紙屋治兵衛の横浜ベイスターズ批評

横浜ベイスターズのオリジナル批評

加藤博一さん逝去

2008-01-22 21:31:47 | 野球
人柄の良さがブラウン管から伝わってくる明るい解説が好きでした。
彼の応援歌、蒲田行進曲はローズテーマソングに次ぐチャンスのにおいが今でもします。

記録より記憶に残った人気者というサンスポの記事もあります。
たしかに、人気者という点はその通りです。が、記録に関しては新聞記事を辿っていくと、盗塁(高橋慶彦と争ったり)、打率もそうそうたるものです。したがって、記録(蹴って次第記録ではありませんが)も記憶に残る選手だと思います。
ぜひ、オープン戦で加藤博一氏の追悼式、追悼試合かなにかできないものでしょうか。(他力本願的な表現でごめんなさい)
今年、ベイスターズはFA資格を取得する選手が多数いて、移籍防止のために多額の資金を要すと報道されています。選手側から見る球団への評価は給与面からの待遇は第一でしょう。しかし、選手への評価はそれだけではないと思います。その一つとして、チームに(様々な側面から)貢献した者に対して、名誉を称える等の事をある程度制度化して報いるシステム(永久背番号以外でも)も重要なのではないかと思いました。
たとえば、加藤氏の場合、日本的には三回忌や何回忌に加藤メモリアルデーを設けて、氏の映像(盗塁、ヒット、ファンの盛り上がり)を流し、黙祷を捧げるとかです。現役当時の年俸支払いだけでない、もっと合理的いやそれ以上に大切に、素晴らしい選手にたいする球団・ファンが誠意を示す方法があると思いますし、球団もそれを模索すべきだと思います。


故人のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。


初春企画 ’07シーズン選手寸評 外野手編(2)

2008-01-07 00:00:01 | 野球
39 内藤雄太 F
 ファーム打率0.216。大卒2年目では物足りない数字である。入団時は待望の左の中軸候補として期待されたが、プロの壁にぶち当たっている。ファームでは不振にもかかわらず、打席数が多く期待の程が伺える。チームの編成的にも内藤が1軍昇格するレベルにないと苦しい。1軍では若手の左の中距離打者がいないし、小関が加入しても打てる左の代打も不足。内藤が来シーズンもこのような状態であれば、内藤を切り捨てて、社会人から指名漏れでドラフトの適齢期を過ぎた左の好打者を獲得しても良いかもしれない。それほど、左の中距離打者不在は喫緊のチーム編成上の課題である。

40 桑原義行 F
 前年度シーズン終盤1軍で活躍し、次はブレークかと思わせたが、怪我。前半を棒にふる。ファームではシーズン後半顔を出し、存在感をアピールした。
 ただ、右の外野手は飽和状態にあり、来シーズンも1軍に出るのは難しい状況。右の外野手が2名ほどトレードや怪我で不在になるという自体でもなければベイスターズ昇格の可能性は薄い。潜在能力は高く、チャンスにも強いタイプなので、1軍昇格すれば結果は出せると思う。いつでも1軍で力を発揮できるような状態でいて欲しい。

44 小池正晃 C-
 その前のシーズン、準レギュラー的に起用されたが、このシーズンは大矢監督の鈴木の偏重起用および内川の外野コンバートになり、持ち場を失ってしまった。安定した守備があるので、試合後半守備固めで起用された。しかし、打撃が大不振で打率0.232。これでは、シーズン前半金城が打撃不調だった時や鈴木・内川の打撃不調時に代役のスタメン起用というわけにはいかない。小池の打撃不調の間に、新人の下窪が台頭した。また、シーズン終盤、ファームでねばり強く1軍昇格機会を伺っていた西崎が出場し、1軍首脳陣に大いにアピールし、小池の立場が怪しくなってきた。そして、このたび古木とのトレードでオリックスから大西がやってきた。甲子園決勝で松坂投手率いる横浜vsPLの再来である。同期のPL出身の田中一はベイスターズ外野競争に敗れて既にプロを去ったが、同じくPLでプレーしていた大西がやってきた。田中一はスター扱いで浮ついたところがあったが、大西はPL、近大、近鉄の叩き上げで精神的にもタフで手強い。小池と大西の外野ポジション取り対決は来期の隠れたベイスターズの見所だ。
 小池の実力からすると、7番レフトで通年起用すると、打率0.280HR20本は十分期待できる選手だと思う。もちろん守れる選手でもある。
 右の外野手が過剰で、使える選手であることから、トレード候補として狙われやすい立場であるが、地元出身の選手としてベイスターズで活躍して欲しい。

50 下園辰哉 C-
 1軍の左打者不足もあって、新人ながら1軍でも打席機会を与えられた。順調な1年だったと思う。ファーム打率0.269でシーズン前半は3割程度打っており、九州の安打製造機通りの活躍であった。シーズン後半、打率が低下しており、体力面は鍛えていく必要があるものと思われる。1軍では29打席、打率0.207。1軍クラスの投手を打っていくことが今後の課題。慣れれば、もう少し率も上がってくると思う。内藤が育っていない状況下、下園が使える見込みが立ったのはチームにとっても朗報。古木、田中充が去り、鈴木もこのシーズンのようでは打席に立たせてもらえないはずで、左の外国人の状態にもよるが、下園の1軍での打席数は増加するだろう。オフシーズンしっかり調整して、新シーズンに望んで欲しい。

