愉しい触れ合いを目指してゆとりの有る人生を歩みましょう

平凡な日常生活にまつわる拘り情報、写真、並びに体験談等を交えて皆さんとの交流を深めて参りたいと思います。

現実を見つめて

2009-11-26 00:20:26 | Weblog

今までに散々家内の容態に就いて色々と恥も外聞もなく一方的にブログに書き綴って参りました。 認知症状と正常圧水頭症の実態が如何なるものかをあからさまに私が体験した事を書いて来ました事は決して私に対しての同情を求めるものでは無い事はご理解して頂いているものと思います。 或る意味では家内を恥曝しにした様に思われ夫として恥ずべき行為と看做され快く思われない形に取られるかも知れませんが、本人には正常な意識を持って日々をまともに暮らせる能力は最早持ち合わせていない状態に有る事を考慮して頂きたいと思います。

下記に示す説明はウエブサイトよりコピーした一部ですので参考までにご覧下さい。
正常圧水頭症の症状は?
三大徴候
o痴呆 物忘れが多く、自発性や意欲の低下が目立ち、日常動作が緩慢となります。
o歩行障害 小刻み歩行で不安定、片足立ちが困難となります。進行すれば一人で歩けなくなります。
o尿失禁 尿意を催してから排尿するまでの時間が短い(尿意切迫)ため、失禁してしまいます。

正常圧水頭症の治療は?
脳室- 腹腔シャント手術のように余分な髄液を身体の別の部分から吸収するためのシャント手術が行われます。手術は、発症3か月以内、遅くとも6か月以内に行わなければ効果が期待できないとされますので、症状を放置することなく、神経内科医と脳外科医の連携の基に早期診断、早期治療が行われることが必要です。

猶、アルツハイマー型認知症に就いては数多くの種類と様々な説が表記されていますので、此処では載せません。

圧水頭症は非常に認知症と類似した症状が多く見られるので認知症と誤認されがちですが、余程経験豊富な専門精神科医でないと誤診されるケースが多いと信じています。私の家内の場合は正に其の被害者の一人です。 今になって思えば、何故最初から圧水頭症の可能性を疑って治療を施して貰えなかったのであろうかと悔やまれます。もう4年間が経過しております。 
今となっては認知症も兼ねた症状で有ろうと新たな診断の見方をされています。全く区別出来ない症状だと判断されています。猶、再手術の検討は来年まで見送りされる事になりました。同時に第三者の専門医のセカンド オピニオンも検討されていますが、余り期待はしておりません。

脳梗塞を患って居られる方達のリハビリと異なる点は自ら良くなろうとする努力をする気力の違いに有ると思います。 家内の場合も勿論リハビリを必要とされていますが、自ら手足を動かそうとする意思が全く見られない状態ですから体力は益々減退する一方です。脳に何らかの刺激を加える事が必要なのですが、全くの無気力で何も興味を示しません。態と怠慢な態度を取っているかの如くに振る舞う様になって来ました。 会話の節々にはしっかりした口調で語る時と全く言葉にならない意味不明な言葉を発する事も多くなって来ているのが現状です。

過去4年間の間に社交的、お節介焼き、多趣味、気性の激しかった家内の性質は完全に変化して今でも信じられないくらい別人になりました。認知症で良く見られる徘徊や暴力沙汰の症状が無いだけでも楽で幸せな事だと思っています。 かくして唯無償の愛情を精一杯尽くす毎日を送っています。 これが我が身に授かったどうしようもない運命として前向きに頑張るのみです。 幸いな事には私が未だ元気な引退の身で充分な時間が取れて介護して遣れる事です。

