Der König Hat Eselsohren

燕子花と紅白梅@根津美術館



午前中に別用を済ませ、昼から根津美術館へ。
1駅分時間短縮になる?と思い、原宿で乗り換えようと思ったら…。
駅のホームが混雑しすぎて、改札にたどり着くまでが大変なことにf(^_^;
なにしろ、入場する方は規制までかけている。
いったいどんだけの人が原宿に来てるんだ?!

駅前も大混雑なので、たった1駅で微妙な距離でも地下鉄に乗ろうかと思ったら、今度は千代田線の改札が混雑。
結局、そのまま、交差点手前まで地下を歩き、地上へ。
とりあえず、246を超えたあたりから、混雑は緩和されたものの、何が楽しくてみんなこんなところに来てるのか?と思うよ。←お前もだよ。

そして美術館も、案の定、長蛇の列。
ただ、比較的進みが早くて、これはちょっと助かる。
しかも、敷地内に入ってからは、直射日光が当たらず、風が吹き抜けるので快適♪

さて、今回の「燕子花と紅白梅~光琳デザインの秘密」は、展示室1・2・5で行われているのだが、メインはなんと言っても展示室1「第一章 燕子花図と紅白梅図-「模様」の屏風の系譜」。
ここの展示はすべて屏風。
もちろん、今回の主役2点も。

まずは、「伊年」印の入った、すなわち宗達ゆかりの作と考えられる『四季草花図屏風』。
春夏秋冬の草花が、非常に緻密に描かれていて、実に華麗。
足下の土筆なんかもカワイイ。
背景の金箔が深い色合いをしていることもあってか、重厚感があるというか、今回は取り上げられていないが、同じ琳派でもぐっと時代を下った抱一とかだったら、もっとさらっと、軽快に描いてるよね。
これはこれで対比して観てみたいところだ。
ついでに、できれば、各々の草花についての解説も欲しい(笑)

続いて、伝 俵屋宗達筆・烏丸光広賛『蔦の細道図屏風』。
これは以前に観たときも、なんてアヴァンギャルドな!!Σ( ̄□ ̄;)と思ったものだ。
その感想は相変わらず。
さらにいうと、道の部分は金箔の上に金泥を大量に塗っているわけで、実に贅沢。

そして、尾形光琳『燕子花図屏風』。
これは以前、ここで、NYのナショナルギャラリーから里帰りした『八橋図』と並べて観ているが、改めて見ても、爽やか。
同じ形状が並ぶリズム、金、藍、緑の強烈なコントラスト。
そういえば、『蔦の細道』は、左右を逆にしても繋がるようになっている、と解説されてるけど、よくよく観ると、こっちも繋がりますね。
囲まれてエンドレス、なんて置き方もできちゃったりする?f(^_^;

なんてことを考えてたら、ふと悪い虫が心の奥底から…(笑)

北欧、北欧ってうるさいみなさ~ん、マリメッコの布なんかでファブリックパネル作ったりなんかしてないで、琳派はいかがっすか~?(笑)
えぇ、こちらもインテリアですから!!
マリメッコに先駆けること300年という、日本の伝統ある意匠をお宅に!! ←自分はやらないくせに。


そして、そして、ついに!!
長年観たいと願っていた、『紅白梅図屏風』!!
ようやく本物を直に拝む機会を得ることができました。
写真ではもう、散々観てるんだけど、やはり本物は違う!

写真だと、中央の川の部分が暗い色のせいで、全体に重く、落ち着いた感じに見えるんだが、実物は背景の金箔の輝きのおかげで、実に画面が明るい。
そう、それはまるで、春の陽光。
梅が咲いているということは、まだまだ寒い時期ではあっても、確実に春の日差しが降り注いでいる、そういう景色だということが伝わってくる、実に華やかな屏風だ。
この、真ん中の川は、かつては銀で描かれていたというから、それを想像してみると、何という春らしい絵なんだろう!!
生命力あふれる、紅白・老若の梅、さんさんと降る春の光と、それを反射してきらめく小川。
まさに春の訪れを言祝ぐ絵だ。

で、ふと思ったんだが。
この川、ずっと奥から手前に流れてきてると勝手に思ってたんだけど、手前から奥に流れている、と考えることってできるかな?
川=徐々に川幅が広くなる、ではなく、川幅の広さは、単に距離感を表しているとしたら。
めちゃくちゃ奥行き感と開放感が感じられますなぁ。
しかも、川の部分を正面に、梅の木を両側に来るように、まるで囲うようにでも配置したら、すっげー楽しいかも♪

完全に頭がおかしくなってきてます!f(^_^;

でも、『紅白梅』のおかげで、背景の金箔は地面でもあり、空=光でもあり、と思ったら、『燕子花』も背景の金は水面のきらめきに見えてきた。
陽光きらめく水面から、すっと、凜と立ち上がる緑の葉、ぼってりと豊かに広がる花弁…。
すごいなぁ、どっちも完璧。

そのあとの『夏草図屏風』も、構図が斬新だし。

も、この展示室の中は、何度も行ったり来たりf(^_^;

次の展示室2では、謡本や、いわゆるスケッチの類いが多く並んでいるんで、必然的に混み合ってしまって、なかなか大変。
そんな中では大型の作品になる、宗達の『扇面散貼付屏風』は、観ていてなんだか、頭の中に「諸行無常」という言葉が浮かんでしまったf(^_^;
なんつーか、宗達の作品には、時折そういう側面を感じるのだが、光琳にはあんまりないんだよね(笑)


そして2回の展示室5。
「団扇・香包・蒔絵・陶器-ジャンルを超える意匠」というタイトルがついているけれど、結局のところ、小さいものってことだよね。
だって、屏風だって実用品なワケだし(笑)
個人的には、香包が好きだなぁ。
実に贅沢で優雅だよね。
開くたびに違う絵が展開し、香をきく前から目で楽しむって。
しかも絹本金地、金ぴかだよ!!


いやぁ、それにしても改めて思うに、光琳のデザインって、当時ではさぞかし斬新だったろうなぁ。
むしろ受け入れ難いほどだったんじゃないかと思うくらい。
まさに、江戸期の天才デザイナー。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「文化・芸術」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事