51 鈴木尚典 D+
 このシーズンから昔の背番号51に戻す。そして、大矢監督が特命で鈴木をスタメン起用を宣言。開幕当初は、それらがハマり、鈴木再生か!と思われた。しかし、5月頃から大失速。結局シーズントータルで打率0.232。守備も酷かった。たしかに、4月の開幕ダッシュは3割近く打った鈴木の好調によるところも大きかった。
 5月頃から鈴木の打撃が下降し、絶不調に陥るが、それでも大矢監督は鈴木のスタメン起用に固執した。これは多くの横浜ファンから失笑を買い、改めて大矢監督の好き嫌い采配を露呈することとなった。また、スタメンを退いてから代打起用されることになるが、全然打てなかった。にもかかわらず、鈴木の代打起用を継続した。基本的にオーソドックスな采配をする大矢監督であるが、この鈴木の1軍での代打起用はどう考えてもミス。早々に降格させ、他の左の打者を起用しておくべきであった。
 今年引退で良かったかと思うが、どうやら現役を続行するようである。チームへの貢献の仕方として、後進に道を譲って欲しい。

65 西崎伸洋 F
 ファーム打率0.307。ファームでは実績十分で、打率も安定し、いつでも上に上がれる状態にあった。なかなか、チャンスがなかったが、シーズン終盤ようやくベイスターズ昇格の機会が与えられた。結果、打撃・走塁で大活躍。ちょうどシーズン終盤で選手全体が疲弊したいたこともあり、西崎の溌剌としたプレーは輝いて見えた。これまで西崎を直に見る機会が少なかった大矢監督はじめ1軍首脳陣への大アピールとなった。
 新シーズンは、横浜の外野手は金城は確定として、その他2つもポジションを右打者の外野手だけで、吉村、内川、大西、小池、下窪、桑原、さらに、左打者小関、佐伯、外国人、下園で争うサバイバル、大激戦となる。
 西崎の強みは安定した打撃、快足、守備。競争相手も手強く、知名度は低いが、客観的に考えると西崎は総合力があって使いやすいタイプ。チームの流れを変えるガッツもあり、一発もある。ハマのダークホースだ。ビックネームも多いが、吉村、内川らが不調でもたもたしてると、活躍次第ではレギュラーを取っておかしくない。来シーズン期待している選手の一人である。


初春企画 ’07シーズン選手寸評 外野手編(1)

2008-01-06 00:00:01 | 野球
00 河野友軌F
 1軍の打席に立つこともなくシーズンを終了。ファームでは3割を打てる力を持つ河野であるが、ファームで打率0.222と惨憺たる成績だった。不調というよりはモチベーションの低下であろうか。たしかに、ファームの成績では当時それほど差がなく、実績のない下園が監督の憶えめでたく1軍に昇格したのでは、やる気も失せるが、とはいってもそれでもめげずに精進していくのがプロに求められる気構えであろう。打席数はしっかり規定打席与えてもらっており、ファーム首脳陣も期待している。ミツル、古木なきあと、この世代の左の外野手は河野だけで、見方を変えればサバイバルで生き残ったとも言える。ただし、ファームでこの打率では、戦力外も仕方ない成績で、球団からラストチャンスをもらったかたちである。新シーズンでの奮起に期待したい。

 0 ミツル(田中充) F
 このシーズンは1軍の打席に立つことはなかった。ファームでは下園と遜色なく打っていたので、1軍で打たせて上げたかった。鈴木尚を左の代打で出すぐらいであれば(シーズン序盤の好調時を除く)、ミツルの代打起用の方が結果が出ていたと思う。この点は腹立たしい。シーズンオフ、戦力外通告を受けることになるが、確かに潮時ではあった。ただ、チームにこの世代の左の外野手がほとんどいなくなり編成面を考えるとは鈴木尚の戦力外が先であろう。毎年オフにはボランティアを欠かさないナイスガイでもあり、またいつかベイスターズに関わって欲しい一人。
 社会人野球(松下電器)で野球を続ける予定。

 1 金城龍彦 B+
 前半戦打撃絶不調。後半、打撃が復活し0.284。金城が打撃不振になると打線が組みにくく、来シーズンは安定した打撃を期待したい。
 もっとも守備は圧巻。スーパープレイは数知れず。捕殺も多いし凄い。難しい飛球も簡単に捕るし、玉際には滅茶苦茶強い。TBSのインターネット中継で何度金城の好手を称賛しただろうか。

 2 内川聖一 C++
 このシーズンから外野にコンバート。ライトのポジションを与えられてのスタートであったが、絶不調によりシーズン序盤でファーム降格。ファームで調整後、1軍に再昇格すると爆発的に打ちまくった。ただし、復帰後はライトのポジションを既に佐伯に奪われ、レギュラー不在の激戦区レフトで古木、下窪、鈴木、小池らと争うこととなってしまった。
 来期は古木が抜け、同じく右打者の吉村、大西が加わり、さらに外国人も加入予定なので、出場自体ままならない。出場機会という意味では、セカンドも守れるよう、もう一度チャレンジしたらどうだろうか。

