寒村で咲くあじさい
「老後のお金の不安」をショーペンハウアーが一刀両断!
7/4(木) 10:08配信
プラトン、ニーチェ、ショーペンハウアーetc.名前を聞いただけで、頭痛が起きそうな大物哲学者たち。
でも、哲学は今や働く女性の必須教養です。
古今東西の哲学者が人生をかけて導き出した哲学を応用すれば、思考のショートカットになり、生きやすくなること間違いなし!
では、ARIA世代の悩みを大物哲学者に相談するとどうなる?
山口大学教授の小川仁志さんが、歴史上の哲学者になりきってズバリ回答。
「哲学的思考」も学べる連載第6回は、ショーペンハウアーが「老後のお金不安」に対して、「諦めること」の効用を説きます。
今回のお悩み
人生100年時代と言われています。
老後に特別ぜいたくな暮らしをしたいと思っているわけではなく、ほどほどの生活レベルが保てれば十分なのですが、定年後にまだ30年近く生きることを考えると、
経済的にやっていけるのか……どうしても不安になります。
人生100年時代。
65歳の定年まで頑張って働いたとしても、多くの人に定年後の時間が30年近くあると考えると、確かに長く感じるでしょう。
相談者は「特別ぜいたくをしたいわけではない」と言いますが、果たして「まあまあの生活レベル」とは、どのくらいの暮らしを想定しているのでしょう。
「人間の欲望は際限がない」というのがショーペンハウアーの洞察です。
そのせいで人生が苦痛になっているというのです。貯蓄が5000万円あれば「1億円欲しい」と思い、1億円あれば「3億円ぐらいは欲しい」と思う。
まさに「人は満足するたびに新しい願望を生み出していく。欲求は永遠に満たされぬまま、果てしなく続いていく」のです。
ゲスト回答者プロフィール
ショーペンハウアー(1788~1860)
ドイツの哲学者。裕福な商人の家庭に生まれ、フランス、イギリスを旅して回った。
父の死後、大学で哲学を学び、1819年に『意志と表象としての世界』を出版。ベルリン大学で講師となったが間もなく退職。
フランクフルトに移り住み、愛犬と共に暮らして72歳で生涯を閉じた。主著に『意志と表象としての世界』のほか『幸福論』など。
次回に続きます。
私心
凡人にとっては欲望は際限がない。
欲望を持ったまま、あちらの世界に多分私は逝くのでしょう。
それはそれでよいのかもね。