時々、バンソレと出会った時のことを思い出すことがある。
三年前に18才目前で旅立ってしまったリジェ。
その悲しさから二度と猫は飼わない、と誓った。
部屋にリジェがいないその空間に堪えられなくて、休日には猫カフェやペットショップを出歩いた。
リジェの代わりを求めてた。
でも、リジェじゃない。
リジェに会いたい。
でも、会えない。
寂しくて寂しくて、、
ごめんね、リジェ、、
もう猫飼わないと誓ったけど、リジェじゃない猫を家に迎えていい?
リジェのことは絶対忘れないから、また猫と暮らしていい?
心の中で、そんな言い訳しながら、
私は保護猫の里親募集のネットサイトを毎日見てた。
そして、ついに、
バンソレとの出会い。
5頭の子猫が、チマっとダンボールに収まってた。
ソレに一目惚れした。
迷うことなく、ソレを抱き上げた。
この子が今日からうちの子、そう思うだけで泣きそうなくらい嬉しかった。
リジェをずっと一人で留守番させて寂しい思いをさせたから、今度は二頭飼おうと決めてが、、、
残る4頭から一頭を選ぶことが、なかなかできなかった。
そもそも、仲良くミチミチにくっついてるこの子らを離れ離れにしていいのか?
いや、連れて帰る子を選ぶ、なんてこと本来しちゃいけないんじゃないか?
それって、命を勝手に選んでるってことじゃない?
この子ら全員、ダンボールごと抱きかかえて連れて帰るべきじゃない?
と、私はもう支離滅裂な思考になっていた。
ソレだけはしっかり抱きしめてるくせに、私はダンナに
「無理!選べない!どの子も可愛い。貴方が好きな子選んで!」
きっと、ダンナも迷うぞ、と思ったら、、
あっさり、ちょっとブチャイクな真っ黒な子を抱き上げた。
「この子!」
「あ、、あ、そう、、」
私らは二匹をキャリーバッグに入れ、保護主さんにお礼を言って立ち去ろうとした時、保護主さんが
「ちなみに、白っぽい子は女の子で、黒い子は男の子です。で、黒い子とその子は兄妹ではないです」
ふーん、ぐらいしか思わずその場を立ち去ろうとした次の瞬間、
待てよ!二匹で暮らすなら女の子同士がよくないか!
それで姉妹の方が仲良く暮らせるんじゃないか!
ダンナの許しを得て、
「えっと、、、この白っぽい子の姉妹の子、ください!」
「この子とこの子です」
バンともう一匹の子を指さされた。
無理!無理!選べない!
もう目をつむって、抱き上げた子がバンだった。
ひ、ひどい!お母しゃん!
ソレ姉との待遇が違いすぎる!
ご、ごめん、、バン。
バンとの出会いは、そんなんだったんだ。
でもね、きっと、どうあっても
バンは母ちゃんの元にくる運命だったんだよ。
ソレには一目惚れだけど、
バンは日を追うごとに大好きになるよ。
バン、ソレ!
我が家へ来てくれて、母ちゃんの元にきてくれて、、
ほんとに、ありがとう💕