
最近はライブの回数が減り、ユニットの練習も減っていた。
また、毎日仕事から帰宅した時の疲労感もあり、ギターを弾く機会も減ってたので、新しい曲はほとんどできていなかった。
最近は、一からメロディを作ることより、これまでに作ってきたメロディで、まだ歌詞が付いていないメロディになんとか歌詞を乗せたいと思うことの方が多かった。
だいいち、何気に新たに浮かんだかのように思えるメロディであっても、実は自分が昔作ったメロディと大差なかったりしていた。
なので、それなら、新たに作るよりも、これまでに作ってきた「歌詞のついていないメロディ」に歌詞を乗せることのほうが現実的だと思うようになっていた。
じゃないと、歌詞のついていないメロディがどんどん溜まってしまうだけだし。
歌詞のついていないメロディはたくさんあるのだが、その中でも「このメロディには、早く歌詞をつけたいなあ」と思っていたメロディはいくつかあった。
その中の一つに、最近やっと・・・歌詞をつけることができた。
そのメロディができたのは、今からもう何年も前のこと。
メロディがかたまってから、何度か歌詞をつけようとしたのだが、どうにもテーマが中々決まらず。
テーマが決まらないと、全然言葉がつながっていかない。
かといって、今までに作ってきた曲と同じテーマでは面白くないし、新たに作る意味もない。
思い切って、完全フィクションのストーリーソングみたいなものにしようかとも思ったのだが、それにしてもテーマが決まらないことにはどうしようもない。
なので、一度自分で歌詞を付けることをあきらめ、他の人に歌詞をつけてもらおうかと思った。
だが、その人にとっても、そのメロディは難題だったみたいで、結局その方法もポシャッてしまい。
そこで、こうなったらやはり自分で歌詞をつけるしかないか・・と思い直し、気分一新で作り直そうかと思ったが、これがまた中々進まず。
結局、そのメロディには歌詞はできないまま終わってしまうような気になっていた。
それでも自分としては諦めきれないので、ことあるごとに・・・例えば病院の待合室で待ってる時とか、街を歩いている時とか、旅行中とか、通勤電車の中にいる時とかに、なんとか歌詞のテーマの手掛かりだけでも浮かばないものかと思って、よくメロディを口ずさんでいた。
やがて・・・自分の中でくすぶっていた「ある思い」を言葉にして出だしのメロディに載せてみたら、案外すんなり乗った。空を見ながら、街を歩いている時だった。
すると、すらすらと1コーラス分の言葉が歌詞として一気につながった。
出る時は、そんなものだ。
だが、・・昔だったら、こんな時は一気に完成まで持っていけたのだが、今回の曲は1コーラス分だけの歌詞ができただけで、またそこで止まってしまった。
それでも1コーラス分だけの歌詞が・・手掛かりが出来ただけでも、進歩ではあったので、そこでまた「寝かす」ことに。
これまでにもライブ出演の話はたまにいただいていたのだが、最近なんとか出れそうなライブの話がきたので、せっかくだからそのライブで、その曲をやりたいと思った。
披露のメドがあれば、なんとか自分を「けしかける」ことができるかもしれない。
そこで、そのライブに間に合わせるために、再びその「作りかけの曲」に取り組むことにした。
やはり「披露のメド」があるというのは、大きなモチベーションにつながり、なんとか歌詞を最後までつなげることができた。
とりあえず今回のライブは、この「作りかけの曲」を完成させるきっかけにはなった。
そして、ユニットに持っていく前に、まずはアコースティックバーで、試運転した。
新しい曲が出来た時、ユニットに持ちこむ前に、弾き語りで歌えるフォーク居酒屋やバーなどで、一度試運転をすることが私は多い。
自宅で歌っている時と、人前でマイクごしに歌う場合では、歌いやすいキーが違う場合がある。
自宅では歌いやすいキーであっても、人前でマイクごしに歌う場合、それだと低すぎることがある。そんな点のチェックも兼ねての、試運転。
それによって、相方に渡すコード譜も変わってくるのだ。
なので、人前での試運転って、何気に大事だったりする。
ともあれ、試運転を終え、キーも決まり、その曲をユニットで練習中。
完成させるのに苦労した曲なので、愛着もひとしおだが、なんかまだ手直しをしたくなる要素は残っている気がしている。
最近、曲を最初から最後まで一気に作りあげるのって、中々出来なくなっている。
昔はできたんだがなあ。
たいがい、「寝かした」期間を経たうえでの完成になっている。
曲って、本当は・・一気に完成に持っていけて、後に少し手直しして仕上がった曲の方が、勢いやインスピレーションが死んでなくて良いと思うのだが、最近はそれが中々できなくて、自分がもどかしい。