川端誠司ブログへようこそ

シンガーソングライターです。オセロが趣味でユーチューブで選手宣誓の場面を見れます。川端三段と打ち込んでください。

「黒いサングラスのオセラー」

2022-05-21 16:43:30 | 令和のオセロ詩

「黒いサングラスのオセラー」  

 

オセロブロック大会の当日、大会会場に彼が入ってきた

「外せ、その黒いサングラスを!」と自分は心の中で叫んだ

 

そして彼はサングラスを外した

キリリとした彼の精悍な素顔が光った

 

「今年も来てくれたんだね。謎の男、ミスターエックス。

君がブロック大会に!」と私

 

ブロック大会にしか参加しない選手、ブロック大会でしか対戦ができない選手、

「ミスターエックス!」

オセロ界の謎の強豪だった

 

自分はまだ彼と対戦したことがなくいつか対戦したいと思っていたが、

なかなか自然な組み合わせの流れの中で対戦できず、

今日まで来ていた

 

今日、大会の休憩時間に彼に直接聞いてみた

「どうしてブロック大会にしか出ないんですか?」と率直に聞いた

彼は答えた

「僕は高校時代、野球部にいて甲子園をめざしていたんだよ。

でもその夢は叶わなかった。夏の甲子園予選大会で強豪校に負けたんだ。

強豪校はベンチの選手、スタンドの選手、そしてスタンドの応援の人たちが

全部ひっくるめてすごいノリで戦っていた。

とてもじゃないけど敵わなかった。

実力でも敵わなかったけども、応援でも敵わなかった。

強豪校の強さをひしひしと思い知らされたね。でも感動があったよ。

負けはしたけど。」と彼

 

「で今社会人になったけどオセロのブロック大会に出るとその頃を思い出すんだ。

だからブロック大会に出るんだよ。」と彼

 

で私はすぐにまた聞いた

「ではどうして他の大会には出ないんですか?」

すると彼はニヤリと笑い、

「まあそれはね、自分はオセロだけをやっているわけではなく、

いろいろやってるからさ。」といった

 

「オセロのブロック大会は一日制。一日で決着。そこが好きなんだ。

勝っても負けても6試合。強い選手もそれほど強くない選手も

一日がかりでたっぷりオセロを楽しめる。

そういう場なんだよ、このブロック大会は。」と彼

 

「他の大会でも6試合打てるけどブロック大会ほどの緊張感は

得られない。この緊張感の中でオセロを楽しみたいんだ。

だから僕はブロック大会をすごく重視しているんだ。」と彼

 

「それ以外の大会にも機会があれば出るさ。絶対にブロック大会に

しか出ないと決めているわけではないんで。そこらへんは柔軟に考えたい。」

と彼はいった

 

私は「どんどん大会に出て、大勢の選手と打って多くの選手を

楽しませてあげてくださいよ。」と余計なことをいったが、

彼は「うん、そうだね。できたらそうしてみたいな。」と返してくれた

 

そうして一日が終わり、彼は帰っていった

その背中を見て「本当にオーラのある選手だな。」と自分は思った

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