未来のための活動。

中学2年生。

本日も未来のための活動。

進路の話。

その昔、丸刈りがよく似合う元気の良いGKがいた。

サッカーに対する強烈なメンタリティで身体能力のハンデを十分にカバーして県トレにも選出されるような選手だった。

彼はうちに入団した当初からなぜだか分からないが高校は静岡県に行くと言っていた。

理由を聞いても『？』な答えだったがとにかくその熱量は熱かった。

時が流れ、彼も中3になり現実問題として進路を考える時期になった。

こちらとしてはいくつか有難い話も頂いていたので熊本県内もしくは九州内のお誘いがあった高校を本人にすすめてみた。

ただ、彼は全く興味を示さず九州を出て、静岡で勝負したいと言ってきた。

そこでまず、S県の監督、GKコーチもGK出身でJの経験をされているI東高校と大学時代の同級生がGKコーチをしているG県のG工業高校に練習参加をお願いした。

今ではなかなか難しくなったが、移動から宿泊まで全て一人でやらせた。

そういうわけで彼の単身でのチャレンジが始まるわけである。

現地でのチャレンジはなかなか刺激的だったと言っていた。

違った環境、県を代表とする強豪、レベルの違い、肌で感じたモノは15歳の少年には大きいモノだ。

チャレンジを終えて、本人から帰りの新幹線に乗る前に連絡があった。

S県のI東高校にしようと思いますと言っていたので、やっぱり入団当初から言っていたS県にするんだなーと思い、帰ってきたら色々詳細を詰めないとなと思っていたが...。

そんな彼が進学したのはG県のG工業高校だった(笑)

どうやら俺との電話をきって新幹線に乗り込んで福岡に到着する間にG工業高校に決めたらしい...。

熊本に戻ってきてから最初の練習で話をしてみたら『あれ？I東って言ってなかったっけ？』となったが本人の決意は固かった。

新幹線での数時間で彼が何をもって決断したのかは、もう随分前のことなので全く覚えていないが、その決断が今でも良かったと本人は言っていたし、全てが今に繋がっていると言っていた。

元々はダイナミックなGKスタイルを好む選手だったが、高校での3年間で論理的な思考とスマートなGKスタイルを獲得し、その後の生き方にも大きくプラスになっているのではないかな。

これまでもたくさんのOBが様々な決断の中で自分の道を切り拓いていく姿を見てきて思うのはやはり、想いの強さがその選手の行動や目つきや顔つきに出るんだなと感じる。

我々だけの物差しだけでなく、そういうサインを選手達がそれぞれで出している事に我々はしっかりと気づいてあげないといけないね。