Der König Hat Eselsohren

Eschwege(エシュヴェーゲ) その1

ふと目が覚めると、バスが停まっている。
スマホで確認すると8時40分過ぎだ。

しばらくそのまま寝ていても、全く動く気配がない。
今度こそ、本当にEschwegeに着いたんだろう。
それでも、そっとカーテンの外を見てみると、まだ閉まったまま、誰かが寝ている気配がする。
いったん、外へ出てみる。
マジ、バックステージ、しかも駐車場。

様子を見に歩き出そうとすると、運転席にあの厳ついおっさんが座っていたので「Morgen!」と挨拶したら、挨拶を返すどころか、「必ずドアを閉めろ」と言いながら、バスのドアを閉めてしまう。
う~ん、厳しいなぁ。
でも、助手席側のドアが開いていて、そこからラウンジに通じているので、説教を聞きながら、そこからバスに戻る。

ラウンジのテーブルの上に、たっくさん今日のバックステージパスが置いてある。
これ、持ってっていいんだろうけど、でもなぁ…。

ベッドに戻り、歯磨きと、顔を洗うのと、コンタクトを入れるのと、トイレを済ませるのと、いっぺんに用を足すために、まずは、毎日飲んでいる薬を飲み、ついでコンタクト。

あれ?
薬と同じところに、2日分のコンタクトを入れたはずなのに、入ってない!!
これはもしかして、入れたつもりが入れてない、ってことか?!
まぁ、それでも、化粧品のチャック尽き袋の方にも1日分のコンタクトが入っているので、今日の分だけは何とかなる。
でも、明日、ずっと眼鏡???f(^_^;

がちゃがちゃと荷物をひっくり返しているうちに、バッグの中に、本来ならポーチに入ってるはずの目薬がむき出しで出てきて、その近くから2日分のコンタクトも見つかった。
なんで?
ポーチの口が開いてた?

まったく、もう。
自分で自分に腹が立つ。
それでも、これで安心だ。

ベッドである程度まで歯を磨いた上で、歯磨きをくわえ、普段なら旅行には持ってこないところ、泊まりがシャワー共同のところだから、と用心してバッグに入れてきた真っ赤な猪木タオル(笑)とコンタクトを持って、トイレへGO!
だって、みんなが手を拭いているタオルでは、顔を拭きたくないじゃんか!
タオル持ってきてよかった~!!
イノキ、ブンバイエ!!


再びベッドに戻って、着替えて、化粧する。
長座で座っても頭がつかえるんで、着替えるのも、脱いだ服をたたむのも結構大変。
が、何よりも、ジーンズをはくのが大変(笑)
ほかの人たちは、ベッドの外ではいたりしてるけれど、さすがに自分はそこまでできない(笑)
ベッドに寝っ転がってはくしかない。

そして、このためというわけじゃないけれど、シャネルのBBクリームを買っておいてよかった!!
いつもの保湿剤を塗ったあとに、BBクリーム塗って、スポンジでなじませて、パウダーはたいたら肌は完了!
あとはアイライン引いて、シャドウ塗って、マスカラ塗って、眉描いて、おしまい
ピアスをはめたら、OK!です。

この間に、結構みんな外へ出たらしく、下へ降りてみると、さっきはたくさんあったパスが2つしかない。
しかも、一つはこんなことに。



紙ナプキンにボールペンで「für Aiko」と書いてある。
その脇のニコちゃんマークからすると、これを書いたのはPeterだな。
私がこれを持って行っていいのか、困らないように書いておいてくれたのだ。

これを写真に撮ろうとして、スマホをベッドに置いてきたことに気づいた。
スマホと、カメラと、両方で写真を撮っているところへ、Rüdeがバスに戻ってきた。
「これ、君のだからね」
うん、わかってる。
気づけばもう、10時を回っていた。
さっきまでみんな寝ていると思ったら、あっという間に始動している。

今日の場合、パスを首から提げるだけじゃなく、「Künstler」のテープの方も巻いていなきゃならないらしい。
テープを巻いたりして準備をしているうちに、Rüdeが戻ってきた。
さっきの説明では、会場がどうなってるかよくわからない、と思ったらしい。
実際、バスを出て左の方、ってだけじゃ、よくわかんない(笑)

バスのドアを開け閉めする暗証番号を説明してくれる。
それは昨日、Marcに聞いたけど(笑)
そして、思った以上に、このフェスの会場に町並みが迫っている。
「ここ、すごくきれいなとこなんだよ、あとで散歩しに行くといいよ。」
うん、きっと、言われなくてもそうすると思う(笑)

で、細い通路をたどって、バックステージへ。
野外フェスではおなじみ、と言っていい、コンテナが並んでいる。
その左から2つめがSportfreundeのオフィス、隣2つがスタッフ、1つテントをおいて、次のコンテナが3人の楽屋。

「Morgen!」と言いながら、Marcのいるオフィスコンテナへ。
「よく眠れた?」
「うん」
って、本当に結構ちゃんと眠れてる自分にびっくりする(笑)
健康というか、頑丈というか、図々しいにもほどがあるなf(^_^;
そして、思うよ。
こういう生活だと、時差ぼけなんていう甘っちょろいことは、言ってる余裕すらない(笑)

MarcがRüdeにSüddeutsh Zeitung(南ドイツ新聞)を渡しながら、今日のこのあとの流れを説明しているようだ。
今日はここから少し離れたところで、ごく短い時間、ホテルをとってあるらしい。
もちろんメンバーだけだけどね。
つーか、1面の写真が、ブンデスリーガのマイスターシャーレなんですけど…気になる!(笑)

