べきちゃんのライブ日記

行ったライブの感想とかCDレビューとかそんなもんです。更新頻度はマイペースに。

Hostess Club Weekender vol.5

2013年06月14日 20時44分02秒 | 日記
1年ぶりに行ってまいりました。ホステスエンターテイメントが誇るフェス(?)ホステスクラブウィークエンダー(以下:HCW)です。

このイベントは本当にホステスならではのイベントだと思います。新作リリース直後もしくはリリース目前のアーティストを呼び、プロモーションや販促、また抱き合わせによる新人勢の知名度アップを兼ねており、新曲などの実験的な披露が出来る場でもあります。アーティスト、レコード会社、観客と共に利害が一致し、誰も損しないようなイベントであるなと感じました。最初こそ「こんな時期にアーティスト呼んだら夏フェスに来なくなるだろ!」って思ってたりもしましたが、実際そんなこともなく、むしろ夏に来れないアーティストを積極的に呼ぶことが出来る良イベントかと思います。

そんなイベントも既に5回目を数えていますが今回も通好みのアーティストからメジャーな大御所まで取り揃えた素晴らしいメンツでした。そんなHCWに行ってきたので小レポートをば。

今回も観たいアーティストが見事に2日間に散りばめられていたので、しっかりと2日間参戦してきましたよ。

まず1日目。このイベントは規模が大きすぎないことから各アーティストのサイン会が実施されることもしばしば。朝1で入れば超人気アーティストでもサインを貰える可能性があるわけです。ということで1日目はミーハー根性丸出しでmumのサイン券をゲット。正直初めてライブ見るし1曲も知らなかったけども。笑

ではライブレポート。

INDIANS
デンマーク出身のシンガーソングライターインディアンズが日本初来日。打ち込みとキーボードでの生演奏に素晴らしい歌声を重ねた静かでアンビエントなライブ。4ADの激プッシュらしく、確かに4ADっぽいなぁと思いつつ全部見てしまった。なんというかJames Blakeに似た雰囲気を感じたが今後の展望に期待したいところ。

INC.
アメリカLAからR&B/POPユニットのインク。これも4ADと契約した大型新人とのことで…まぁ正直インディアンズとの違いが殆どわからなかったよね。アメリカインディーって感じの音楽。演奏もMCもメランコリーな雰囲気でとても良かったけど、2連続でこういうアーティストが来て少し疲れてしまったのが本音だったよ。。とりあえず兄弟ユニットらしいが2人とも超イケメンだった。

These New Puritains
1日目はこれを観に来た。2008年デビューの異端児TNP。デビュー盤から何かおかしな雰囲気を漂わせていた彼らが2ndアルバムで大変革を起こし世界的なムーブメントに。そんなTNPが3rdアルバムを携えて戻ってきた。なんというか前作から続く宗教的でダークな世界観を更に昇華させたようなライブ。色鮮やかな曲や表現は一切なく、終始薄暗い井戸の底からブラックな雰囲気を放っていた。まだ新作の曲群が馴染んでいないような気もしたが、やはり別格な雰囲気。またぜひとも観たいと感じさせるライブだった。

Setlist
1.Spiral
2.Fragment Two
3.Three Thousand
4.Attack Music
5.V(Island Song)
6.Organ Eternal
7.We Want War

Team Me
初日唯一の色物バンドTeam Meはノルウェー出身の北欧バンド。個人的にはMewとArcade Fireを足して2で割ったかのようなバンドかなと感じていたが、ライブを観たら印象が全然違った。もう少し冷たい世界観を予想していたのだが、ポップで 色鮮やかな世界観を爆発させたようなライブだった。いわばフレーミングリップスの明るい部分だけを切り抜いたかのような…1日暗い演奏が多かった中でより明るさと楽しさが際立った素晴らしいライブだった。初披露した新曲を聴く限り、次作は結構ハードな感じになりそうかも!

