Der König Hat Eselsohren

10日目その2(Highfield festival)

30分ほどバスに揺られて、ようやくHohenfeldに辿り着く。
この地名を英語に直訳してHighfield(笑)
湖の脇を通り、会場の入口へ歩いていく途中、高い柵の向こうにバスやトラックなどが並んでいるのが見える。
その向こうがメインステージだから、おそらくこの辺りがバックステージなんだろう。
この近くに、彼らがいるんだ。

ゲスト用の窓口に並ぶと、前にいたお兄ちゃんが長々ともめている。
大丈夫なんだろうか?とちょっと心配になりつつ、ようやく順番が回ってきたんで、
「Sportfreunde Stillerに招待されてるんですが」
と言うと、かなりあっさりと確認が取れて、右の手首にチケットを巻いてくれた。

入口の検査でかなり並ばされたけれど、ここもあっさりと通過。
入口脇のグッズ売り場をちょこっと覗いてから、メインステージの方へ行ってみると、次のバンドの準備中だ。
やはり雨が降っていたせいで、地面が物凄くぬかるんでいる。



会場全体の様子がほぼつかめたので、いよいよRüdeに電話する。

と。

その瞬間、次のTHE SUBWAYというバンドの演奏が始まった!!(笑)
うるさすぎて何も聞こえない。
しかも電話も出ないしf(^ー^;

仕方ないので、「会場に着いたけれど、うるさくて電話できない。どこへ行ったら会えるのかな?」とSMSを送って、とりあえず返事が来るまで、後方のぬかるんでいないところでライブを見ることにした。

結局、THE SUBWAYの出番が終わるまで、全く返事が来なかった。
静かなうちに、と思って再び電話を掛けるけれど、全然出ない。

肝心なときに限って連絡つかないな~。

何回かトライしても、20回くらい呼び出し音が鳴った後、留守電サービスになってしまう。
次のTocotronicの出番まで、あと数分しかない。
これが始まったら、今度は1時間くらい電話できないだろう。

と、思っていた矢先、SMSが!!

「そっちから舞台の方に向かって左側に、バックステージの出口があるから、18時45分に」

おっしゃ!!
なるべく早いうちから、近くに行っておいて、そこでTocotronicを見ることにする。
でも半分上の空だ(笑)

18時45分。
柵のすぐそばで待っていると、ほどなくしてRüdeが出てきた!!
でも、こっちからはちゃんと見えているのに、向こうからすると他の人の間に埋もれてしまっているらしく、気付いてくれない。

必死にRüdeの前に回り込んで、やっとわかって貰えた♪

やっと会えた~!!
直接会うのはこれが2回目だけれど、すでにタメ口だし、挨拶は友達並みに右頬同士を寄せて背中に手を回す。しかも、
「バックステージに行こう」
と、ちゃんとパスを用意してきている。

マジで?!

いきなりバックステージに行けるとは!!

ステージの脇のパイプをくぐってバックステージに出た辺りで、SMSが来たらしく、携帯を取りだして、何か返事を打っている。
ちらっと見えたけれど、待ち受けが奥さんの写真だ(笑)
凄く可愛くて綺麗な人だ。

そばの建物に入っていき、ケータリングのところで飲み物を勧めてくれる。
ま、水ですが(笑)
さらに湖の見える、外のテーブルのところまで行って、
「ここなら静かだから」
なんと周りは楽屋として建ち並んでいるプレハブ小屋。
扉の脇に、各出演バンドの名前が張り出されている。

ものすごく色々と話したいことがあるのに、口惜しいことにドイツ語が全然出てこない。
Rüdeの言うことも半分くらいしかわからない。
今日は一応電子辞書も持ってきているので、わからない単語をそれで打ってもらうけれど、それでも言ってることが完全にはわからなくて凹む。
それでも、この間電話で話した、年に2回くらいはドイツに来ていること、以前ミュンヘンに住んでいたこと、それは研究という名目で、普段はどんな仕事をしていて、専門は何で…といったあたりを再確認(笑)
さらに、ミュンヘンには日本人の知り合いがいるの?という質問に、それもいるけれど、ひとりドイツ人の友達がいて、けれども彼女が6月に米国に行ってしまったので、ドイツに遊びに来る目的がなくなってしまったこと…。
「今は、Sportfreunde Stillerが友達だろ(笑)」
友達でいいのか(笑)
「でもライブがないと会えないし」
「う~ん、そうだな。」
なんと、今、準備している12月のMTV unplugedが終わった後、2009年は全くライブをやらず、曲作りに専念するんだという。
そうなんだ…。
と、ここから先が、何度聞き直してもよくわからない。
というか、だったらうちに遊びにおいでよ、きれいな部屋もあるから泊まっていいよ、ついでに娘に日本語を教えて欲しいな等々、言ってるみたいなんだけど、それならそれで内容が突飛すぎて、本当なのかどうかがわからない(笑)
でも、少なくとも、ドイツに来たら必ず電話して、ということにf(^ー^;

