お客様の望みや期待に答えるのは簡単では無い。
お客様と話す時に当工房では私と妻の二人で応対する様にしている。
妻はお客様との会話でお客様がどんな要望やどんな色の花等と言った細かい事まで漏らさず記憶している。
私も勿論集中して対応しているのだが私は話さなければならないので自分の考えを相手に伝える事に神経を使っているのでお客様の希望や要望を聞き逃す事がよくある．後でデザインする時に妻がお客様がこう言っていたと教えてくれるのでとても助かる事が多い。
T氏邸のステンドグラスの時はとても時間をかけて打合せをしていたのだったがシュミレーションしたデザインをお見せしたところ気に入っていない様子で後で妻から聞いて解った事は使うガラスの好みだった！お客様は透けるタイプのガラスで作って欲しい希望だったのを私はオパールセント（あまり透けない）ガラスで考えていたのだった。
何故かと言うとデザインが具象的で森や山と言ったテーマだったからで透けるガラスで表現するのは困難な為オパールセントしか無いと思い込んだのだった。わたしはお客様が透けるガラスが希望というのは、そこまで強い要望だとは思っていなかったので最終的にデザインが良ければ納得して戴けると思っていたのだった。
そんな訳で振り出しに戻って新たにデザインする事になったのだがとても難しい事になって期待に答えられるかとても大きなプレシャーがかかった。
お客様も中国観光から戻られて美しいキュウサイコや美しい山々をみて堪能してこられたのでその湖や山を表現して欲しいという事になったのであるからさらにさらに難しいことになってしまったのだ……
気を取り直して沢山の画像データーを集めてデザインを描き直しガラスも問屋まで足を運んで探してきてシュミレーションしてお客様にお見せしたところおおむね気に入って戴けたので一安心、後は細かい所を打合せして制作する事になった。
ここまで来れば後は制作するのは時間の問題だ。
昔（シュミレーション）が出来なかったころは製作中に迷いがあって完成して見るまでは安心出来ない事が多く苦しんだものだ。
いよいよ取付に行くとステンドグラスに関心の無かったご主人が応対して下さって取付けるとご主人がとても感心して気に入って戴き趣味のカメラで写真をパチパチとって奇麗に撮れたので早速プリントアウトまでして戴いた。
本人はもとより関心の無かったご主人にも気に入って戴けた事で私たちは報われた気分で帰路についたのだった。
ステンドグラス工房ArtPlace（アートプレイス）
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