Setlist
1.Patricwolf
2.Come Down
3.Wethervanes and Chemicals
4.Favorite Ghost
5.Kennedy Street
6.F is for Faker
7.Daggers
8.Deer Sister
9.Up Against the Wall(新曲)
10.Show Me
11.With My Hands Covering Both of My Eyes I Am Too Scared to Have a Look At You Now

mum
アイスランドのレイキャビク出身のドリームポップバンド。初めて観たけど凄かった!正直Team Meみたいにノれるような曲は皆無だったが、1曲1曲の完成度が高く、エレクトロな打ち込みとアコースティックな楽器を融合させた演奏が素晴らしかった。 アイスランドといえばbjorkとかsigur rosなんかも有名だが、それらのアーティストとはまた違ったアイスランドらしさを独特に表現している。全くアイスランドという国はどれだけの才能の宝庫なのだろうとうらやましくも思う。途中でバイオリンの女性が変な踊りをしたのも衝撃だったが、個人的なハイライトはアコギとアコギのネック部分の弦でハイタッチして「ジャーン」と鳴らしたラストシーン。こんな音の出し方があるのかと感動して「おぉー!」と声が出てしまった。素晴らしいライブだった。

2日目は初日とは打って変わってロックバンドのメンツが多い1日となった。個人的にはまさかのTravisがサイン会をやるというので、そのサイン会に参加できるかどうかが肝でしたが、入場可能になるやいなやダッシュで会場入りしサイン券を奪取!なんと残り2枚でした…ラッキーすぎる。ついでといっては何ですがLittle Barrieのサイン券とTeam MeのTシャツも買いました。せっかくの記念にお金に糸目つけたくないですしね。それにしてもTravisのサインはマジで感動。一生の宝物にします。実はまだ袋から出してないけど。笑

この日は実はバーリーとトラヴィス以外チラ見程度しかしていない。この2つを全力で観たかったので。。

Little Barrie
BSP終わりに前方へ突撃し2列目付近をゲット!サマソニ2011以来のバーリー先生!Little Barrieは言わずも知れたギタリスト、バーリー・ガドガンを中心として結成された3人組ロックンロールバンド。ちなみにドラムのヴァージル。ハウはYesのギタリストスティーブ・ハウの息子らしい。もうとにかくかっこよかった。痺れた。ギターってのはこうやって弾いたらかっこいいんだぜ!?っていう弾き方を全て網羅していた。1曲目の Surf HellからラストのLove Youまで!もう1曲たりとも息をつく暇すら与えない圧巻のロックショー。新曲も引き続きのロック路線で期待大。1st時代の曲をやらなくなってしまったのは少し残念だけど現在進行形のバーリーがかっこいいのでそれはそれでいい。やはりボビーがいい影響を与えているに違いない。See You Soonって言ってたけどいつくるのかな?フジこいフジ!!

Setlist
1.Surf Hell
2.Black Mind
3.Precious Pressure
4.Tip It Over
5.Bonneville
6.Pauline
7.Money In Paper
8.Fuzz Bomb
9.I Can't Wait
10.New Diamond Love
11.Love You

Travis
スコットランドはグラスゴー出身の4人組。もはやUKを代表するバンドといっても過言ではない。OasisやらColdplayやら色んなUK代表バンドはいるが、個人的に1番のUKバンドは間違いなくTravisだ。バーリーのサイン会を終えて場内に入り座っている観客共を押しのけて4列目くらいの好位置をゲット。こんなに近くでTravisが観れるなんて!!

ライブは新曲からスタート。ピアノのゆったりとした立ち上がりからTravisらしい叙情的で美しいメロディラインを見せつける。これから始まるライブには充分な一手だ。続けてTravisのライブで唯一と言ってもいいほどのロックナンバー「Selfish Jean」で会場大盛り上がり。個人的に1番好きな曲「Writing To Reach You」で早くも涙腺崩壊。この曲で号泣していた奴が近くにいたならそれは間違いなく自分です。笑
今回のライブでTravisは新曲6曲ほど披露していたがどれも素晴らしく、既に発表されている「Where You Stand」や「Another Guy」など新作への期待が膨らむばかり。Travisのライブの素晴らしいところはほぼ全曲がキラーチューンであり、イントロが鳴ったその瞬間に「うおおおおおお!!!!キターーー!!!!」となるところ。いつどんなタイミングでライブをしてもベストアルバムかよっていうようなセットリストがたまらない。中盤での Closerの合唱やラストのTurnなどもう語りつくせない名場面ばかりだったが、ハイライトはアンコール。いつもはアコギとマイクのみのアコースティックでやる「Flowers In The Window」を、小さい会場ならではの完全なアンプラグドで披露!フランの生声だけが静かに響き渡っていたが、だんだんと会場全体の合唱になっていく様は圧巻だった。そしてバンドに戻っての「Why Does It Rain On Me?」の流れは反則。サビでは幸せすぎてジャンプしながら涙が出た。

終わったあとこんなに多幸感を引きずるライブはそうそうない。4年前に国際フォーラムの1番後ろで見たとき以来の感動だった。サイン会のときフランに
「またすぐ日本にきてね」って言ったら「わかった」と言っていたので、きっとすぐ来てくれるはず。またあの多幸感に包まれたい。

Travis Setlist
1.Mother
2.Selfish Jean
3.Writing To Reach You
4.As You Are
5.Moving
6.Love Will Come Through
7.Where You Stand
8.Driftwood
9.My Eyes
10.Another Guy
11.Closer
12.Reminder
13.Sing
14.Side
15.Slide Show
16.Blue Flashing Light
17.Turn
Encore:
18.Flowers In The Window
19.Why Does It Rain On Me?

