石ころ

試される時②(ヨハネの福音書6章)

 

「ここに、大麦のパン五つと、魚二匹を持っている少年がいます。でも、こんなに大勢の人々では、それが何になるでしょう。」
イエスは言われた。「人々を座らせなさい。」その場所には草がたくさんあったので、男たちは座った。その数はおよそ五千人であった。(9~10)

 

「何になるでしょう」という問いに対して、イエスはその場の全員を座らせるように命じた。主の御前に静まって座ることこそ、恵みを受けるために覚えておくことであり、事の重大さや数が問題ではなく、それは主を経験する舞台装置のようなものに過ぎない。

キリスト者は卑近な事柄にも、御前に静まって主に聴かなければみこころを知ることはなく、御名をほめたたえるまでに至らない。その不自由さに聖霊の助けをたまわっているのだ。

 

そうして、イエスはパンを取り、感謝の祈りをささげてから、座っている人たちに分け与えられた。魚も同じようにして、彼らが望むだけ与えられた。(11)

 

イエスは、主に在る生き方を示してくださる。主に信頼して御前に座り、信頼してすべての必要を打ち明ける。そうして、神が準備してくださったものを分かち合って楽しむのである。


豊かな主の恵みの分かち合いは主を賛美して褒めたたえる時であり、それは天国の前味わい、主の宴会に招かれているようである。

 

たまわった物が空腹を満たすだけ恵みを貪るだけなら、主は消費して終わりのパン屋さんであり、限りある命を養うに過ぎない。感謝も感動も腹を満たすだけで終わるなら、恵みも奇跡もザルに水を汲むようなもの。

 

彼らが十分食べたとき、イエスは弟子たちに言われた。「一つも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい。」
そこで彼らが集めると、大麦のパン五つを食べて余ったパン切れで、十二のかごがいっぱいになった。(12~13)

 

イエスは残りを「一つも無駄にならないように」と注意された。豊かに施す神が残ったパンを惜しまれたのではない。それは、神の豊かさを覚えるための視覚教材なのである。聖書を読んでいる者も記事を記憶して、主の豊かさの中に安息するためである。

 

信仰に入って間もない頃、ある牧師さんが「生かさず殺さずの給金を頂いて・・」と話され会場に笑いが起こった。私は素直に笑えなかった。

天地創造の神に養われている方が、軽口にしても講壇で話されたことに驚いたのだ。給金に不満があれば彼は主に願うべきである。主が満たしてくださることを経験していないのか、しかし、彼は少しも貧しそうには見えなかった。

 

みことばを幼子のように受け入れるなら、主の豊かさと細やかなお憐みのストーリィが、日々に霊の倉に貯えられて行く。世の思い煩いをもたらせるサタンの脅しが来た時も、おじ惑ってわめくことなく、人に己の憐れを吹聴して助けを求める必要もない。

ただ、祝福を受けるために御前に座れば良い。みことばは主が良い方で、ご真実な方であることを繰り返し教えている。ひとり子をもたまわるほどに愛してくださったではないか。

 

人々はイエスがなさったしるしを見て、「まことにこの方こそ、世に来られるはずの預言者だ」と言った。
イエスは、人々がやって来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、再びただ一人で山に退かれた。(14~15)

 

人はペテロが躓いたように、イエスが王として来られたお方ではないことに躓くのである。完全な人であり神であるイエスは、王として来られたのではなく、王に成るために来られたのでもなかった。

 

ご自身が創造された人を愛おしんで、その罪を負うために鞭打たれ人々から嘲りを受けて辱められ、十字架で死ぬために来られたのである。

墓に葬むられ三日目によみがえり、十字架のあがないを信じた罪人を、ご自身の復活によって滅びの死から救い出し、天に昇って神の右の座に着かれた。主はやがてすべての裁きをなさるために、今度こそ真の王として来られる。

 

十字架に向かわれる地上の日々に、イエスはひとり山に退いて御父に静まり、お交わりの時を持っておられた。みこころを成す力を受け、慰めを受けて十字架に向かってくださり、今、キリストを信じる私たちに、神と共に在る永遠を備えてくださった。


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