やまがた好日抄ーⅡ

低く暮らし、高く想ふ! 
山形の魅力を、日々の関心事を、気ままに…。

鉄門海といふ生きかた

2021-12-06 | やまがた抄
山形は、全国でも屈指の即身仏が多い地です。

小生の知り合ひで、中近東の方ですが、即身仏にとても興味を持ち、庄内までは無理でしたが、山形市郊外の寺を紹介したことがありました。
彼は、Self made mummy と云ってゐましたが、拝顔してとても感動した、と興奮して話してゐたのを覚えてゐます。

鶴岡市の注連寺に、鉄門海上人の即身仏が大切に守られてゐます。
芥川賞作家の森 敦の名作『月山』の舞台になったところです。
奥様が庄内の方といふこともあったのでせうが、森 敦はこの地を舞台にした難解な小説を紡ぎだし、一躍著名な作家になります。

小生もこの寺が好きで、幾度となく足を運んでゐますが、七五三掛(しめかけ)桜といふ桜があって、段々と色を変へてゆく桜なのですが、何せ寒さ厳しく雪の多いところゆゑ、よいタイミングではお目にかかれません。

以前の写真を載せます。




そして、この寺に安置されてゐる鉄門海上人です。

以前、NHKの歴史番組で取り上げられ、その後半に鉄門海の半生を追ひ、かなりの反響もあったに聞きます。
小生も、以前から鉄門海の名は聞いてをりましたが、その短いドラマを見て、至極胸を打たれ、コロナが収束したら庄内で彼の足跡を訪ねる予定をしてゐます。
番組のダイジェストのHPがありました。
こちら-1
こちら-2
です。
鉄門海の特異なところは、一説によれば、武士を切り、逃げるやうに仏門に入り、凄まじいまでの山岳修行をし、やがて即身仏を志向するも、病死でその志しをとげられなかったことです。
そして、その遺志を村人たちが受け、彼の屍を海水で清め、石室に安置し、数年の後に即身仏として蘇らせたといふことです。
確かに、注連寺内に安置されてゐる鉄門海の姿は、とても保存のよいミイラの姿のやうです。

NHKの番組でも紹介されてゐましたが、自利利他円満、の言葉通りに鉄門海は生前も死後も、尊敬され、敬はれ、仏として手を合はされてゐます。

続くコロナ禍にあって、人と交はることが少なくなってゐる今、人とはどうあるべきか? の、小さな答へがあるやうな気がします。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