若しご質問がございましたら何でもご遠慮なくお申し付け下さい。又如何なるご忠告も喜んで承ります。 

人は皆、様々な夫々の人生を定められた運命と共に歩んで生きて行くのです。現実を見つめて悔い無き人生を有効に最善を尽くして前向きに頑張って下さい。 

家内の不自然な仕草に「何故?」

2009-11-10 13:36:34 | Weblog
ごく最近になって今までに見られなかった不自然な家内の仕草に色んな疑問を持ち始めた。

以前はテレビに全く関心を抱いていなかった彼女の毎日は今では一日中ソファーの上でテレビを見ながら過ごしている。 とは言っても決して毎回楽しんで見ているのではない。殆どは寝ている事が多い。 番組の選択には一切文句は言わないで放映されている番組を見ている。 時折笑っている事も有るがドラマやニュース等の内容の殆どは興味を持って見ていないので充分な理解はしていない。 

食事は何時も同じソファーに座った侭で、直ぐ傍まで車の付いた円形のガラスのテーブルを寄せて食べさせている。そんな或る日、食べ残したおかずのお皿の上に漬物を箸で抓んで並べ始めたが一向に食べる様子は無い。 其の内に今度は其の漬物を飲み掛けのお茶のカップの中に入れ始めたので直ちに止めさせて取り除いた。 其処で「何故そんな事をしているのか?」と訊くと唯「I don’t know!」と言う返事だけが返って来た。 又、或る時はスナックのお菓子を食べさせていたが、其の内にお菓子の入れ物から取り出してテーブルの上に重ねる様にして然も綺麗に並べ始めていた。 

そして先週、未だ若かった頃活け花に興味を持ち教授の資格まで取った彼女は花が大好きで、元気だった頃は我が家には花は欠かさなかった彼女に、庭から摘み取って来た3本の薔薇を小さい花瓶に入れてガラスのテーブルの上に持って来て遣った。 彼女は大変喜んで微笑みながら匂いをかんでいたが、暫くすると知らない内に何と,其の薔薇の花びらが総て無残にもぎ取られてテーブルの上に山盛りに積み上げていたのを見てびっくり仰天、と同時に凄く悲しさが込上げて来た。彼女がその様な仕草をしたのは始めての事だった。 言い様の無い憤りと怖さを感じた。私はその時咄嗟に声が出なかった。 彼女の表情は穏やかだった。 私はやっと唯一言「如何して?」と彼女の顔を覗き込む様に見ながら訊ねたら、泣きそうな顔をして唯「I don’t know」の震えた一言を口にして私の顔を見た。 私もそんな彼女が余りにも哀れで泣きそうになり、思わず肩を抱きすくめてやった。 

未だ新鮮な薔薇の花びらはテーブルの上に積み上げた侭で、傍には茎と葉っぱだけが花瓶にささった侭の状態を暫く眺めていた。  テーブルの上に山積みにされていた花びらを見て何か不吉な恐ろしさを覚えたと同時にとても悲しくさえ思ったのだ。 その様な仕草をしでかした家内の異様な不自然な態度が可哀想に思えた。 花が大好きな彼女が何故むしり取る様な行為をしたのか、気でも狂ったのかと思った。

同じ家に居ながら私が彼女の傍を離れてパソコンに取り付くと、彼女は何時ものように私の名を連呼し始めるのだ。 最初は呼ばれる度に返事をしていたが、彼女の応対は無く更に連呼を続けるので、私も彼女の呼びかけには無視する様になった。 其の内ノイローゼ気味になって来る自分を感じる様になった。 彼女に「何故呼び捨てにするのか?」と問いただすと、「何でもないよ」と言うさりげない返事だけ戻って来る。

猶、彼女は未だに失禁状態が続いて居り歩行も困難な上に動作が鈍くなっているので排便の抑制に間に合わないのだ。 彼女は4年半前にアルツハイマー症状と認定されたが、昨年の夏、検診を重ねた結果、正常圧水頭症と言う始めて聞く病名に変更された。 シャントと呼ばれる脳手術が行われた後も定期的に脳脊髄液の調整が施されて来たが、今日に至っても期待された回復の兆しが見られない事からシャント手術の機能が適切に作動されていないのではないかと疑われており再手術が近じか検討されている。

彼女の意識が継続している限り私は何時までも希望を捨てないで前向きに頑張って行くしかないと覚悟をしている。 幾ら頑張っても運命には逆らえない。 今出来る事は何でも躊躇しないで遣り遂げる事を考えている。