地方創生は平成の「人返し令」? 「少子化対策」は名称変更すべし
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人返し令といえば、天保の改革で水野忠邦によって行われた、江戸の治安悪化を防ぐための人口抑制と荒廃した農村の復興を目的とする政策である。人返し令に関して、「東京都の歴史」(山川出版社 駐熕ス、古泉弘、池上裕子、加藤貴、藤野敦 P288~P289)によれば、「天保十三年十一月に無宿・野非人旧里帰農令が発せられ、無宿・野非人を郷里に帰し、改心させたうえで農業や希望の職業につかせて郷里に定着させようとした。これは江戸市中の無宿・野非人の減少にかなりの成果をあげたが、一方では、無宿・野非人を送り込まれた関東各地では、かえって治安が悪化し、荒廃農村の労働力増加には結びつかなかった」とされる。これを見ると一度都市で暮らした人間は地域に愛着がわかなくなるのではないかと感じる。これなら東京の私大などには行かせず、地元進学→地元就職のルートを作ったほうが、地域に愛着を持った人によって構成される安全な地域社会ができるように思う。
内閣府の調査によれば、地方に移住してもよいと思う都市住人が20~40代で半数を超えるというが、「人返し」を行って「地方創生」になるのかは疑問だ。
『「地方移住もよい」、20~40代で半数超、内閣府調査。』2014/10/19 日本経済新聞 朝刊
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