いやー今回のHCWはTravisを始め最高のライブばかりでした。Travisは単独でも十分だけど、こういった単独だと呼び辛いアーティストをまとめて呼んで観客でいっぱいにしてあげられるこのイベントは、日本と海外の間に出来る大きな溝を埋めるための大事なイベントとなっていくであろうと思います。改善点はあれど、規模も大きすぎず、中堅どころのアーティストをたくさん呼べる良イベントだと思う。今後もコンスタントに続けていってほしい。

頂 -ITADAKI- 2013

2013年06月03日 22時52分37秒 | 日記
6月1週目、全国的にタイコクラブやBig Beachと大きなフェスがひしめくなかで、地味に定着しつつあるローカルフェス「頂」に今年も行ってまいりました。

頂フェスは前身の浜石祭りから数えて早8回目にもなるらしい。元々は静岡県の日本平という小さな山の山頂で開催していたことからその名前がついたらしい。現在は静岡県の吉田公園に場所を移し、いまや頂でも何でもないのですが名前が定着しつつあったのでそのままにしたのでしょう。

それにしてもこの頂フェスはがっつりライブ楽しむぞ!!というようなイベントではなく完全に雰囲気フェスです。数人で基地なんか作ってゆったりまったり自由に楽しむってのがベースな気がします。そしてその自由度が半端ない。子連れが多いし、ペット同伴OKだし、広い場所でスポーツしている人もいれば、ただひたすら寝ている人もいるし、もちろん真っ当にステージ前で音楽に体を揺らしている人もいます。

頂のイメージとしてはフジロッカーに伝えるのならば、フジからオレンジコートとフィールドオブヘブンを出演するアーティストも含めてそのまま切り出したかのような感じ。たまに例外もいますが。そこに広大な休憩スペース+キャンプサイトをくっつけた小規模ながらも個人的には不満はそんなにないです。食事飲み物の持ち込みが出来ない割に食事類は少し割高な気もするけど。。

それにしても特に今年は例外だらけのブッキングだった気もしますが、そんな私の頂レビューをば。まず1日目。正直殆ど見てません。初めてステージ前まで行ったのが夕方の17時っていうねww

・GOMA & The Jungle Rhythm Section
もうこの頂フェスに彼の存在は欠かせない。頂では何故かヒーローだし恐らく1番盛り上がるであろうアクト。3人のパーカッション&ドラム隊の超絶グルーヴに乗ってくるディジュリドゥの低音の嵐がとんでもない。これで踊るなと言うのが無理な話。ブレークがわかりやすいしとにかくノリやすい。前方はもう完全なモッシュピット状態で素晴らしい盛り上がりだった。このGOMAさん3年前に交通事故で脳に障害を負ったにも関わらず、 本当に素晴らしい回復振り。とにかく元気に演奏している姿が見れるだけでも感涙ものだ。見れば絶対外れないし、この頂には絶対不可欠な存在であり続けてほしい。

・東京スカパラダイスオーケストラ
なんとあのスカパラが頂フェスの舞台に初登場。正直こんなにメジャーなアーティストが出るような場所ではないなと個人的には思っていたが、やっぱり少し違った気がした。というよりもセットリストが全くもってフェス向けではなかった。2週間前にベストセットリストで単独ライブを見てしまったせいかなんというか微妙な感じがしてしまったのが少し残念。まぁでもハイライトは予想通りだった展開。ゲストボーカルに2日目登場予定のFishboneからアンジェロがサックスを持って登場!曲はもちろん「All Good Ska Is One」単独でもやらなかったし、アンジェロを迎えてのオリジナルバージョンでの演奏はさすがにぐっときた。

