします。では。

【ライブレビュー】The Strypes(2015.11.6)

2015年11月10日 18時34分15秒 | 日記
実に久しぶりのブログ更新となりました。
基本的に自分の行ったライブレビューを書く場としてブログを活用していますが、これまで全く行ってなかったというわけでもなく、たとえば地元でSuperflyのライブを見たり朝霧JAMへ行ったりもしたんですが、なんというか書くほどのネタがなかったというべきか、とにかくまぁ一言でいえばめんどくさかったんですね。たまにありますそういう時期。(朝霧に関しては殆どライブ観てないから本当に書くことなかったけど)

そんなこんなで11月にもなり久々にいいライブ観たな!って気がするので、しっかりと書き記しておこうかと思います。

今回はThe Strypesという若手バンドを観て参りました。彼らは2年程前に若干16歳にしてデビューを飾った才能の塊みたいなバンドなのですが、正直デビューしたての頃は最近のUKロックの焼き増しみたいな音楽で、最初の勢いだけだろうなーなんて全く評価していなかったのですが、先ごろ発表された2ndアルバムが非常にクオリティーが高く、素晴らしい作品だったので、これを機会に1度ライブを観てみようという運びになりました。

ということで、観光も兼ねて広島へと遠征してしてきました。何故広島かと言えば、2週間近くもジャパンツアーするのに唯一の土日のライブが広島だけだったんですよね。無駄に休むことなく行けるのはとても魅力的だったので、迷わずその日を選択しました。

今回の会場となったのは、広島では1番のキャパシティーを誇るであろうクラブクワトロ。全国色んなところにクワトロはあるけども、あのクワトロ独特の雰囲気からか特に代わり映えはしないイメージでした。柱などないオーソドックスな長方形のハコで、ステージの位置も高く、どこの位置からでも非常に見やすい感じでした。総合的にみても割といいハコなんじゃないですかなと思います。

ということでここからはライブレビュー。

18時から開演ということで、広島観光後の17:40くらいに会場へ入ると、想像していたよりもお客さんが多く、一緒に行った広島の友人が「洋楽のライブでこんなに客入ってること滅多にないw」と言うくらいだったので、若手にも関わらずこれだけの人気があるのかとThe Strypesの勢いに圧倒される。18時を過ぎたあたりにふと場内BGMが消えたので始まるのかな~?と思いきやなかなか始まらず。場内無音のまま10分ほど経ち、やっとのことで場内暗転。BGM消すの早すぎるでしょ。笑

ということでThe Strypesのライブがスタート。その人気と勢いは果たしてホンモノかどうか真価が問われる瞬間である。

颯爽と4人がステージに現れると特に勿体ぶることなく、2ndアルバムより「Eighty-Four」にてライブがスタートする。初期Arctic Monkeysを思わせるベースラインとギターリフで最初からエンジン全開だ。まだまだ全体的な不安定さは拭えないが、想像していたよりはタイトな演奏で聴きごたえは充分。先述したようにArctic Monkeysと比べられることも多いためか、勝手にライブがヘタクソと思い込んでいたが、まだ10代なのを考慮しなくとも技術レベルは素晴らしいなと感じた。

音源を聴く限りでは2ndアルバムの曲群は1stアルバムのBPMに比べて控えめだなぁ~と感じていたので、ライブでの演奏がどうなるのかと期待と不安が入り混じっていたが、そんなものは杞憂に過ぎなかった。全曲BPMほぼ1.5倍速である。とにかく早い!

数曲聞いてきて気付いたが、これまでのメディアへの露出やインタビューを読んでる限りでは凄いビックマウスだなと思っていたボーカルのロスくん。この日初めて生で観てひとつの疑問が浮かぶ。「この子、実はもしかしてめっちゃシャイボーイなんじゃないだろうか?」ステージを所狭しと動き回る演奏隊の3人に比べてひとり直立不動、唄い出しで声を震わせている様子や、観客にはクールを装いながらもメンバーにだけ見せる笑顔など、こいつめっちゃ緊張してやがるぞ!笑

そんな風に感じてからのライブはなんだか一気にバンドが愛らしく見えてしまったのだが、そんなことはお構いなし。勢いは衰えるどころか後半に進むに連れて緊張もほぐれていったか、どんどんとその実力の片鱗を見せつけてくれた。

