谷藤綾香のテューバ日記

岩手県在住のテューバ奏者、谷藤綾香の演奏活動についてです。

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場所によって変わる

2012年11月20日 02時48分43秒 | 音楽
様々な場所で演奏してきた私ですが、先日、テューバ人生最大の難所に当たりました。

残響3秒。

倍音をたくさん持っていて、どこに音を当てるかが、かなりデリケートなテューバという楽器…。
時差が激しすぎて、どの角度で吹いても全く効果ナシ。

テューバの楽譜が1つもなかったこの本番は、半年近くかかってアーティキュレーシュンを考えて、万全の体勢で望みました。
しかし、そのほとんどは全く役に立たず。
いろいろ試しながら、録音を何度も聞き、『こんなに短く吹いて大丈夫?』位で丁度良い。
特にアクセントの吹き方は今までやったことのない奏法でした。
音の長さは常に半分。
ほどよく聞こえるよう急遽書き換えた箇所もありました。

共演した方々に多大なる迷惑をかけ、本当に申し訳なく思っております。
しかし、さすが皆さんプロ。
ぐるっと回る、私の出す時差アリアリの音に徐々に慣れていただいて、聞いている方にはしっかりとしたアンサンブルをお届けできました。

文章の最初に、「テューバ人生最大の難所」と言いましたが、もしかしたら今までもこんな環境があったのかもしれない。
しかし、今までは持っていなかった、会場の特徴を瞬時に判断し、それに対応できるだけのスキルが身についていたってことなのかもしれないと、後になって思いました。

昨年末からの1年間で、たくさんの過酷ともいえる場所や環境で演奏してきたことは、ちゃんと自分のモノになっている、と実感した出来事でした。
その間、共演している方々の時間を頂戴し、ご迷惑をかけ、大変申し訳ない気持ちでいっぱい。
音楽の仲間は本当にありがたい。
昨年末からご共演いただいたみなさま、不器用な私を暖かく見守っていただき、本当にありがとうございます。


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