私にとって秋田は
1990年代前半に船乗りをしていた頃
タンカーで秋田火力発電所の岸壁に着岸している間に
駅前まで買い出しに出た時が最初で
その次が、たしか2007年のある日
青森県の八戸にほぼ隔月ペースで出張していた時期に
いつも売り切れで乗ることのできなかった
夜行寝台列車”日本海”の個室寝台に空席があるのをみつけ
八戸から盛岡で秋田新幹線に乗り換えて
秋田駅で寝台列車に飛び乗った時の二度しか訪れたことがなく
どちらも秋田の事をほとんど知る余裕もない素通りだったのですが
ある日テレビ番組の”ドキュメント72時間”で
2015年放送の【秋田・真冬の自販機の前で】を視聴して
いつか必ず行ってみたいとの思いに駆られ
更に2017年に観た
大好きな火野正平さんの”にっぽん縦断こころ旅”2017年春の旅で
手紙の内容が心の琴線に触れた”651日目:北秋田市小猿部川と八幡神社”に
絶対に行ってやるぞ と決意したのですが・・・
日本全国津々浦々渡り歩いている人生ながら
山形、秋田は何故か縁遠く
恋焦がれながら、どうにも訪れる機会がなく
今年も夢のままで終わっちゃうのかな
と半ば諦めかけていた2020年9月のある日
宮城県塩釜の造船所からの仕事の依頼があり
よっしゃこれも神様の思し召しだろうと
いつもながら自分にいいように勝手に解釈して
仕事を終えてから秋田に向かうことを決めたのですが
(縁遠い東北は距離感がないため、塩釜から秋田なんてすぐ近くだろうと錯覚)
Googleで塩釜からの経路を探してみると結構距離があって
仙台まで戻ってから秋田新幹線で秋田に出て
奥羽本線で鷹ノ巣駅に行くか
東北新幹線で盛岡に出てからバスで大舘に行き
奥羽本線で鷹ノ巣
でも新幹線じゃああまりに味気ないなぁ。。。 と
地図を見ながらルートを探してみると
鷹ノ巣へは秋田内陸鉄道でも行けることを知り
始発の角館を目指して 仙台から大曲行きの高速バスに飛び乗りました
コロナ禍もあってか
乗客はたったの5名ほど
そのうえ、他の乗客はみな横手で下車してしまい
大曲まで残っていたのは自分ひとりでした
バスターミナル周辺には人っ子一人もおらず
しながら駅を探し
あきたびじん
のポスターを眺めながら期待に胸躍らせて(←ウソコケ)
改札口に向かうと・・・
覚悟していたものの なんせ本数が少なく
そのうえ交通系ICカードが使えないのにビックリ
雪国特有の性に開放的そうな高校生カップルの
ガラガラの車内での怪しげな動きに気を取られつつ(←またまたウソコケ)
田沢湖行の普通電車でようやく角館に到着
仙台からの所要時間は、なんと4時間半でしたぁ~
駅構内の売店もなく、駅前も食堂はおろかコンビニもなく
駅に隣接したホテルにチェックインして早寝することに
↓
(といいながらバスの車中でロング缶2本とおつまみ食べてたんですけどね)
翌朝は早起きして 角館を散策
鷹ノ巣駅に到着してから正平さんの食べてた”冷やし中華”を食べようと
9:50発のディーゼル車に乗り込みました
この秋田内陸鉄道
ただのローカル線と思っていたら
観光鉄道と知ってビックリ
景色もそこそこ楽しめて良かったですよぉ~
平日だったこともありシニアのたぶん県内の乗客で賑わっていましたが
ほとんどが”一日乗り放題券”らしく、途中の阿仁合駅で
車掌さんから『お昼を食べるならココしかないですよ』みたいな説明を聞いて
ほとんどの遊興客がゾロゾロと下車
そんなこんなな状況(?)もありましたが
角館から2時間半かけて無事鷹ノ巣駅に到着
こころ旅を思い出しながら
駅前商店街で冷やし中華を出してそうな店を探し歩いたのですが
一軒の中華料理屋さんでは
『県外からのお客様・帰省中のお客様の入店はご遠慮くださいますようお願いいたします』だって
仕方なくトボトボと歩いていたところ
一軒の喫茶店に”冷やし中華”と書いてあったため
注文してみたのですが・・・
正平さんが食べていたのとは完全に別物
駅にも、駅前の観光案内書にも荷物を預けるコインロッカーもなく
レンササイクルはおろか、レンタカー会社もなく
とぼとぼと小猿部川に向かって歩いていたところ
正平さんが食後にサインをねだられてた場所を発見