ハイライトは後半に披露した代表曲一連の流れで間違いないだろう。2ndと1stそれぞれの1曲目を飾る「Get Into It」「Mistery Man」で観客を暖めてからの、「Scumbag City」と「Blue Collar Jeane」の必殺リードシングル2連発で場内の雰囲気も大爆発。ここまでアンセムを温存しながらも一気に見せる構成が非常に素晴らしく、観客も待ってましたとばかりに大盛り上がり。実に見せ方がうまく、自分達の良さを理解している証拠だろう。

大盛り上がりの勢いそのままにあっという間に本編終了。いやはや期待していた以上に素晴らしいライブだ。

根の葉も乾かないうちに場内のアンコールに応えてくれたメンバーが再登場。最初はガッチガチに緊張していたボーカルのロスくんも笑顔で登場。若いバンドにありがちなギリギリの緊張感はあまりなく非常にリラックスしたいい雰囲気も感じ取れた。
アンコール1曲目は個人的なハイライトとなったが、なんとMC5の「Kick Out the Jam」のカバーを披露。レジェンドバンドの名曲だけあって色んなバンドにカバーされた曲だが、こんなにBPMが早いバージョンは初めて聞いたかもしれない。始まったと思ったら速攻で終わったくらいの感覚だった。続く2曲もカバーだったが、彼らのライブでは既に定番らしい「Rollin' & Tumblin'」と「You Can't Judge a Book by the Cover」で観客が踊り狂いながらのシンガロング。こんなテンポの速い曲でシンガロング出来るのなかなかすごいぞ!

The Strypesセットリスト
1.Eighty-Four
2.What a Shame
3.Best Man
4.What the People Don't See
5.Cruel Brunette
6.I'm the Man
7.I Don't Want to Know
8.Three Streets and a Village Green
9.A Good Night's Sleep and a Cab Fare Home
10.Now She's Gone
11.Queen of the Half Crown
12.Get Into It
13.Mystery Man
14.Hometown Girls
15.Scumbag City
16.Blue Collar Jane
17.Still Gonna Drive You Home
18.I Need to Be Your Only
Encore:
19.Kick Out the Jams(MC5 cover)
20.Rollin' & Tumblin'
21.You Can't Judge a Book by the Cover



いやはや。あっというまに終わってしまったというのが素直な感想だ。1曲1曲の時間が短いのも理由かもしれないが、とても21曲で80分近くも演奏したとは思えないくらい短く感じられるライブだった。(個人的には短く感じられるライブは素晴らしいと思ってる。)

正直言えば個人的にはこれまで彼らを軽視していた。が、このライブを観て評価は180度変わったと思う。彼らはライブバンド。「10代にしては…」なんて評価が必要ないくらい実力と技術が伴っていたと思う。やはり音源だけでバンドを評価するのは難しいなとまざまざと見せつけられた瞬間でもあった。

といった形で、そんなに期待していなかったものの、むしろ大ハマり状態の大満足で帰路についた私だったのですが、せっかく広島に来たのでということで、友人おすすめのお好み焼屋さんでご飯を食べつつ、ライブの感想など話していました。

そんな瞬間にまさかのサプライズ発生。次の日に備えてそろそろ帰るかーと思った矢先、お店に観たことある外人が入ってきた。よく見るとなんとThe Strypesのギタリストのジョッシュくん!あまりに突然の出来事で咄嗟に何も言えず「あ、ストライプス!」とだけ声を発して、とりあえずなんとか握手だけしてもらえた!一緒にいた友人によるとボーカルのロスくんも居たらしいが、そこまで確認出来なかった…。すぐに店の奥に入ってしまったのでこれ以上は何も起こらなかったもののとてもラッキーな瞬間でした。即座に握手に応えてくれたジョッシュくん、とても人柄良く、そんな部分も含めてとても好きになりましたストライプス。

そんなに大したバンドじゃないと勝手に思い込んでいた自分が恥ずかしい限り。ライブ終了後からずっとストライプスの音源ばかり聞きこんでいます。笑
いやー行って良かった!次のアルバムや来日が非常に楽しみになりました。

次のライブは11/24のRudimentalと25日のBattlesです。こちらも今から楽しみです。

ではまた。