あとはなんとなーくドノヴァンを見たりブルーハーブ見たりしました。ドノヴァンに関しては音が小さすぎて全然聞こえないという最悪なライブでした…

2日目は1日目と打って変わってライブ三昧してきました。ちょっとしたサプライズもあったし。

・Wild Marmalade
日本のディジュリドゥ代表がGOMAであるのならば、本場オーストラリア代表は彼らWild Marmaladeで間違いない。そしてさすが本場といわざるを得ない素晴らしいライブを披露してくれた。ディジュ+ドラム+パーカッションの3人組。GOMA&JRSは少し民族音楽的な要素も漂っているのだが、彼らは完全にロックミュージックの雰囲気を醸し出している。ディジュといえ ば低音がボーっと出るイメージが強いのだが、彼らのディジュはまるでデジタル音のような低音やエフェクトをかけたような声など、多種多様。1本のディジュからあまりの音数に圧倒された。またリズム隊もすごい。曲を演奏しながらひとつのドラムで代わる代わる演奏する荒業。他のバンドでは類を見ない音の種類や演奏技術に感動すると共に最初から最後まで踊り狂った。

・Donavon Frankenreiter(シークレット)
2日目のタイムテーブルにはひとつだけシークレット扱いになっているところがあったのだが、そこがまさかのドノヴァン!2日連続の出演!そして普通のステージでの演奏!1日目のステージが不満だっただけにこれは嬉しいサプライズ。この日はなんか異様なまでにご機嫌なドノヴァン。観客とのコミュニケーションを楽しんでいるかのようだった。「なんか聴きたい曲はある?」と観客に尋ね、大ファンらしき観客が「Call Me Papa」と言ったら演奏してくれるくらいに(しかもその観客に自分のかけてたサングラスをあげてた)。ハイライトはラストに訪れる。唐突にドノヴァンが「最後だから一緒に歌おう。歌いたいやつはステージに上って来い。」というMC。こんなこと言われたら行かない理由がない!ということで自分もス テージ登る。かの有名なフジロックでのStooges事件の如く、ステージは大量の観客であふれていたwwステージに上った全員でドノヴァンの代表曲「It Don't Matter」を大合唱。とてもいいステージングだった。

・Fishbone
今年の頂のブッキングで最も驚き、悲鳴を上げたのはこれ。黒人ミクスチャーロックの帝王Fishboneが静岡は頂フェスの舞台に降臨する。もうライブが素晴らしいのはわかりきっているので、始まってからステージに行っても最前線にいけるゆるフェスだが、前のアーティストがやっている段階から最前線で待機した。そして隣のステージで難波さんがステイゴールドしている真っ最中にフィッシュボーンがステージに現れてリハーサル。正直もうリハーサルだけで半端ない。リハーサルで最前線はモッシュピットのお祭り騒ぎwwそして定刻を待たずして難波が終了すると同時にフィッシュボーンのライブがスタート。もうベストセットリストだった。久々に身の危険を感じるレベルの狂気的なモッシュピットで踊り狂った。もうハイライトは代表曲「Party at Ground Zero」。息切れを通り越して踊ったのはいつ以来か。とにかく楽しかった。ライブとは関係ないが、物販でFishboneのTシャツとタオルを買ったら、なんと裏にいたアンジェロにサインを貰うというサプライズが!!物販のお姉さんに「サイン貰いますか?」といわれて何言ってんだこいつと思ったら、後ろからアンジェロが登場。握手もしてもらって感涙だった。

・渋さ知らズオーケストラ
Fishboneがトリでも良かったと思うけど、夜になると急激に人が減ってしまうので、やっぱり定番のこいつらでいいんだよ。過去最高のお祭りモードでカオスすぎるステージだった。ゲストボーカルに難波が出てきて「Stay Gold」の渋さバージョンを披露したり(グダグダだったけど)、アンジェロが出てきてテルミンを演奏したり、渋さ単体でも相変わらずのカオスっぷり。「ヒコーキ」の間奏で花火が打ちあがるわ、「本多工務店のテーマ」で巨大ミラーボール出現するわで、もはやどこに注目していいのかわからないww フェスの最後は祭りらしくってことでそこまでの疲れも忘れて踊り狂ってやった。いやー楽しかった。やはりこの頂フェスは渋さのトリ以外考えられない。

総評すると1日目のメンツが少し弱かった気もするが、まぁとにかく楽しかった!ライブ見るときは見れるし、食うときは食えるし、寝るときは寝れるし、本当に何をしてても自由。音楽を楽しみに行くという目的の他にも様々な欲を満たせたような気がします。

また来年も頂くこととしよう。