谷藤綾香のテューバ日記

岩手県在住のテューバ奏者、谷藤綾香の演奏活動についてです。

★ 最新記事は演奏会のお知らせ記事の下にあります♪ ★

両足骨折から学んだこと(大学時代)

2006年06月19日 23時45分21秒 | Weblog
先日伺ったとある学校に、腕を骨折して、1ヶ月ほど楽器を吹いていないという子がいた。
そのとき、大学時代の骨折経験を思い出した。

私は大学4年の時に左足骨折、右足重い捻挫(医者には骨折みたいなものだと曖昧な診断を受けた)という、両足負傷をした。
私は、腕に数珠をしている。
決してファッションではない。お守りみたいなものだ。
骨折前日、その数珠が切れた。
なんか嫌な予感がするなとは思っていた。
その日は、友達と大ケンカするし、終電は逃すし、チャリで友達と2人二人乗りしてこけたりで最低だった。
その日は友達のお宅に泊めてもらった。

私は体のことを考えずに高いところから飛び降りる癖がある。
翌朝、なぜかベッドから飛び降りた。
着地失敗…。
全治1ヶ月の両足負傷となった。
数珠の呪いは恐ろしい。

頑張って実家の岩手に帰ろうかと考えた。
しかし、2日後は金管5重奏の仕事が入っていた。
しかも、この1ヶ月は大きな本番がやけに多く、定かではないが6回くらいあった気がする。
どう考えても帰ることはできなかった。

トップの画像が本番前の音だしをしている姿だ。
友達がおもしろがって撮ってくれたものだ。
演奏中はステージに段差があって車椅子使用不可。
はじめはステージを這って移動していたが、五重奏の仲間から怒られてしまった。


これが本番終了後。
ちなみに、赤い服の男の子は、クラもファゴットも吹ける超すごい子だ。
自分、とてもニコニコしているが、実は痛くて仕方がなかった。
本番中も意識が半分で吹いていた。
誰も信じてはくれなかったが…。


この体験から学んだことは、『遠い親戚より近くの他人』ということ。
本当に沢山の方に支えられていることを実感した。
他愛もないことで感動して泣きそうになってしまったことがしばしば。
特にも五重奏の仲間やテューバの後輩には今でも感謝の気持ちは薄れない。

これも感動のひとつ。
江古田駅という大学の近くの駅なのだか、ここにはエレベーターがない。
だから、このようなちょっぴり恥かしい昇降機に乗せられる。
江古田駅の駅員さんは明らかにめんどくさいこの作業を笑顔でやってくださった。
江古田駅の隣の桜台駅の駅員さんも超よい方でした。


学んだこと2つめ。
私たちのように普通に歩けるところでも障害のある方には非常に苦だってこと。
とくに大学。(現在は新築中)
エレベーターは入り口が狭くて入れない。
やたら意味のない段差や坂が多い。
4階まではなるべく人のいない階段を使って、這って上り下りしていた。

江古田駅は良い駅員さんだったが、エレベーターのある当時の自宅近くの駅、H駅は駅員が最低だった。
障害のある方にもあんな態度なのだろうか。
人間として信じられない。

その人の立場に立って考える。
言うのは簡単だが、なかなか難しい。
意識して考えるようになったのはこのときからだったように思う。
まだまだだけど…。


3つめは、楽器吹きは手を大切にしようということ。
足は誰かに助けてもらったり、金を使ったり、最悪手で代用したりしてなんとかなるが、楽器を吹くときに使う手に代わりはない。
怪我をしたのが手じゃなくて本当によかったと思った。
数珠が手の怪我から足の怪我に移してくれたのかも 笑





最新の画像もっと見る