竜神の爪あとと呼ばれる痛々しい傷跡。それがライトニング・クリスタルの顔ともいうべきものだ。天からの強烈な一撃をくらう。それでもへこたれない強靭なボディ。これが雷水晶の醍醐味である。どんな状況におかれても、絶対に折れない、へこたれない、負けない!そんな叫びが聞こえてきそうである。
実際、この石を手にするならば、電気的なピリッとしたショックとともに丹田あたりに熱いエールのメッセージが送り込まれてくるようだ。「そんなことで、凹んでんじゃね~!」とでも言いたげにクールな傷跡を光らせて笑っている。
しかも、こいつはリペア・クォーツときた。
一旦、強烈な破壊力でボキッと折れたのだ。しかし、幾千万年かけ、再びくっつき再生してしまったのだ。表面は荒々しい傷跡、さらに分断されたボディを合体させるこの強靭な魂はなんなんだ!そう感嘆せずにはおれないスーパーストーンである。
石には意志があると、よく駄洒落のように言うが、まさしくこいつを見ると、強靭な意志があるとしか思いようのない渾然とした証拠が刻まれているのだ。
ダキニカード
32番シヴァ:アストラルライトの到来。天啓である。古きを終わらせ、新しき一歩を踏み出せ。自分の中の暗黒の質を燃やし尽くすことが起こる。大波にも消されぬ情熱の炎をともし続けよ。
39番サーペントパワー:クンダリーニ・エネルギーの昇華。突き上げる情熱のサポートがある。動け、今なら大いなる何かのサポートが得られるであろう。
41番ハイテンション:エゴを直撃、雷電。頭で考える、あーでもないこーでもないのマインドを停止せよ。考えるな。丹田で感じるのだ。身体で感じるのだ。
ライトニングクォーツとは、ブラジルのミナスジェライス州で採掘される、独特の傷跡を持つ水晶で、フラッシュ・ストーンとも、現地では「Pedra de Raio (ペドラ・デ・ハイオ、”稲妻の石”)」とも呼ばれている。
ミナスジェライス州でも Espinhaco(エスピニャッソ)層群に属するColluvial (コルヴァイル)鉱床から産出するものだけがライトニングクォーツと言われる。
このコルヴァイル鉱床は珪岩の地層で、この地層を覆う砂岩が絶妙に水分を含んでいていたため、落雷の電流が鉱床の中の水晶に伝わり、同時に地層が水晶を包んで守っために水晶自体が破裂して破損することなく落雷(電流)の痕を残した。つまり、雷水晶はいくつもの条件が巧みに重なり合って生まれた水晶なのです。
しかも、この落雷の部分は、水晶が瞬時に高温(573℃以上)になったため、クリストバライトという鉱物に変化するそう。表面が磨りガラスのように半透明になっているのは、このクリストバライトによるものだということである。(クリストバライトは、テクタイトの一種であるリビアングラスの中の小さな白いつぶつぶとしても見られる)