そんなこんなを話していると…。

いつの間にか、Peterがすぐ脇に(笑)
「Hallo, aiko, wie gehts?」
と、これまた右頬を寄せながらハグ。
ちなみに、かつてドイツに来たばかりの頃、ゲーテ・インスティテュートで、ドイツでは親しい相手とは両頬にキスするんだと説明されて、Brigitteさん達ともそうしているけれど、これは結構古いのかも。
Judithと挨拶するときも、いつも、右頬を寄せて、手で軽く互いの背中をさすっていた。

Rüdeもゆっくり話してくれてるんだけど、Peterの言ってることの方がわかりやすい。
さらに2人とも、どうしても通じないときは、英語で話してくれる。

明日も明後日も来るんだよね?という話になって、
「アルテナまで電車でどれくらいかかるの?」
「5時間か6時間くらいかな?でも今日の帰りのバスが2時まで出ないから大変。ここからHauptbahnhofまで30分くらいかかるし」
「明日は何時に出発?」
「9時過ぎかな」
「じゃ、6時間寝られるよ」
「ダメだよ、早く起きて化粧しないと!」
「女の人は大変だよな~、俺らは必要ないけど(笑)」
そういえば、Peterは、しばらく前まで頬から首にかけてひげもじゃになっていたけれど、剃ったらしい。
2月には物凄く短くなっていた髪も、よく写真で見慣れたPeter風に伸びている(笑)

こっちに話しかけてくれることは何とかわかるけれど、RüdeとPeterが2人で話していることは全然追いつけない。
するとPeterがポケットから紙ナプキンを取り出して、Rüdeに見せる。

今日のセットリスト(笑)

"Unterwegs"をやることにしたんだけど、という相談らしい。
「"Unterwegs"は知ってる?」
「もちろん!」
ちなみに"Unterwegs"とは、彼らがインディーズ時代から演奏していた曲で、メジャーデビュー前のミニアルバムにしか収録されていない。
昔はよく演奏していたみたいだけれど、最近はあまり演奏していないのだ。

再び、彼らがひとしきり喋った後で、「これは内輪の話だよ(笑)」と言った。
や、全然わからないしf(^ー^;
「今日はMarcがうるさくて、色々やらされてるんだ。ゲストリストも忘れてくるし」
えぇ?!
じゃ、SMSを送ってきたのはそのせいか?!(笑)

「セットリストは誰が決めるの?」
「その日その日で違うんだよ」
でも、ここに書かれている文字からすると、よく目にするイラスト入りのセットリストはやはりFloが書いてるのかも。

つーか、やっぱりFloとは接点がないんだろうかf(^ー^;

Rüdeがちょっと席を外した間、Peterと、本当はもっと色々話したいことがあるけれど、全然ドイツ語が出てこないんだよ、等々しばらく話していたけれど、
「ちょっとギターの練習しに行くけれど、いいかな?ひとりでいてくれる?」
もちろん、ダメというわけにもいかず(笑)、ひとりで座って待っていると、実に心許ない。

しばらくするとRüdeが、弟のFabianを連れて戻ってきた。
ここのパスが2枚しかないところ、Fabianとその彼女と私の3人で使わなければならないので、もしいったん外に出たらFabianと携帯で連絡を取って、ということだった。
「番号を教えても大丈夫だから」
別に心配していません(笑)
番号を交換しがてら、Fabianと少し話をする。
何がきっかけでSportfreunde Stillerを知ったのかとか、どうやってCDを手に入れてるのかとか。
「CDはもう、ほとんど持ってるよ」
「え~、ホント?俺、そんなに持ってないよ(笑)」
こらこら。

Rüdeが、これから練習するんだけど、どうする?と訊いてくる。
「外に出る?それともここにいる?」
え?そろそろ外に出た方が良いのかな?
「もちろん、外に出ても、Fabianに連絡すればまた入れるけど」
う~ん、どうすべき…(ーー;;
「じゃ、おいでよ!」
えぇ???

なんと。

楽屋に連れて行って貰っちゃった♪

Rüdeの後について入っていくと、奥の方で、Floがスタッフと打ち合わせをしている。
うわ~、いいのかな?

