鈍色宝物~喫茶ワット~

日記や詩。過去に書いた記録。

短劇

2011年06月01日 18時31分14秒 | 
いつも行ってる図書館で、坂木司の本を特集していたので「短劇」を借りて読んだ。

坂木司、、、は、ご存知ない方も多いかもしれない。
そもそも自分がこの作家を知ったきっかけはみでさんで。
彼女が貸してくれた「青空の卵」、内容は引きこもり探偵が親友とともに事件を解決するものだった。
どちらかというと、青少年が読む本の部類に入りそうな軽い推理もので、
あまりグロテスクな描写やシーンがなく、事件もあまり深刻ではない。
でも一話一話、人の心の機微を見事に捕らえていて、そういうところに著者の繊細な部分が窺われる気がする。

で、この「短劇」だが。
ほんの10~20ページくらいの内容の短編がギッシリつまっていて、
内容は日常のちょっとした中での出来事。
ほのぼのする話、不思議な話、心理的恐怖、事件、オカルトめいたものなど・・・かなり様々だ。
だが、なんとなく終盤に差し掛かるに従い、ダークな内容になってく気がした(--;
そのことはあとがきで作者も言っていたが(笑)、まったくこの人は・・・やっぱりw
という気がしましたよ(^o^;
・・ちょっとだけ、底に流れる怖さが京極夏彦の作品に似ているかもね(謎)
それと数ある作品の中に、私が非常に感動した短編があった。「幸福な密室」というのだけど・・・
それで思ったのはこの人の着眼点というか感性が凄い!ということ。
人によっては「えええ?」と思われる方も居ると思う。あくまでそれは私が感じたことだから。
ちょっと怖い内容のものもあるけれど、総じて私はよかったな、この本♪(^.^*
もっと軽く爽やかな内容を期待するなら、別なものを読んだほうがいいかもしれない(何故なら、
前述した「青空の卵」とはかなり読んだ印象というか内容が違うからだ)。
だが私には。少なくとも著者の底深い「何か」を感じた一冊だった!



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2 コメント

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Unknown (泉 りん。)
2011-06-02 00:02:49
こんばんは(^-^*
「短劇」とっても面白そうです♪
坂木司さんのこれは読んでなかったので、読むのが楽しみになりました(えっ)

引き篭もり探偵シリーズは大好きで文庫化されたほうまで揃えていたり♪殺人事件のない日常生活で起きてる不思議なことを推理し解決していく・・一見軽めのものですが・・・これもなかなか私の印象では心理の奥深さというか、嫌な面をさらけだしてるって感じなんです。
坂木くんのほうが鳥居くんに依存してるしw塚本くんと安藤さんの・・安藤さんのほうの計算高さを最後は鳥居くんが見抜いてたり・・・と、爽やかというより、暗いぞこの小説って思ってたんです。

ふふっ、だから「短劇」とっても楽しみです(^-^*
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さすがっ!! (asumi1727)
2011-06-03 11:57:39
りん。ちゃん、コメントありがとう!(^-^*

先にメールしましたけど^^;、コレ・・・
読み終わってから「あら?・・・ちょっと思ってた内容と違うかも(汗)」
って焦ったもんですから
でも、りんちゃんの言葉聞いて安心しました!(^o^*
「引きこもりシリーズ」、すいません(滝汗)りん。ちゃんの解説読んでも
主人公の子と引きこもりの彼、名前すら覚えていない・・・
しかし、「一見軽めのものだけど、これも心理の奥深さというか、嫌な面をさらけだしてるって感じ」
これは同感です!・・・
まず主人公と引きこもりの彼の関係からして、
普通の友達関係とはちょっと違った「親友」なんですよね。
互いの心の中にある「密約」のようなものって、
我々が俗に友達と呼べる人との間柄の中でも何処かに存在するものであるから。
その、・・見過ごしそうな、非常に言葉にし難い部分を
この著者は描いてるなぁと思いました。
・・・うーん(--; 
それにしてもこんなに内容を忘れているなんて、も一度借りて読むかなぁ。
でないと、りんちゃんの話についてゆけなくなる(焦!)
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