 9 下窪陽介 C+
 日本通運からドラフト5巡で指名。中日も指名予定であった選手。社会人屈指のスラッガーというふれこみであったが、プロでは出塁する打撃で出場機会を増やす方向が功を奏し、ほぼ常時一軍に帯同した。28歳と中堅クラスの年齢だが、中堅的な役割は果たした。72試合出場、打率.277は十分合格点をあげられよう。社会人トップクラスのレベルの高さを示す結果となった。大舞台で場慣れしているせいか、1軍ですぐにヒットを打つことができ、初ヒットに苦労しなかったのも1軍定着の要因だと思う。守備は覚束ないところを多々見受けた。新シーズンは落ち着いて処理されたい。守備も慣れればもっと上手な選手だと思う。
 下窪の話から外れるが、今年は古木、田中充がいなくなり、左の外野手が佐伯・鈴木から一気に内藤・下園まで世代間が空いてしまうため、是非社会人トップクラスで例年指名漏れされている左の好打者を指名し世代ギャップを埋めて欲しい。

31 吉村祐基 B-
 ファーストのレギュラーとして定着。ほぼ全試合出場した。打率0.274、HR24本はファーストの打者としては物足りないが、吉村としては評価できる数字であった。チャンスでの凡退も多かったが、いいところでも打っていたとも思う。村田ともども三振が多かったのは問題有り。守備でも足を引っ張ること場面が多々見られた。育成という観点から大矢監督は吉村を起用し続けたが、好調時の内川や佐伯のファースト起用というオプションをもっと使用して良かったと思う。オフの契約更改の発言などを見ると、吉村は自分の成績を過信していると思われるフシがある。もっと客観的に自分を見つめ直し、気を引き締めるべきであろう。ホームラン20本打ったあたりでマスコミにチヤホヤされることはままあり、そのうち練習がおろそかになって、未完の大器に終わる選手も少なくない。そんな選手にならないことを祈る。

33 古木克明 C-
 72試合出場、打率0.247、HR4本。ほとんど代打起用であった。シーズンオフ、(おそらく)トレードを志願。オリックス大西とのトレードとなった。
 打撃の潜在能力はこんな数字ではないはず。
 課題の守備は改善傾向といわれていた(といってもまだまだ下手)。
 このまま、横浜に残っていても守るところもなく、レギュラーは難しいと思われる。左の代打としては、率が悪い。良い悪いがハッキリしたタイプで安定的にヒットが望めない。同じ一発のある打者であれば外国人選手という選択ある。
 入団時は将来はサード、セカンド、ファーストの内野の一角を担って欲しかった期待の選手で、好きな選手でもある。高校時代はショートで、プロではサードコンバートでものになって欲しかった。森監督時代は我慢して使ってもらったが守備的には芽が出なかった。その後、村田との内野競争に敗れて外野に追われた。ファーストを諦めずに続けていたらと思う。
 左打者として、横浜的にはその潜在能力を考えると必要な選手であるが、そろそろ環境を変えても良いかなとも思う。
 オリックスに行っても、広い京セラドームが本拠地で、他球場も広く、守れない古木は、代打からのスタートとなるだろう。パリーグの野球はセリーグのような嫌らしい攻め方がされず、古木にとっては打撃的にはパの方がベターかもしれない。打撃で認めてもらって、守備で我慢して使ってもらって、レギュラーを目指すことになるのだろう。
 ベイスターズの人気選手で放出は非常に残念であるが、新しい環境で未完の大器が開花するのを祈念するばかりである。強打者になって、再びベイスターズに戻って来て欲しい。

初春企画 ’07シーズン選手寸評 内野手編

2008-01-05 00:00:01 | 野球
 3 種田仁 C-
 仁志の加入によりセカンドのポジションを奪われ、出場機会が激減した。(前年打数230→66)
 チャンスメイク、チャンスに強い打撃は健在。サヨナラ振り逃げなんてのもあり、おじさんが懸命に走っていた姿が懐かしい。シーズンオフ直前、オフに右肘の手術をすることを宣言し再起を期そうとした矢先に戦力外通告。右の代打として、横浜にはまだ必要な選手だとは思うが、球団の外人大量補強戦略の影響を被る形となった。西武が獲得を表明し、来期はパ・リーグで活躍することになる。

 4 北川利之 F
 このシーズンはベイスターズ昇格はあったが、1度も1軍の打席に立つことはなかった。打撃がまだまだで2年目の石川が1軍で起用されるくらいであれば、北川を使うべきであると思うが、結果的に1軍首脳陣からは構想外の選手となっている状態で残念である。守備も悪くないし、石川、木村よりは打つはずである。まずはキャンプ、オープン戦で1軍首脳陣にアピールすることからになるのだろう。

 5 石井琢朗 B-
 守備、打撃ともにすっかり衰えてしまった。その石井を超える遊撃手がいないのも寂しい。
 石井の懸命なプレーや疲れや体の痛みを出さないで野球に取り組む姿勢は素晴らしいと思う。

