囲碁日記:明日への一打

囲碁上達を夢見る一アマチュアの日記です。

流水不争先の名局

2015年05月03日 17時31分57秒 | 棋譜(プロ)
ロッテこども囲碁大会の引率で市ヶ谷に行ったとき、保護者控え席で待っている間、高川格二十二世本因坊の碁を並べた。

中山典之七段の「昭和囲碁風雲録(下)」に掲載されている第七期本因坊戦挑戦手合第四局、先番は八段本因坊昭宇、白番は七段高川格(段位はともに当時)。
「高川七段、二勝一敗のあとを受けて、自ら白番の名局と評した碁である。」と書かれている。白24まで左下は実利と厚みの分かれだが、黒25と大場を占められると、私だったら勝てる気がしない。左下と右上の黒が大きく感じる。

黒10は「気合のハネ出し」だが、白は11、13と「受け流して流水不争先の構え」とあり、黒10は11に「コスんでゆっくり打つ方が良かったか」との橋本本因坊の局後の感想が紹介されている。

白1、3と攻めては「黒が楽観できない局面と高川、後日の自評」と書かれている。白41と「ノビ切ってはすべてが決した感があると高川。この手に回って勝利を確信したと述べている」とのことである。あっという間に真ん中にぽっかり白地が出現した感があるが、高川七段には想定の範囲だったのだろうか。

「本局は、厚みにモノを言わせて寄り付いた高川白番の傑作とされている。」そうである。無理のない自然な流れで打ち進めつつ、左辺の白模様に黒を入ってこさせ、攻めて優勢を築いた白の打ちまわしは素晴らしいと思った。
こういう碁には憧れるが、真似ようと思っても相当難易度は高い(プロの碁だから当たり前だが)。模様を作るのは簡単だが、まず模様を囲って地にしようとするし、模様に入られるたときに得を図るような攻めができない。

棋譜再生
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月2日(土):ロッテこども... | トップ | 5月4日(月):六本木散歩(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

棋譜(プロ)」カテゴリの最新記事