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高信頼社会

2020年10月12日 | リスニング

今年の6月に麻生太郎財務大臣は、日本の新型コロナウイルス感染死亡者数が少ないのは「国民の民度のレベルが違う」と発言し、それが国内外で問題視されました。さらに、英語学習者の中で、民度を英語でどのように表現するか少し話題になったようです。

英字新聞や海外ウェブサイトでは、higher level of social mannersと表現したり、higher cultural standardという見出しを使っていたようです。広辞苑では「人民の生活や文化の程度」と定義しているので、Japan has higher standards of living and culture. と言えるかもしれません。

ヨーロッパ諸国と比べると日本の死亡数は低いのですが、アジア諸国と比べるとそれほど自慢できる数字ではありません。6月4日の人口100万人あたりの死亡者数は日本は7人、韓国は5人、マレーシアでは3人でした。10月12日現在で日本は13人、韓国は8人、マレーシアは5人、中国では3人です。

ヨーロッパ諸国は死亡者数が高いですが、イギリス、フランス、ドイツの「人民の生活や文化の程度」は決して低くありません。民度の高低で説明するのは無理があります。

 

さて、イギリスの新聞「The Economist」の最新号に「Land of the mask-free: The real lessons from Sweden's approach to covid-19」という記事がありました。そこでSweden is a high-trust societyという文があり、私は「これだ!」と思いました。

日本もhigh-trust societyです。日本はほぼ単一民族で構成され、移民の数が少なく、近所同士の信頼が比較的強いと思います。大地震が起こっても暴動や略奪は極めて稀で、COVID-19 pandemicにおいても政府が厳格な都市封鎖を宣言しなくても「外出自粛をお願い」すれば大多数の国民はそれに従います。だから、coercion(lockdown)がなくてもself-policingで対応できるのだと思います。

それ以外に、遺伝的特性、生活習慣、核家族優位、社会制度、医療保険制度など、様々な要因があると思いますが。

いずれにしても、higher and lower cultural standardsというより、high-trust and low-trust societiesという見方が的を得ているように感じました。

それはそうと、感染者数の減少傾向が鈍くなってきました。これから寒くなると第三波が来そうな気配です。心配だなー。


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