 7 仁志敏久 B
 シーズン前半は3割をキープしていたが、後半は息切れし打率.270。先頭打者として、チームを牽引し、負け癖がついて停滞気味のチームに新風を吹き込んだ。ジャイアンツでは若手主体のチームに切り替えていたため出番がなかったが、この鬱憤を晴らすかのような目覚ましい活躍だった。仁志のトレード志願で、小田嶋を差し出すことになったが、横浜的には成功したトレードとなった。来シーズンはシーズンを通して仁志が活躍できるよう、シーズン後半若手と併用したように気の利いた起用を望みたい。

23 藤田一也 C-
 シーズン当初は1軍メンバーで、安定した守備を披露した。1軍に慣れて気持ちに余裕が出てきたため、ヒットも打てるようになってきた。もともと打撃は良い選手だったので、今年はこのままいくのかなと思っていた矢先怪我で離脱。怪我の多い選手は大成出来ないので注意したい。シーズン後半1軍に帰ってきたが、遅きに失した。ショートの守備はベイスターズで一番上手く安定している。打撃も良くなって来ているので、来期こそショートの定位置取り、少なくとも石井と半々ぐらいの出場機会を目指して欲しい。

25 村田修一 A-
 ホームランキングを獲得。全試合出場、打率0.287、HR36は横浜の4番の責務を果たしたと評価したい。ただし、得点圏打率が低い等の課題は残した。4番としてもっとレベルの高いところを目指したい。
 疲れもあるとは思うが、シーズン後半、守備の乱れ、雑な守備が目立った。2年前は守備はまだまだであったころに比べるとだいぶ進化したといえるが、村田にはセリーグを代表する4番サードになって欲しい。このためには、当然安定した守備も必要である。オフも油断せずにあらゆる面で鍛え上げて新シーズンを迎えたい。

26 佐伯貴弘 B
 背番号を昔の26に戻して心機一転。前のシーズンとは別人のように活躍した。規定打席で打率.302、ライトのレギュラーポジションも奪取した。
 前年、この程度機能していれば、牛島政権ももう少し長かったかもしれない。4番としての重圧から解放されたからなのか。いや、佐伯自身が奮起した結果であろう。
 シーズン当初はレギュラーから外れることが多かったが、安定したバッティングで徐々にスタメン固定となった。シーズン通して安定したバッティングは横浜最下位脱出に大きく貢献した。来シーズンもベテランのバッティングに期待したい。

52 石川雄洋 D+
 オープン戦での活躍により、シーズン序盤、1軍に抜擢された。ただ、打撃はまだ1軍レベルの投手に対峙できるレベルではなく、程なく降格した。1軍経験を活かして、体作りも含めて、ファームで鍛え上げたい。

53 野中伸吾 C+
 代走要員として1軍に帯同した。シーズン中盤、ジャイアンツ戦で9回ホームランを放ったあたりから吹っ切れてバッティングに開花。以後3割をキープした。石井や仁志が疲労がたまり、守備打撃に精細を欠いた時に彼らに休養させたが、この時野中がスタメンを獲得した。二人とも大ベテランで、扱いもあり、定位置奪取までは至らなかったが、特にバッティングで大暴れした。
 前のシーズンまで左打席であったが、このシーズンから右打席に徹したのが功を奏した。神埼高校時代は右打者で、小柄だがHRも打てるインパクトのある先頭打者であった。リードオフマンタイプであったことも含めて、キャラ的には仁志と似ている。プロ入りしてから、生き残りのため足のスペシャリストとなりこぢんまりしてきたが、このシーズンは高校時代の野中が蘇った。来期は仁志の代役が多いかもしれないが、存分に活躍して欲しい。

55 呉本成徳 F
 シーズン後半1軍に昇格し、初安打を放つ。ファーストというポジション柄なかなか昇格機会がない。呉本自体、チーム内の役割も難しい。右の代打は数多く、一発を期待したい(かつての小田嶋のような)打者でもない。呉本に問題があるというよりは、編成に問題があるのだろう。右打者過剰の状況と年齢的な点からすると、来期が正念場。

63 梶谷隆幸 F
 ファーム育成中。ファームで52試合出場と経験を積んでいる。横浜の高卒野手は下位指名でも、怪我さえしなければ、大体1軍クラスの選手に育っているので、体のケアを十分に行って良い選手になって欲しい。

66 木村省吾 D+
 藤田の怪我により、1軍昇格。守備はまずまずで守備要員としての役割を果たすものの、いかんせん打撃が非力。千載一遇のチャンスを生かし切るまでには至らなかった。チーム状況からして左打者の内野手は使い手があったはずだが、残念だった。ファームでも打撃が課題であった。せっかくのチャンスをつかみきれず、藤田の代役を野中に奪われる格好となった。実質、初めてこのシーズン、1軍で仕事ができ、貴重な経験になったと思う。バッティングが上向けば来期はもっと出番があるかなと思っていたところ、岸本とともに広島にトレードされることになった。内野の外国人選手を獲得し、野中の台頭もあり、来シーズン木村の立場は厳しい状況になることを考えると、広島行きは木村的にも良かったと思う。広島の内野陣を考えると、木村の守備力と走力からして、内野の守備要員として常時1軍帯同も夢ではない。広島から見込まれたわけであるから、是非課題のバッティングも克服して、長くプロ選手を続けて欲しい。

