ZENJIN

  「いのち」を輝かそう!

メッセージ そして、愛が残る

2011-09-05 | シネマdeダキニ

生きることと死ぬことと。死を迎える人を見守るターミナルケアをする人は、このメッセンジャーかもしれない。人の死を予見することができるとは、人の命にどれだけ関心があるかということでもある。この作品には死ぬ直前、人は光を放つという瞬間がとても美しく描かれている。死を宣告されたもの、死が確実に忍び寄っている状況で、人のこころはいかに移り変わっていくのか・・・エリザベス・キューブラーロスの「死の瞬間」の映像化とまではいかないが、何かその世界観を思い出させてくれる。死を知らされたものは、第一段階としてまず死を否認し孤立する。当然である。第二段階として怒り、戦う。自分の運命を呪い、なぜ私だけがこんなことになるのかと。第三段階で、やがて取引きを試みるようになる。神様お願いだから助けてください。二度と悪いことはしませんから・・・第四段階に抑鬱が襲う。無気力さ、喪失感。失うことの辛さを味わうという。そうして第五段階の受容を迎える。運命を受け入れるのだ。こうした人のこころや感情の変化を、ただただ見守り、光をおくり続け、ともに静かに寄り添っていこうとする愛の人がターミナルケア、ホスピスの役目を担っている。そひとこそメッセンジャー、死を直視し、受け入れ、愛をもって看取る人なのだ。



カードメッセージ
【7番クリメーショングランド】
死に行く命に執着することは、死を恐れ拒むこと。いずれ、すべての人は肉体と言うさなぎを脱ぎ旅立つ。諸行無常。この世で唯一、変わらないことは、すべてが移り変わるということ。
【19番フェニックス】再生のために一度死ぬ。その苦しき状況、閉ざされたこころを蘇らせるためには、一旦、何かを燃やしてしまわなければならない。赦してもらうためには、まず自分が赦せぬという感情を捨てなければならない。自分の生をを愛せたとき、人の生をも慈しむことができる。
【59番パールズビフォアスワイン】ほら、あなたの一番たいせつなことは、いま目の前にあることだよ。その喧嘩してる人だって、怒られてる人だって、そっと肩をなでている人だって、抱きしめて抱擁する愛する人だって、みんな同じ。あなたが今世、触れ合いを体験することを選択してきた人なんだ。他をキョロキョロ探す必要はない。あっちこっちに聞きにいく必要がない。だって、みんなすでにあなたのそばにあり、あなたがもともと持っていたものなんだから。


メッセージ~そして、愛が残る~
監督 ジル・ブルドス 
製作総指揮 クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル
原作 ギヨーム・ミュッソ 
脚本 ジル・ブルドス 、ミシェル・スピノザ
解説: 「時空を超えて」などの小説で有名な、ギヨーム・ミュッソのベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。息子の死をきっかけにばらばらになっていた家族が、人の死を予見できる能力を持つ医師との出会いによって再生するまでを追う。心を閉ざした主人公に『PARIS(パリ)』のロマン・デュリス。彼の妻に『ハート・ロッカー』のエヴァンジェリン・リリー、謎めいた医師を、ベテランのジョン・マルコヴィッチが熱演する。美しい映像と共に描かれる、悲しくも切ないクライマックスに涙する。

あらすじ: ニューヨークの法律事務所に勤めるネイサン(ロマン・デュリス)は、ある日突然幼い息子を亡くすという悲劇に見舞われる。彼はその事実に耐えられず、妻(エヴァンジェリン・リリー)や娘(サラ・ウェイスグラス)と離れて仕事に没頭していた。そんな彼のもとに、セントルイス病院の医局長ジョセフ(ジョン・マルコヴィッチ)が訪れる。



最新の画像もっと見る