叔母の話
2020-11-24 | 日記
ふと思い出した
母の母、つまり祖母が亡くなったのは今から22年ほど前
卵巣癌だった
見つかった時は既に手遅れ
年齢も今の老母よりは上だった
連絡が来た私ら家族は、長崎の祖母の元にほぼ毎週のように見舞いに通った
叔母(母の妹)と2人暮らしだった祖母、身の回りの世話は叔母がある洋品店の店長の仕事をしながらやっていた
その当時、専業主婦だった老母は
一緒に住んでたのに、なんで気づかなかったんだ?
と私に愚痴っていた
まだその当時は絶対的に老母の考えの支配下にあった私は
そうだね、なんできづかんかったんやろう?
しかし、今、叔母と同じ立場にいる私
老母が入院した事を報せても了解の2文字で済ませる弟
私ら姉弟はここ数年まるっきり連絡を取り合っていないからその2文字で
弟は老母を見捨てたか…
と半分は気が楽である
関東在住、3人の子(高3、高2、中3)
がいるシングルファーザー、おまけにコロナ禍
来たくても来れんわな〜と思うようにしている
しかし、老母が生きてるからこその弟の態度であり、亡くなった場合は祖母が亡くなった時の叔母に対する風当たりと同じ風が私にも吹き荒れるのだろうな…とも考えている
祖母が亡くなる前日にも私ら家族は見舞いに行った
祖母は私らの存在を判っているのか否か、
早う、早う…
とずっと繰り返していた
夢うつつだったのか、幻覚だったのかはわからない
既に鬼籍だった祖母の連れ合い、祖父が迎えに来るのを待っていたのか、それとも幼い頃に養女に出されて恋しかった実母が見えていたのか…
その答えは永遠にわからない
祖母が亡くなった後の叔母はすごかった
葬儀の間中、涙も見せず、ひたすら冷静に事務的に物事をこなしていた
そんな叔母を冷たいと思った
トドメが初盆だったか、そのあたりが不確かだが、兄弟姉妹(全部で6人)の前で手をつき
この家を相続させてください
相続放棄をお願い致します
と頭を下げたのだった
本来なら売買して6等分にしたかったところであろう兄たち、自分らの母親を看取り、父親の墓まで建てた末っ子の妹に頭を下げられ、何も言えず
結局、姉である老母を含め兄たちも相続放棄、晴れて叔母は相続した
あの一連の行動を思い出すと、いかに周到に準備していたのかが今になって自分の立場に置き換えてみてわかる
財産は何もない
古家付きの土地だけが財産のわが家
関東の弟は自分で家を買った
老母が亡くなった時、一体どんな展開になるのか…
今なら祖母の葬儀や相続放棄の時の叔母の態度、泣いとる暇なんかない!だったんだろう
私も亡父の葬儀ではそうだったように
暗い話で失礼しました
遠くの病室から男性が叫んでるのが聴こえて、祖母の記憶が吹き出してしまいました