初春企画 ’07シーズン選手寸評 捕手編

2008-01-04 00:00:01 | 野球
 8 相川亮二 B-
 このシーズンは肩の具合が悪く、盗塁阻止率は低かった。リード的には特に進歩は感じられず。大量失点癖も相変わらずだった。8月中旬は腰を痛め2週間ほど離脱した。
 一方、打撃の方は、初めて規定打席で3割をマークした。(ただし、シーズン終盤打順上位にしてもらって規定打席に到達)
 北京五輪の最終メンバーに残れなかったが、最後まで残ろうとする男気は評価したい。シーズン中に肩の手術をすれば、次のシーズンに間に合ったが、オリンピックに出たいがために、手術を先延ばしにしていた。個人成績より、オリンピック、日の丸を優先した。チームには迷惑をかけることになるが…

29 新沼慎二 F
 捕手2名体制により、3番手捕手の新沼は1軍から外れることになった。4試合の出場にとどまった。
 ファームでは腐らず、打撃も成長し、終始好調をキープしていた。相川離脱の8月ようやく昇格し、スタメンマスクを被り、試合を決定づけるホームランを放ち、存在感をアピールした。

49 斎藤敏雄 F
 ファームでは一定の出場機会を与えられているが、冴えない。自慢の打撃が、ファーム打率.179では寂しい。三振が極端に多く、粗い印象を受ける。特に捕手は出場機会が少ないので、斎藤捕手らファーム3番手以降の選手は独立リーグにレンタルするなどして、出場機会を増やして育成させることはできないものだろうか。

57 鶴岡一成 C-
 2番手捕手として36試合出場。相川離脱時、スタメンマスクを被るが、大事なところでのエラーが目立った。相川と遜色ない力量があるとは思うが、試合から遠ざかり試合勘が鈍っていたためか、数少ないスタメンのチャンスにおいて力を発揮することが出来なかった。69打席で打率.217の打撃も低調。新シーズン相川の手術の回復が遅れれば、鶴岡の出場機会が多くなると思われ、さらなる奮起が期待される。

59 黒羽根利規 F
 ファーム育成中。48試合出場、67打席、打率.224、2年目のシーズンにしては、予想以上の成績だった。打率もシーズン中盤はもっと良かった。非力な選手と思っていたが、そうでもないようである。序盤は出場機会が少なかったが、バッティングで結果を出し、少しずつ使ってもらえるようになった。
捕手の中ではこのシーズン一番成長したと思う。

61 武山真吾 F
 捕手二人制により新沼がファームに常駐することとなり、武山の捕手出場機会も少なくなった。ファームで180打席、打率3.00は合格点。内野手転向の噂も聞かれるが、年齢層的に武山が捕手として一人前、つまりいつでも1軍でプレーできる力のある選手になってもらわなくては、チーム的に苦しい。相川がFAで流出した場合、鶴岡、新沼に次ぐ選手としてレギュラーを刺激する選手が必要だからである。捕手としてやや影が薄くなってきているので新シーズンの巻き返しに期待したい。

62 高森勇気 F
 25試合出場、21打席、打率.095。高卒1年目としてはまずまずの数字。



初春企画 ’07シーズン選手寸評 投手編(4)

2008-01-03 12:00:01 | 野球
43 北篤 F
 ファームで順調に育成中。

45 吉原道臣 F
 ホンダから即戦力の中継ぎとして入団。投球回数3回防御率6.00、冴えない成績に終わる。ボールはそこそこだが、コントロールがままならなかった。

46 佐久本昌広 F
 シーズン中は一度も1軍昇格することもなく、シーズン後解雇。もともと前牛島監督に認められて、入団した経緯があることもあり、大矢監督的には当初から戦力外であった。
 打撃投手として採用される予定。

47 工藤公康 B
 シーズン序盤はボロボロで、早々にノックアウトという試合が続き、もうダメなのかなあと思ったが、オールスター以降巻き返し、ほぼローテを守り、終わってみれば投球回数103回2/3、7勝6敗防御率3.91。負け数の2・3敗はシーズン序盤。中継ぎで失敗で負けがついたゲームや中継ぎ、那須野あたりが抑えられず勝利を逃したケースもある。それを考えると実質10勝5敗程度の貢献度はあった。大投手の貫禄を披露した。
 あらためて、工藤のすばらしさを知ったシーズンだった。

48 後藤伸也F
 5月6日にファームの試合を見に行ったが、球場について時には既に大量失点で降板していた。入団後2、3年はファームのエースとして活躍し、期待していた。が、肩だったかの故障後は低迷し、精細を欠いていた。このシーズンも数少ないチャンスをもらったが、結果は出なかった。
 シーズンオフ後、解雇。また一人、高卒期待の投手が去って行った。
 球団職員として採用される予定。

54 橋本太郎 F
 牛島監督時代は牛島氏の高校の後輩というこもあってか、ファームでは先発としてよく起用されていたが、当シーズンは若干出番が減ったがチャンスは十分に与えられた。目下、育成中。
 ただし、新シーズンは高卒ルーキーが3名入り、大社の2名もファーム中心だと思われ、外国人投手も大量に補強したためあぶれた選手がシーレにやってくる。このため、橋本の登板機会も激減することが予想される。
 数少ないチャンスで期待に応えられるよう、万全を期したい。

