イノグレの百合物一般作の「Flowers」オールクリア完了したので感想。作品内容としては、硬派な百合物かつ日常の謎系ミステリー。発売前情報では一般作で人も死ぬような事件もおこらないしライターもよく分からない方だったので、イノグレといえばどこか美しく上品にも感じるグロ猟奇描写やエロなしにどうなるか不安でしたが終わってみればいつもの雰囲気ゲーとしては高レベルのイノグレ。各キャラクターも魅力的だしシナリオもAAAクラスとはいかないものの十分及第点。そしてやはりこのBGMとCGが最高に素晴らしくこのゲームの雰囲気にマッチしていて、百合に少しなりとも興味があればなかなか楽しめます。てかマユリルートの下の場面でもうおらwktkしてきたぞ！
百合は嫌いじゃないですがそんなに詳しくない自分でも製作者が百合にこだわりがあるんだろうなという様式美みたいなのが感じられます。萌え主体でなく古きよき百合なのが良いです。そのぶんイチャイチャしたりとかの要素は薄めで人間関係の葛藤とかを描いてるシーンが多いです。主人公の蘇芳は内向的におとなしくこの手のキャラはプレイしていてイライラしてしまうときがあるのですがこの作品については全くありませんでした。てか登場人物で一番魅力的なのが蘇芳タソprpr。内気で控えめながら世間ずれした天然さで楽しませてくれたり、女子と密着するたびにちょとHな気分に毎回なってしまうムッツリな蘇芳にニヤニヤしっぱなしでした。推理シーンでは人間ウィキペディアとも思える博学さでしっかり主人公らしいく活躍して仲間の窮地を救うあたりも好感度アップ。
予想よりずっといい作品だったけど、いくつか気になる点もありトータルではちょっと惜しいなという感じ。
まずマユリルートのラストのあの終わり方は続編に引っ張るレイニー止めなの？それともマユリ関係は今回で終了であえてぼかして余韻を残して終わってるの？続編の夏編は車椅子の少女がメイン視点になるらしいから後者なんだろうけど、ストーリーの主体となる部分は1作品内できちんとある程度区切りをつけてまとめて欲しい。悪くない作品だったけどこれであと夏秋冬3作引っ張るのは正直きつい気がする。マユリラストについては、作中からおおよその背景は想像つくけどまるでバッドエンドぽい唐突なぶつぎり方で別れの余韻とかがあんまり感じられなかった。もっとやり方があったじゃないって感じ。個人的には別にハッピーエンドじゃなくてもいいし、あのようなラストは結構好きなんだけど、うまく描けばもっと切なく印象に残るエンドに出来たはず。あと立花ルートがマユリルート後に開放されるんだけど完全オマケレベルの内容。多分製作者がやりたかった内容はマユリルートなんだろうなというのが良く分かる。それと選択肢が結構存在してるのだけど、どれを選んでもその後に主人公がとる行動が同じ場面が多すぎてうんざりする。システム的には好感度管理とかになるんだろうけどこれなら余計な選択肢はいらなかったと思う。イノグレはクロウカシスとか殻シリーズとかみても選択肢とかフラグ管理のゲームシステムに関してはセンスがあまりないと思うので、いっそのことフラグ管理とかなしでルート分岐選択肢と推理シーンの選択のみでもういいんじゃないかと思う。
いろいろ惜しいなと思う点を挙げたけど雰囲気ゲーとしては十分楽しめたので夏がでるなら購入すると思います。
