投資家の目線

投資家の目線858(新金貨物線旅客化事業)

 葛飾区がJR新金貨物線の旅客化事業に乗り出すと報じられた(「新小岩と金町を結ぶ新路線、貨物線活用で2030年頃の区間開業目指す : 社会 : ニュース」 2022/1/8 読売新聞オンライン)。新金線の旅客化は1990年前後のバブル時代から取り沙汰されていたが、今度は本当に実現するのだろうか?旅客化には国道6号線との立体交差問題があるが、交差地点付近は6号線側に拡幅する余裕が確保されており、6号線が新金線を跨ぐ形になると思われる。

 新金線は主に新中川沿いを走るので、駅西側の市街地開発は見込みづらい。また同記事によると、「帝釈天最寄りの京成線に接続できる駅も設け、1日約4万人の利用を見込む」とされているが、新金線と京成線で最も接近する京成高砂駅でも少し離れている。京成高砂から江戸川間の連続立体高架の際、京成高砂駅を少し西側に移転させるのだろうか?

 『高齢者や障害者が利用しやすい低床の「LRT(次世代型路面電車)」型車両の採用も検討する』(同記事)とされているが、今後も貨物列車を運行するなら東急世田谷線や都営荒川線のように通常のプラットホームを作った方が安全ではないかと思う。

 以前、東京東部のマンション開発について書いたが(投資家の目線776(東京都東部の再開発) 投資家の願い)、新金線の起点である新小岩では、それに加えて約580戸の住宅を含む再開発計画(新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業|葛飾区公式サイト 、それら以外に区役所付近までの駅南北で現在6棟の共同住宅が建設中)がある。東隣の小岩でも新たに約1250戸の住宅を含む再開発計画が明らかになっている(「日刊建設工業新聞 » 南小岩七丁目地区再開発(東京都江戸川区)/延べ15・2万平米に/準備組合」 2021/5/7)。新型コロナウイルス蔓延後在宅勤務も増えているが、新金線旅客化で住宅開発が進めばJR総武線のさらなる混雑が予想される。それに関してはどのように対応するつもりなのだろう?
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