56 チアソン D-
 登板機会なく、早々に帰国。

58 ホセロ C-
 シーズン序盤は150キロの重い速球を武器に中継ぎとして活躍した。来る日も来る日も投げていた。登板過多で当初の勢いも無くなり、コントロールに問題があることが、他チームに知られるようになると、成績も急降下した。素材としては悪くなかったので、投手コーチ連中の手腕が問われたのだが…
 シーズン後、再契約は微妙な成績であったが、結局結ばなかった。

60 飯田龍一郎 F
 未完の大器も結局ものにならず。ファームで1試合登板したのみでユニフォームを脱ぐこととなった。彼の場合は、育成以前に指名に問題があったと思う。つまり、指名レベルの選手では無かったということである。


64マットホワイト C+
 シーズン途中で入団。ファームの調整登板は散々であったが、即1軍登録。時期尚早ではあったが、実戦の先発ではそこそこ投げて周囲をホッとさせた。左の中継ぎ不足により、先発から中継ぎにまわると、本職ということだけあって、十分に役割を果たす。中継ぎにまわったばかりのころは打たれていたが、徐々になじんでくる。
 横浜は開幕当初こそ首位に立ったが、CS圏内はおろか、シーズン終盤は広島と5位争いをする状況であったため、マットホワイトの加入は4位確保の原動力となった。その功が認められ、契約更新。

99横山道哉 B-
 日ハム解雇後、テスト入団。5月終盤、中継ぎが崩壊した時に、救世主のように登場。当初はたまたまのように思われたが、しばらく防御率0を維持した。最終的には投球回数38回、勝ち負け無し、防御率3.32の立派な成績を残した。ベイスターズのカンバック賞。再び横浜に戻って、良い仕事が出来た。ファンとしても嬉しい。
 シーズンを振り返ってみると、横山が中継ぎで踏ん張って、中継ぎの再構築がなされたからこそ4位に位置した点も見逃せない。


初春企画 ’07シーズン選手寸評 投手編(3)

2008-01-03 00:00:01 | 野球
28 秦祐二 C-
 シーズン序盤は故障。中盤から復帰し、ファームで好調を維持し1軍昇格した。
が、ちょうど調子が落ちてくるタイミングでの1軍起用となる形で、不甲斐ない成績(投球回数35回2/3、1勝2敗防御率5.55)でシーズンを終えた。秦の昇格に関しては、ファームと1軍との投手スタッフ間の連携がとれてないと感じた。
 1軍定着を望みたい年齢にさしかかったが、もう少し伸びて欲しい。もともと伸びシロのない投手といわれていたが。ボールにボリューム的なモノがなく、ストレートにやや威力がない。今後、どういった投手になっていくのか、いささか不安になってきた。体作りも含めて、もうワンランクのステップアップが望まれる。

30 土肥義弘 B
 前半は、左の先発の柱として勝ちまくり大活躍。後半戦は故障もあって大失速。終わってみれば7勝8敗。痛い。個人的に土肥の老獪なピッチングが好きなので、来期はシーズン通して活躍して欲しいのだが、年齢・故障明けを考慮すると土肥にとって厳しいシーズンになるかもしれない。

32 松家卓弘 F
 ファームで育成中であるが、育成っていう年齢でもない。ファームの数字だけをみると岸本と遜色なく、悪く言うとノーコン奪三振王。さらに成績の良い堤内は解雇となっただけに、新シーズンは微妙なポジションとなる。

34 三橋直樹 C
 投球回数49回2/3、2勝4敗防御率4.04今年もローテの谷間、序盤で先発が崩れたとき等の中継ぎで活躍した。目立たないが貴重な戦力。先発時、序盤でノックアウトされるケースもあり、これは改善を望みたい。スピードは無いが、多彩な変化球とコントロールが生命線のおっさん投球術が魅力的である。

35 牛田茂樹 C-
 投球回数10回1/3、2勝0敗防御率2.61。シーズン序盤は中継ぎで大健闘。ポストクアトロKの次を担う中継ぎとして、再ブレークか!と思わせたのもつかの間、5月上旬急性大腸炎で離脱。短期離脱と思いきや、なんと復帰まで9月中旬までかかってしまった。牛田離脱後、中継ぎ陣は登板過多で崩壊し、立て直しまで苦戦を強いられた。
 1年間通じて機能すれば、年俸3、4千万クラスの投手になれていただろう。
体調管理を万全にして、新シーズンは巻き返しをはかりたい。いつまでも川村、木塚、加藤が中継ぎを張れるわけではない。次世代の頼れる中継ぎとして、牛田への期待は高い。

36 堤内健 F
 ファームで投げている堤内を観戦したが、入団当時の活きのいいスピードボールは既になかった。故障して当時の速球は失われてしまったが、コントロールは良くなって、変化球もそこそこ。社会人野球に混ぜると好投手の部類かもしれないが、プロでは特徴のない平凡な投手であった。1軍昇格させて中継ぎで数試合投げて見させたかった。現在の彼の力でどの程度1軍で通用するか見てみたかった。シーズン終了後、解雇となったが、潮時だったと思う。
 打撃投手として採用される予定。