近くの白いテントがケータリング。
壁に貼られているタイムテーブルによると、今の時間は朝食、11時からは温かいスナックのみになって、12時から23時まではビュッフェだ。

とりあえず、コーヒーと果物でいいかな。
Rüdeは係の女の子にオムレツを作ってくれるように頼んでいる。
オムレツができるまで時間がかかるので、食べ始めていると、Peterもやってきた。
ちょうどステージの方からは、"Eine Hymne auf Dich"の出だしの音が聞こえてくる。
彼らも気になるらしく、そのことを話題にしている。
野外フェスの場合、最初の演奏が始まる前にすべてのサウンドチェックを終わらせなければならないので、トリのバンドともなると、12時間も前のこの時間に仕事が集中する。
スタッフは今、必死で作業中なんだろうな。

こっちはこっちで、ほかの知り合いも加わり、新聞をばらして適当に読みながら、あれこれ喋っている。
ちょうどスポーツ版は誰も手に取っていなかったので目を通す。
だって、昨日の結果が気になるし。
ところが、かなり長い取材記事ばかりで、ブンデスリーガに関しては、3試合目までの日程が出ているだけ。
初戦については、ほかの試合はすべて、この土曜日の何時からかが書いてあるが、バイエルンの試合については、もう終わっているので何も書いていない…。

と、「Aikoがスポーツ版読んでる!」と笑われた。
そんなにおかしいか?
…おかしいか(笑)
「でも、昨日の結果が気になる」
と、バイエルン対メンヒェングラットバッハのところをさしながら言うと、
「3-1だよ。」
とすかさずPeter。さすがだ(笑)

Rüdeのオムレツができあがってきた。
ベーコンとチーズが入って、すごいボリュームだ。
いったい卵何個分が入ってるんだろう???
さすがに1人では食べきれないのか、知り合いと分け合っている。
Peterはちょっと考えてから、ほんの少しだけ食べることにしたようだ。

スマホはここへ来てもネットワークに繋がらない。
さすがにここでは繋がるだろうと思ったし、実際、検索すると2G、3Gともに、全部挙がってくるのだが、どうしても繋がらない。
弱すぎんのかな~?

ミューズリのミルクが低脂肪乳だけで美味しくなかったので、オムレツを少しもらうことにした。
それでも全部はなくならない(笑)

Peterが、またあとで~、と去って行った。
昨日も誰かと話しているのを小耳に挟んだが、Rüdeは明日、ミュンヘンに戻ったら、そのまま家族を連れて、地中海まで車で行くんだそうだ。
「もう40なのに、無理するんだよ(笑)」
「大変だね~!」
「でも、地中海でキャンプだからね。楽しみなんだよ」
どう楽しみなのかというと、キャンプ場から海水浴場に行くのに、ヌーディスト・ビーチを通っていくことになるんで、それが楽しみなんだとf(^_^;
愛すべきバカヤロウだ(笑)

「いつまでドイツにいるの?」
「水曜まで。今回たった1週間だけなんだよ。でも、11月の初めが短い休みになるから、そこで来ようと思ってる。」
「11月だったら、ツアー中だよ。」
「でも11月の初めは全然ライブないよ。」
「そうなの?知らない」
え~っ?(笑)
「でももし来れたら、10月末にミュンヘンでライブがあるから、それ見たいな。」
「そうなんだ。よく知らないや。」
ざっくりしてるな~(笑)
ま、やる方としたら、いちいち、何月何日がどこ、なんて、まだ気にする必然性もないんだろう。
ざっくりと、10月、11月はツアー、これでOK(笑)

「ミュンヘンにIsar(イーザル)川ってあるだろ…」
と、Isarの歴史について語ってくれる。
かつてしばしばミュンヘンの街が水害に襲われていたので、その水を流すために作られた川であることとか。
うん、人工の川なのは知ってた。
でも、すごくいいところがいっぱいあるんだよ、と教えてくれる。
「そういえば、Isarのサーフィンは、日本のTVでも時々放送されてるよ。」
「あぁ、それなら動物園のところだよ。
あそこもきれいな芝生が広がっていて、いつも沢山の人が来てるんだ。
サーフィンは、昔、Peterも行ってたんじゃないかな?
みんなサーフボードを抱えていくんだよ(笑)」
行ってそうだよなぁ、と前々から思ってたけど、やっぱりか!f(^_^;

スマホの話になり、昨日からネットワークに接続できないんだ、ローミングには弱いのかも、と言ったら、MarcにWifiを使えるか聞いてくれるという。
「もちろんだよ!オフィスの壁に貼ってあるよ!」
と言うので、パスワードを入れてみると、ここでは成功!
やっとネットに繋がった。

バックステージだけのWifiらしいので、外の日陰で腰掛けて、メールチェックしたり、あれこれ読んだりしていると、
「じゃ、これからホテルでPC使ったり、色々やってくるから。またあとで。」
とRüdeが去って行った。
Marcも全部のコンテナに鍵を掛けて回っている。
時計を見たら、もう昼だ。
ステージはもう始まっている。

今日のタイムテーブルは、パスの裏に全部書いてある。
ステージが3~4つくらいと、その他イベント、それが5日間という、かなり大規模な野外フェスだ。
そのメインステージの、今日のトリがSportfreunde。
出番は22時45分になっている。
まだまだ先は長いな。
私も町を探検しに行こう。
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