時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

あの廃墟宿がついに解体・・・!

2024年04月11日 | 

天神峡といえば、北海道有数の観光地だと私は思っている。

私が天神峡に旅した時に泊まった宿は天人閣という大きな宿だった。

宿の前に着いた時、予想以上に巨大な宿で、その外観には圧倒された覚えがある。

こりや凄い宿だなと思って入館してみたら、内観には更に驚いた。

内観は少し薄暗く、荒廃しているように見えた。実はその時、昼飯をその宿のレストランなとで、食べようと思ってたのだが、昼飯はやってないという。

やってない?宿泊代とは別途に頼もうと思ってたのに。

これだけ大きな宿なのだけら、レストランくらいあるだろうに。

ならば、宿の近くに昼飯を食べられそうな店はあるかと聞いたら、そんな店はないという。

どうしても食べたいなら、タクシーを呼んで、街に出るしかないという。

困っていたら、「カップ麺くらいならあります」と言うから、仕方無しにその日の昼飯はカップ麺で済ますことに。

山小屋とかなら、昼飯がカップ麺なのも仕方ないが、こんな大きな宿で、しかもそれなりの観光地なのに、店がないとは。

とにもかくにも昼飯はカップ麺で済まし、暫し外の山を散策。有名な「羽衣の滝」でも見ようと思い。

そして、滝を見て宿に帰ってきて、部屋に入り、少し休憩してから、温泉に向かった。

そうしたら、更に更にビックリ!

風呂場までは遠いので、館内を見てまわりながら、風呂に向かったのだが、途中にあった館内の部屋をなんとなく見ながら歩いたのたが、おそらく何かの施設のはずの広間には、ガラクタが散乱し、荒れ果てていた。廃墟のようになっていた。

とても館内の施設を現役で使ってるとは思えなかった。

そして。やがて風呂場に着き、中に入ってみたら、またまたビックリ!

使われてない浴槽には湯が入ってなくて、かわりに石なとが捨てられていた。

広い浴場内には、不気味なオブジェが置かれていたり、壁は崩れかけていた。

 

とても管理が行き届いているとは思えなかった。

風呂場の窓は汚れ、浴槽内の床はヌルヌルしていた。清掃されてるとは思えなかった。

また、売店では、売られていた商品の数はわずかて、商品を置いておくスペースに比べたら、商品の数は少ないと思った。空きスペースが目立っていた。

よくこれで現役営業していけてるなと思った。

 

とはいえ、宿の客室からの眺めは良かったし、清流ぞいにあった露天風呂は、ちゃんと清掃されてれば風情があるとも思った。特に風呂場の広さは特筆ものだと思った。

館内には、娯楽設備もかなり充実してると思った。ちゃんと管理さえなされていれば。

 

また、夕飯はバイキングだったのだが、量的には不満はなかった。

広い館内には実に多数の客室かあったのだが、大半の客室には人っけかなく、空室が目立った。

これだけ収容人員が多そうなのに、空室が目立ち、これでやっていけるのだろうか。

 

夕飯の時には思ったよりは客はいたのが意外だった。その時、他の客たちの会話が聞こえたのたが、「ここの風呂場は廃墟みたいで怖いね」という会話もあれば、「昔は社員旅行できたこともあったし、プライベートでもよく泊まりに来ていた」などの会話もあった。

賑わっていた時代は、この宿はかなり魅力的だったのたろう。そうだろうなと私は思った。

ちゃんと清掃され、館内施設もしっかり管理されてれば、団体客にはもってこいの宿だったはず。

それがなぜこんな状態になってしまったのだろう、その点不思議だった。

それは豪雨で天神峡への道が寸断され、その影響で、天神峡に路線バスが入ってこなくなったのが致命的だったらしい。それ以来天神峡への宿泊客は激減し、この宿「天人閣」も閑古鳥が鳴くようになり、経営は悪化し、現役でありながらも廃墟のようになっていったのだろう。

利益が減れば、当然スタッフも減らさざるをえなくなり、悪循環で館内管理もできなくなっていったのだろう。なまじ巨大な宿だから、なおさら。

 

私がこの宿「天人閣」に泊まったのは2014年。この時点ですてにこの宿は廃墟に向かっていた。その後経営状態は変わらず、2018年には廃業に至ってしまったという。

私が泊まったのは、廃業になる4年前だったことになる。

思うに、あの宿はあまりに巨大すぎたのだろう。

もっと小規模な旅館だったら、営業を続けられたのかもしれない。

あれだけ巨大な宿だと、絶えず団体客をとれてないと、やっていけなくなるのだろう。

それが団体客が激減してしまうと、スタッフはかかえきれなくなり、管理も行き届かなくなる。

 

廃業になってからもあの宿の建物は放置されていた。解体に10億円以上もかかるのでは、中々手を付けられなかっただろう。

建物は人に管理されてないと、どんどん朽ち果てて、廃墟になっていく。かといって解体には金がかかりすきる。なまじ巨大な宿だから。

天神峡では、あの宿は特に目立っていた。そんな宿が廃墟になり、それが天神峡自体の景観を損なうようになっていったらしい。

それはかねてから行政関係でも問題になっていたらしい。

でも中々手をうてないでいたらしい。

 

それがやっと、観光庁からの補助金にメドがたち、2023年から解体に入っているらしい。

 

廃墟となった天人閣への廃墟マニアによる潜入動画を見てみたのだが、完全に再利用不可能な廃墟ぶりの箇所もあれば、まだまだ再利用可能な箇所もあった。中には、完全解体がもったいないように思える場所もあった。

だが。もうこれ以上の放置は、天神峡全体のためにも良くない、そう判斷されたのは仕方ないとは思う。

なにより、天神峡は本来魅力的な観光スポットなのだから。

天神峡を廃墟スポットにさせておくのは、あまりに惜しい。

 

解体された後の跡地は、どうなるのだろう。

思うに、あの宿は、あんな巨大な宿ではなくて、もっとこじんまりとした旅館だったなら、営業を続けられたのではないか・・個人的には、そんな思いを持っている。

あれだけ巨大な宿だと、絶えず団体客を迎えていないと、維持していくのは難しいだろうし。

 

 

ちなみに、私が天人閣に泊まった時の旅行記を、かつてこのブログで投稿したことがある。

まだ営業してた頃とはいえ、すでに廃墟化が始まっていた天人閣が、宿泊客の立場から見て、どんな様子だったか、どう感じたかに興味がある方は、こちら↓

 

 

 

完結編「大雪山、旭岳・天人峡旅行記」。今は、羽衣の天人にお願い。  -  時間の外  ~since 2006~

この日泊った天人峡の宿。ここでは滞在しながら、色々な思いが頭をよぎった。館内を歩いては思い、風呂に入れば思い、部屋から外を眺めれば思い、食事をとれば思い。まず、...

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