37 岡本直也 F
 ファームでは好調で、シーズン途中昇格するが、チャンスをものに出来ず。ジャイアンツ戦滅多打ちに合い降格。その後、調子を崩したまま、オフを迎える。個人的には、もう少し我慢して大事に使って欲しかった。滅多打ちに合う前に交代させ、また楽な場面で起用して自信をつけさせ徐々に慣らしていく、そんな配慮が欲しかった。降格後、気落ちして調子を崩したが、新シーズンは心機一転再昇格を目指して頑張って欲しい。ボールに威力が無いことが課題として指摘されており、オフでの体作りも重要。本当にもう一息なのだから。かつては、三浦、福盛、戸叶、横山他高卒3巡以降の投手は活躍していたのだが、最近はさっぱりであることからも、今のところそうした投手の最後の砦でもある岡本に期待している。

38 稲嶺茂夫 F
 1軍では左の中継ぎ不足と言われ、ファームでもそこそこの結果を出しながら結局、ベイスターズに呼ばれることはなかった。ここ2、3年そんな感じで、シーズンオフに解雇となった。広島、楽天、ヤクルトあたりだと出番もあったかも知れない。岡本、稲嶺の起用をみるとファームと1軍のピッチングスタッフの連携がうまくいってない気がしてならない。
 スカウトとして採用される予定。

41 岸本秀樹 D
 1軍では3試合わずか4回。プロ入り後、最悪のシーズンだったのではないだろうか。ファームではフォームを崩して、入団時の勢いのあるピッチングも見られなくなったと聞く。入団時は150キロの速球に頼ってばかりの投球であったが、コントロールが無いと抑えられないと感じて、フォームを崩してわけがわからなくなったパターンか。シーズン終了後、木村・岸本と広島の小山田のトレードが成立した。
 もともと素材的にいいものを持っており、プロ1、2年目にはその片鱗を確認済み。環境を変えてみるには、ちょうど良い頃合いだったかも知れない。2、3年後、あの時、岸本を放出するのではなかったと地団駄を踏ませてくれるくらいたくましくなって、広島で年俸の面倒を見きれなくなるほど活躍して、後々FAで横浜に戻って来るというのが、今となってはの夢である。

42 クルーンA
 3勝1敗31セーブ防御率2.76は圧巻。シーズン後半、危なっかしいところもあったが、貫禄で抑える。本人も言っているとおり、ピークアウトはしているが、十分計算できる抑えであった。
 シーズンオフ、ジャイアンツに移籍。
 折角、良い選手を見つけて日本野球に順応したところで、他球団とのマネーゲームとなる外国人選手の契約システムはどうにかならないだろうか。選手は高い契約金のところに行くのは当然で、システム的に改善して行く必要がある。プロ野球全体の魅力を高めるという視点に立つと、外国人選手の移籍はFA並のルールを設けてその範疇で行うべきではなかろうか。

初春企画 ’07シーズン選手寸評 投手編(2)

2008-01-02 12:00:01 | 野球
16 川村丈夫 C-
 大矢監督の構想により、シーズン序盤は先発にまわるものの、結果的には失敗だった。5回まで持たなかった。
 結局ファームで調整してから、再昇格し中継ぎで、そこそこの働きをする。体力的なこともあり、シーズンを通しての働きを期待するのは酷だが、状態の良い春と秋は中継ぎであれば、十分戦力として防御率2点台は期待できる。来シーズンは是非そのあたりの適性も加味し、期間限定の中継ぎとして起用されたい。

17 加藤武治 B-
 彼も、大矢監督の構想により、シーズン序盤先発にまわるが、失敗。05年にも先発起用されて失敗、さらに06年ホールド賞を獲得していた状況を考えると、このコンバートには苦笑せざるを得ない。
 ほどなく、中継ぎにまわり、中継ぎの柱として活躍した。投球回数82回8勝4敗1セーブは見事。


18 三浦大輔 A
 ベイスターズの先発投手の中心として活躍した。既にピークを越えた感もあるが、絶妙なコントロールは素晴らしい。ハマの実質エースに違いないが、真のエースと言えるかは疑問。11勝13敗。今年も負け数が多かった。負け数が勝ち数の半分程度になったとき、三浦がハマの真のエース。今シーズンは複数年契約最終年、ハマの番長の意地を見せて欲しい。

19 染田賢作 F
 怪我から回復し、ようやくファームに復帰した。来シーズンはファームはもとより、1軍でも存在感を示しておきたい。年齢、メンバー的にもプロを続けて行くには結果が求められる時期にさしかかっている。

20 木塚敦志 B
 シーズンを通して、中継ぎの中心投手として活躍。毎年、何十試合も出て、この年も76試合、防御率3.06。素晴らしいの一言に尽きる。

21 吉見祐治 C+
 先発では年に約1度の好投とその他は良くないといった例年のパターン。中継ぎでもうーんといった感じで、使いにくいタイプは相変わらず。投球回数97回防御率4.27は、加藤の82回防御率4.50に比べると良いのだが、そんな印象はない。例年以上に機能していたのは認めるが…
 右バッターの膝元にコントロールされた、ブレーキボールは絶妙。1軍半のバッターはこのボールだけで簡単に抑えることができる。このボールを活かすために、右バッターの場合外角低めの球の出し入れで組み立てていくのであるが、外角ストレートがビシッとこない場合、好打者クラスとなると抑えきれない。
 年齢的にピークを迎えるので、もう一段上の投球術を身につけて、少しでも長く野球を続けて欲しい。

