やまがた好日抄ーⅡ

低く暮らし、高く想ふ! 
山形の魅力を、日々の関心事を、気ままに…。

ふたりの死

2021-12-04 | 文化的なもの
今年は、我が家でも不幸がありましたが、

今年、朝食のパンをかじる手を止めたふたりの死がありました。
ともに、呆然と、新聞を見やりました。

中村吉右衛門、とベルナルト・ハイティンクの死亡記事です。

人間国宝の立ち役として、代役の不可能な方でした。
時に天を衝くやうな大見得を切り、時に市井の世界の洒脱な振る舞ひを見せ、余人代へがたい方でした。
残念ながら、実演を見に行ったことはありませんが、TVやYouTubeでは、かなりの作品を見させていただきました。
小生、歌舞伎は河竹黙阿弥の作品を中心に見てゐるのですが、
豪快な悪党のさまに、まさに、ほれぼれといたします。

OGPイメージ

弁天娘女男白浪 「稲瀬川勢揃いの場」2

youtube#video

 

最後の口上の南郷力丸役が中村吉右衛門です。

ちなみに、小生の憧れの”高齢者”は、日本では、中村吉右衛門、
海外の俳優では、ショーン・コネリーとロバート・デ・ニーロ。
見た目の風貌などは些末なことで、TVやスクリーンやYoutubeにて一瞬出てきたときに、
数十年の人生の歓びと悔恨との過去をフラッシュバックさせるやうな、圧倒的な存在感を見せつけられ、
いつも、そんなジジイになりたい―、と思ってゐます。

汗顔ながら、小生の河竹黙阿弥愛は強く、過去のブログにも何度か書いてをりました。

こちら-1 
こちら-2
こちら-3


そして、ベルナルト・ハイティンク。
在京のころ、上野の文化会館で彼の演奏に出逢ひました。
当時の、アムステルダム・コンセルトヘボウのオーケストラを率いてです。
その時は、さして強烈な印象とてなかったのですが、その前後から妙に彼のファンになってゐて、
おそらくは、その愚直な処し方を好いてゐたのでせう。

確か、30歳過ぎでこの名門オーケストラの首席指揮者に就任し、
けれど、屈辱感にも巨匠オイゲン・ヨッフムを後見人付きにした体制でした。
その頃からの録音も多数聴いてゐますが、確かに可もなく不可もなし、といったものが多いです。

音楽にすごみが出てきたのはそんなに昔ではないと小生は思ひます。
BeethovenとBrahmsの、ともに再録音の全集を聞いてからあたりでせうかー。
相変はらず派手さはありませんが、ほかに何が必要ですか?と微笑んでゐるやうな演奏に終始してゐます。

師走ですので、近年彼が演奏した第九の模様を附けました。

OGPイメージ

Beethoven: Symphony no. 9 in D minor, op. 125 | Bernard Haitink

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Beethoven: Symphony no. 9 in D minor, op. 125

Symphonieorchester ...

youtube#video

 







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