サロン・ド・ハモ-ブログ館

ゴールデンハムスター大好き主婦のハムスター成長日記です。ふくちゃんの毎日をかわいい写真とともにお届けします。

青が散る(宮本輝著)

2013年11月04日 08時55分15秒 | 本と雑誌

テニスに打ち込む大学生の青春物語、と書いてしまえば一言で終わってしまうが、優れたドラマほどストーリーはいたって単純だ。単純なストーリーの中に、狙いすぎない自然な感動が詰まっていた。印象的なのが王道と覇道の違い。宮本輝は最後には王道に軍配をあげたが、私は覇道を行きたいと思った。インカレで実力の離れた相手に負けるが、実社会でも越えられない限界はたくさんあるのでそれはとてもよく理解できた。ただ負けるのではなく、負ける中にもどれだけ自分の試合ができたか、そういう教訓は人生のあらゆる場面で活かされる。また、関西のいろいろな土地の描写が美しく、筆者が本当にこの地を愛していることがわかった。私は関西嫌いを自覚していたが、この本を読んでると、美しいところがたくさんありそうなので認識が少し変わった。この本に登場してくる土地めぐりをしてみたくなった。ちなみに、テレビドラマでは清純派の祐子役を川上麻衣子が演じていたらしい。川上麻衣子は、今見ている「天国の恋」という昼ドラでド派手のおばちゃん役だが、昔は清純派アイドルだったんだろうか。

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