22 高崎健太郎 C-
 ハマの22番を送られただけに球団からの期待の高さが伺える。シーズン早々に1軍デビューするものの、変化球に課題があり、ファームに。ファームでは10勝5敗防御率2.46とモノの違いを見せつけ、シーズン終盤再昇格し、2勝する。威力あるストレートは希望枠に恥じないものであった。疲れたり、調子の悪いときには、カーブ投球時に腕がゆるむことを解説者から指摘されていた。フォークもまだこれからといった状態。課題がクリアされたとき、背番号22が再び輝きを増す、そんな期待を抱かせてくれる1年だった。

24 寺原隼人 A
 三浦とともにシーズンを通してローテの主軸として活躍した。12勝12敗防御率3.36。
 多村とトレードが発表された時点では、5・6勝も出来れば御の字だと考えていただけに、失礼ながら予想外の活躍。恐れ入りました。
 威力のある速球は健在で、心機一転ベイスターズに来てなにか吹っ切れた感じ。
 しかし、上位球団の巨人、中日、阪神戦に勝てない(1勝9敗)と課題も残す。どちらかというと精神面か。ハマの新エースとして、来期も期待したい。

27 山北茂利 D+
 ツーストライクまでは簡単に追い込むのだが、勝負球が決まらず、粘られて、安打かファーボールという場面をしばしば見かけた。コントロールは言われるほど悪くないと思うが、決め手に欠ける。投球回数は11回1/3。ホセロを使いまくるぐらいであったら、もう少し山北に投げさせても良かったと思う。1軍枠でちょうどはみ出すポジションだったのも、残念。ぎりぎり1軍枠に入っていれば、もっと出番があったはず。新シーズンはマットホワイトも含めて2枚の外国人左のセットアッパー体制となったので、出番はさらに少なくなり、正念場のシーズンになるであろう。

初春企画 ’07シーズン選手寸評 投手編(1)

2008-01-02 00:00:01 | 野球
07シーズンの各選手について、私なりに振り返って寸評してみたいと思います。

11 山口俊 F
 ファームのローテとして、8勝5敗防御率4.26。1軍では0勝3敗御率6.30。目下、育成中といったシーズンであった。個人的には2,3勝程度してほしかった。チームから大事に育ててもらっているのが感じられるが、スタミナ不足等昨年からの進歩があまり見られなかった。来期は次世代のエースとして実績も期待したい。

12吉川輝昭 D
 1軍では2ゲーム、3回のみの登板と全く寂しい内容。ファームでも風采が上がらなかった。ボール自体はいいものを持っていて、一皮剥ければ、ブレークできる逸材だと思うのだが。来シーズンの投手陣の陣容からすると、来期余程結果を出さないと、解雇だろう。引取先があれば、オフシーズンにトレードに出して、環境を変えてあげても良かったかなとも思う。

13 那須野巧 B-
 07シーズンようやく開花。開幕当初から中継ぎで連日登板し、活躍した。場慣れしたせいもあるだろう。序盤の好成績に貢献した。
 開幕直後、ドラフト裏金問題で渦中の人となる。実際には5億円3千万受け取っていたことが発覚。プロで裏金が表面化したのは、那須野だけであったが、確かに那須野は争奪合戦になったものの、那須野だけが裏金をもらっていたとは考えにくい。他にもドラフト時裏金(ここでは公式発表された契約金以上のお金の受け取るという意味)をもらっていた選手いたことだろう。那須野にとっては何でオレだけ?という憤慨もあると思う。また、【那須野だけの】情報が漏れる球団体質にも問題がある。もちろん、裏金自体は悪いことである。
 5月あたりから、調子が下降と登板過多により、徐々に失速した。
 また、同時期、よせばいいのに崖っぷちタレントとの交際が、裏金渦中のさなか発覚した。売名行為に利用された感もあり、気の毒な気もする。ただ、どうだろう、シーズン中でもタレントと交際するのは、別にかまわないが、せっかくならもっと大物タレントと交際して欲しかった。
 マットホワイトが来るまで、他に適当な左の中継ぎがいなかったこともあり、ほぼシーズン通して登板できたのは立派。シーズン後半は肩の状態も悪い中、成績は悪かったがよく頑張っていたと思う。来シーズンは、シーズンを通して好成績に期待したい。
 波瀾万丈の一年だった。5億円の真価を問われるのはこれからである。

15 高宮和也D
 22試合(18回2/3)防御率7.71。高宮が左の中継ぎで機能しなかったのは、誤算。彼が、防御率4点台弱あたりで頑張ってくれると、ずっと中継ぎの台所事情が楽になったはずだ。高宮のプロとして生きる道は左の中継ぎ、ワンポイントであるから、課題のコントロールを克服して活躍して欲しい。彼クラスのスピードボールとスライダーを持つ左腕はプロでも貴重なのだから。