その場所にあったのが冷やし中華を食べてたお店でした~
正平さんが訪れたのを観てたことを話し
また後で来ますからと荷物を預けようかと思いつつ
まあ、これも運命だったんだろうと諦めて
重いキャリーバックをズルズルとひきずりながら
自転車が走った風景を探しながら川堤を歩き
ようやく八幡神社に到着
途中砂利道がほとんどだったため
仕方なく大型キャリーバックを背負って歩いたのですが
なんせ残暑の厳しい9月上旬のこと
背中から伝った汗💦がカバンの中まで濡らしちゃってました
ようやく目的地に到着して
また歩いて鷹ノ巣駅まで戻るのはキツイよなぁ~と
Googleでルート検索してみると
歩いて8分ほどの場所にバス停があり
14:30のバスがあるとのこと(この時14:25)
田舎のバスは基本遅れるものだろうと
期待を抱いて走ってバス停を目指したのですが
待てど暮らせどバスは来ず(やはり乗り遅れてました)
また諦めてトボトボと往路とは違うルートで駅に向かったものの
ラーメン屋さんは午後の休憩中
再開する午後5時まで時間潰ししようと
循環バスでイオンモールに行き
フードコートで水分補給しながら身体を休め
また循環バスに乗り
ようやくラーメン屋に到着
お店で正平さんの事を話すと
喜んで『ココに座ってたのさ』と勧められ
念願の冷やし中華をいただきましたぁ~
当初は、この日は駅前のローカルなビジネスホテルに泊まって
きりたんぽや秋田の郷土料理を楽しもうと思っていたのですが
コロナ禍で県外のお客だと断られるかもしれないし楽しめないなと諦め
秋田駅前のホテルを予約して向かうことにしたのですが・・・
本数も少ないうえに、夜間は駅員さんもいないような駅で
これはやばいなと
商店街に戻って夜食とオツマミを買い込み
鷹ノ巣から1時間半かけて秋田駅に到着
コンビニで日本酒と缶ビールを買い込んで
狭いホテルの部屋のお風呂で汗を流し、テレビのローカル番組を観ながら
晩酌をすませ就寝
因みにこの日歩いた距離は16.9キロでした
翌日は、駅ビルのフードコートで名物の比内鶏の親子丼を食べてから
路線バスで秋田港に向かい
ドキュメント72時間のうどんの自販機を見つけ
念願叶って 久しぶりに昭和の自販機のうどんをオヤツにしたのですが・・・
すっかり地元では有名な観光名所になっていて
休日だったのもあって親子連れも多く大混雑していて
ちょっとガッカリ
そのうえ、隣の道の駅ではお土産用の真空パックや飴まであるんだもんなぁ~
ちょっと興醒めしてしまったものの
諦めきれずにポートタワーの展望台にのぼり以前あった店の跡地を眺め
肩を落としながら
近くの新日本海フェリーの乗り場に向かい
翌日の敦賀行のチケットを購入しホテルに戻りました。。。
残るは秋田の繁華街(歓楽街?)【川反通り】
”あきたこまち”を探しながら楽しむぞぉ~と
気合を入れて向かったのですが・・・
コロナで自粛して休業している店だらけ
隅から隅まで歩き回り
『ココも休んでるのかぁ』とわが身の不運を呪いながら
ようやく見つけた一軒の古そうな店
コロナ禍でほとんどお客がいないようで
活気のない店主と会話を交わしながら
イブリガッコとハタハタ、”みず”のお浸しで日本酒を堪能してから
きりたんぽでシメて大満足
雪国の情の深いあきたこまちを探そうかと歓楽街を徘徊するも
心惹かれそうなレトロなお店は休業中ばかり
翌日は、始発の5時台のバスでフェリー乗り場に行かなければいけないんだと
己に言い聞かせ トボトボとホテルに戻りました。。。
翌朝寝過ごすことなく無事始発のバスに乗り
新日本海フェリーの苫小牧発、秋田・新潟経由敦賀行のフェリーに乗船
舞鶴や敦賀と小樽・苫小牧の航路では
陸から離れすぎていて全く見られない鳥海山も眺められて
良かったですヨ~
残念ながらパブリックスペースはコロナ禍で使えませんでしたが
20年ぶりに新潟港も眺められ
少し年季の入った船でしたが
ガラガラの船内でのんびり過ごすことができ
翌朝5:30に下船して
なんと5:59発の湖西線に乗ることができ
8:30には奈良の会社の事務所に到着
次回は、マタギの勉強を兼ねて
雪深い真冬かクマヤマの時期に行きたいなぁ
いや~楽しかったなぁ~
また行こっと