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Der König Hat Eselsohren

12日目その9(Jazzfäst in Eupen)

そうこうするうちに、die ärzteのライブが始まった。
オープニングの曲は"Himmelblau"だ。
つい一緒に口ずさんでいると、Floが、
「行かないの?」
と訊く。
「みんなが出発してから見に行く」
だって、今日のライブの主役はdie ärzteかも知れないけれど、最初から私にとってのメインはSportfreunde Stillerだし。

気がつくと、PeterもRüdeも姿が見えない。
次の曲が始まった。
メロディーはわかるので、なんとなく口ずさんでいると、
「この曲はなんて名前?」
と訊かれる。
うわ!何だっけ、これ?!
サビを思い返してみても、タイトルが思い浮かばない。
「名前は忘れちゃったけど、一番最近のアルバムに入ってるよ」
「最近のは買ってないんだ」とFlo。

「見に行こうよ」とFloが言うので、飲みかけのグラスを持ったまま、ステージに向かって歩き出す。
ちょうど"Hurra!"のサビが流れていたので、♪hipp hipp hurra~♪と2人で一緒に歌いながら歩く。
こっちはうろ覚えだから、ところどころ間違えてるけれど、Floはさすがに完璧だ。

ステージの下まで来たところで、Peterが「ダメだって」と言いながら下りてくる。
たとえバックステージ・パスがあっても、これだけはダメ?!
みんなでちょっとがっかりしていると、Marcが交渉しに行ってくれて、ステージ上で見られることに!!

ステージの真後ろを通って、さっきとは反対側の袖へ。
わ~!!本物のdie ärzteが目の前で演奏してる!!
Floと、Peterと、Rüdeと、Marcと、他のスタッフと、みんなでdie ärzteの演奏を楽しむ。
最高だ!!
みんなも楽しそうだ!



しばらくして、隣にいたデカいスタッフのお兄ちゃんが、みんなに携帯の表示を見せて、あとちょっとだと知らせる。
9:25。

さらに、9:27の表示を見せて、もう限界だと言うことになり、"Deine Schuld"を聴きながら、ステージを下りる。

楽屋に戻って、みんな荷物をまとめる。
テーブルの上にペンがあったので、3人に、今日のパスの裏にサインをして貰う。
まずはPeter。そしてRüde。最後にFlo。
ペンをわたしながら、Floが、
「これは持って帰りなよ」
というので、ありがたくペンを受け取っておく(笑)



そんな中、Rüdeが、部屋に飾られていた花から、オレンジがかったバラの花を抜いて、プレゼントしてくれる。
これ…日本までは持って帰れないなぁf(^ー^;
それでもバッグに挿しておくことにする。

みんな、荷物を持って出ていくのに前後して、楽屋を出る。
少し先の方で、Rüdeがリュックを背負い、両手に、練習用のベースとPCを下げて歩いていくのが見える。
バスは駐車場から、バックステージの方へと移動していて、開いたドアから、みんなが荷物を運び入れていく。

みんなせわしなく出入りしている中、DJのPaulやスタッフ達と握手する。
「Auf Wiedersehen!」
と皆にこやかだ。こんなのがうろちょろして、邪魔だったろうに。

バスから出てきたMarcとも握手する。
「何もかも、ありがとうございました!」
「礼なら、3人に言って!」
柔らかくて温かい手だ。

ついに3人とも別れる時が来た。

まずはFlo。
「Alles gute」などと言いながら抱き合う。
今回、こんなにFloと親しくなれるなんて、思ってもいなかった。
とても楽しくて、優しい人だ。
もっと色んなことを話したいのに。

つづいてPeter。
抱き合ったまま、右の耳元でずっと、「元気でね」「メール書いてね」などと言っている。
こっちからはうんうんと返事するだけで、何も言うことが出来ない。
大好きなPeterの声をずっとこのまま聞いていたい。
お互いに離れたくないので、Peterが耳元でずっと色々なことを言っている。
すこし肌寒いのにTシャツ1枚のPeterの体温が伝わってくる。

最後にRüde。
背が高いので、うんとかがんでくれている。
この髪のにおいともしばらくお別れだ。
今回は色んなことを沢山話せて、まるでずっと前から友達だったような気がする。
大好きだ。
この3日間の始まりもRüdeだった。
2月にRüdeが「メール書いて」と言わなかったら、今、私はそのフェンスの向こうで、普通にライブを見ていたはずだ。
彼らにメールを書こうだなんて、ハードルが高すぎて、自分では思いもしなかったのだ。

みんながバスの中に消えていき、バスのドアがゆっくりと閉まる。
今まですぐそばにあった、体温も、声も、バスの中に詰め込まれて、バスが発車する。
出入り口のフェンスの向こうで、バスの姿が見えなくなるまで見送った。
ずっと毎日はイヤだけれど、せめて今日、できることなら一緒にミュンヘンに帰りたかった。
1人だけ取り残されて、とても寂しい。

die ärzteも、なんでこのタイミングで"1/2 Lovesong"とか演奏するかなぁ。
ただでさえ好きな曲なのに、泣かすなよ。
泣きながらセキュリティなんか通れねぇだろ。


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