Rüdeが、連れてきたよ~、みたいなことを言うと、Floの方から笑いながら挨拶してきた。
つーか、ハグ長目(笑)
よかった~!特に嫌われてたわけじゃなかった!
しかも、すっごく優しいよ!
いつからドイツに来て、いつ帰るのとか、色々と話した挙げ句、
「この前よりも、ドイツ語うまくなったね」
そ、そうか…Floの中では、全然喋れてないイメージの方が強かったんだf(^ー^;
「でもまだ十分には聞き取れないし、ちゃんと喋れてないよ」
「いや、よくわかるよ」
いい人だ。本当にいい人だ。
「何か飲む?ジュースがいい?それとも水?」
とテーブルの上に並べられた飲み物を勧めてくれるので、ずらっと並んでいるエビアンを1本貰う。

そうこうしているうちに、Peterも戻ってきた。
「こっちに来たんだ!(笑)」
何か飲もうと、Peterが飲み物のテーブル…の脇にあるクーラーボックスを開けると、ビールがぎっしり(爆)
「うわ、ビールがいっぱいある!(笑)」
「飲む?」
そりゃあ、飲みますよ!
Floが「そっちに気付かなかったよ、ごめん」と謝っている(笑)
ビールに手を伸ばしつつ、Peterが、「かわりにギター持ってて」とアコギを手渡される。
うっわ~、Peterのギターだよ!!
「弾いて」
無理無理無理無理(笑)
でも軽く弦をはじいてみると、
「うまいじゃん」
嘘つけ。
瓶やグラスが入り交じりつつ、ビールで乾杯だ♪

最初、奥のソファにRüdeとFlo、すぐ隣のイスにPeterが座っていたけれど、できあがったセットリストを書き写していたFloがPeterに、場所を変われ、といって隣に移ってきた。
どうやら、ドラムセットの辺りでは、紙のセットリストでは具合が悪いらしい。
「これ持ってて」
とセットリストを手渡される。
さらに、全部書き写し終わったら、
「それあげるよ」
ははは!ライブの前にセットリスト貰っちゃった!

"7 Tage, 7 Nächte"の導入部分のアイディアを出し合って、練習している3人。
うわ!これ、めちゃめちゃ贅沢な状況ですが!!

さらに、"Komm Schon"と"Unterwegs"の繋ぎについて相談しつつ、実際に"Komm Schon"を丸ごと練習!!
もはや生のSportfreunde Stillerを独り占めですよ!
実際は単なる練習だけど(笑)
でも、ついついサビのところを一緒に口ずさんでいると、Floが、あ、ちゃんと憶えてるんだ!みたいに笑いかけてくる。
次のサビの時には、Peterも気がついて、一緒に歌おうぜみたいな顔をしている。
日本人とはいえ、ファンだもん。サビくらいはちゃんと憶えてるよ♪

さらには"Unterwegs"もひととおり練習。
こっちも、Aメロ全部はさすがに口がついていかないけれど、♪'47, '48, '49…辺りからは一緒に歌う(笑)

もう、なんなんだ、これ?!f(^ー^;

さらに、Floはトレーニング用の鉄のスティックを取り出して、
「持ってごらん」
うわ!ずっしりと重い。これを回したりしてトレーニングするのか。
いつでもドラムセットがある訳じゃないから、練習も膝を叩いて、だし。

ひととおり練習が終わって、Floは、外の空気を吸ってくる、と出ていった。
Rüdeはまだソファでベースを弾いている。
「これ新曲だよ」
確かに聴いたことのない曲だ。これも12月にやる予定らしい。

Rüdeが新しくビールを開けて、「Prost!」と言うので、こっちも持っていた瓶を差し出しつつ、「Prost!でも…」
「空じゃん!(笑)」
そこへ、スタッフのNikoが戻ってきて紹介される。
名前が似てるんで気に入ってくれたみたいだ(笑)
Nikoがワインのボトルを開けて飲みつつ、「何か飲む?」と言うので、「じゃ、ワインを。寒いし」といってグラスに注いで貰う。

さっき外にいたときにかなり冷えていたのが、室内に入って少しは落ち着いたけれど、ビールを飲んだらまた少し戻ってきていた。
「アルコールは結構いけるんだ?」
「う~ん、ドイツ人ほどには沢山飲めないけど、平均的な日本人女性よりは(笑)」
みんなの話はほとんど理解できないながら、アルコールが入ったおかげで舌の回転が多少よくなったようだ。

と、気付くと、Peterが既に着替えている。いつのまにΣ( ̄口 ̄*)
それを見て、Rüdeも着替え始める。
「見ないでね」
はいはい、見ませんよ(笑)
でも、Tシャツにジャージなのに、ちゃんとステージ衣装扱いなんだf(^ー^;

しばらくしてPeterが出ていったところで、Rüdeともうひとりスタッフが、die ärzteがどうこう、という話をしている。
もともと同じプロデューサーだし、明後日一緒に出るけれど、雰囲気的に、そのスタッフの方はdie ärzteとSportfreundeとを比べて、die ärzteのスタッフ体勢を批判してるっぽい。
よくわからないけれど。
わからないなりに聴いていると、
「die ärzteは知ってる?」
「もちろん」
「明後日、会えるよ」
ホントに?f(^ー^;

出番まであと10分になったので、楽屋を出ることにする。
「ステージの後で、ここに戻ってきたかったら、Fabianに電話して」
やった~!戻ってきていいんだ!!


NEXT>>
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Sportfreunde Stiller」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事