投資家の目線

投資家の目線530(人民元の下落)

 8月11日、中国人民銀行は人民元の中心レートの決定方式を変更した。同日の日本経済新聞によれば、「人民銀は11日から基準値を市場の前日終値などを参考に決めるとしており、より市場の実勢を反映しやすくなる」とのことである。


 次の記事によると、IMFは「為替レートを決定する上で市場の力により大きな役割が委ねられることになり、歓迎すべき措置だ」と今回の措置を歓迎している。

IMF:人民元の新たなメカニズム歓迎-SDR採用に影響なし 2015/8/12 ブルームバーグ


 今回の基準値決定方式見直しの結果、対ドルで人民元は切り下がった。人民元安は輸出に有利な面もあるが、為替レートが市場実勢に近づくことは国際機関にとっては歓迎なのだろう。中国、IMF両者の利害が一致しているといえる。


 人民元にはSDR(特別引出権)という通貨バスケットへの採用問題もある。ユーロ誕生前にはECU(欧州通貨単位)という通貨バスケットがあり、ECU建ての債券も発行されていた。主要国の通貨で構成される通貨バスケットとなるSDR建ての債券ができれば、世界債券インデックスに近い投資対象になるのではないだろうかと思う。

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・先週の円安を要因とする悪影響・値上げ発表等記事
「人手不足に伴う人件費高騰や円安による仕入れコストの上昇などで、競争力の弱い企業の淘汰が進む。」(宿泊・飲食業の梼Y増加、7月、人件費や仕入れ値上昇、全体では前年比11%減。2015/8/19 日経MJ)
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