Der König Hat Eselsohren

皇室の名宝@東京国立博物館



ケガの功名というか、何というか。

本当は3か月ぶりに美容院に行く予定だったのに、直前になってキャンセルになってしまったので、急遽、行くことにした。
実のところ、やらなきゃならないことが山積みになっているから、さっさと福岡に帰りたいくらいだったけれど、飛行機を先に予約しちゃっているだけに、そうも行かず。

そんな事情でもなかったら、絶対に来なかったはずだ。
なにしろ、第1期いちばんの目玉になっている、若冲の「動植綵絵」と、狩野永徳の「唐獅子図屏風」、どっちも以前に京都まで見に行ってるんだもんf(^ー^;
しかもその二つが揃っているってことは、相当混んでるだろうし。

でも、岩佐又兵衛の「小栗判官絵巻」って見てみたいし、「唐獅子図屏風」の左隻も気になる。
きっと押し合いへし合いしているのは、「動植綵絵」の前だろうから、いっそのことそこはスルーしちゃえばいいんじゃん?

贅沢だなぁ。「動植綵絵」をスルーって(笑)

そうとなれば、開館時間目指して、急いで行かなくてもいいので、結構余裕だ。
しかも着いたのが10時半を回っていたのに、入場待ち10分と来た。

つっても、この行列では、どう考えても10分では入れないと思うが…(笑)



しかも、入ったはいいものの、やはり内部はかなり混み合っている。
ガラスケースに人がびっちりと張り付いている。
どうもそこまでしたくないと思って、伝永徳筆の「四季草花図屏風」を少し離れたところから、人の隙間越しに見ていたら、却って草花の風に吹かれている様が手に取るように感じ取れて、意外な収穫。
やはり屏風絵というものは、近くからだけではなく、遠くからも見なきゃダメだな。

「唐獅子図屏風」は、展示室が広いせいか、京博で見たときに比べて、「でかっっっっ!!!」という印象は薄い。
でも曾孫が描いたという左隻と比べると、やはり右隻の唐獅子は咆哮や唸り声を上げていそうだけれど、左隻は、にゃ~とか、ワン!とかいいそうな感じ(笑)

そして、予想通り、「動植綵絵」は、30幅すべての前に、全く隙間がないくらい人がびっちりとたむろっているので、「旭日鳳凰図」だけを鑑賞。
やっぱすげーなー。
と、同時に、隅々までみっちりと描き込んでいるのは、やはりある意味気持ち悪い(笑)
しかも想像上の生き物なだけに、なんだか偏執狂的なものも感じるよf(^ー^;
とはいえ、それが魅力だったりもするんだが。

次の展示室には、応挙や蘆雪もあったけれど、個人的には抱一の「花鳥十二ヶ月図」に釘付け。
抱一の花鳥画は今までにも少々見てきてはいるけれど、ここまでのものは初めてだ。
題材、構図、描写の細密さ、色の鮮やかさ、どれをとっても逸品だ。


近世はここまで。
階段を挟んだ向かい側からは明治以降の、最初から皇室に献上された作品だ。
つーか、ここまでのものは、結局のところ、神仏分離令が出されたがために、各地の寺院が手放さざるを得なかったものだ。
まさに目を見張るような名品ばかり。
手放す側の気持ちを考えると、あまりにも悲痛だ。


ここからは、横山大観から始まって、明治以降、皇室技芸員に選出された画家たちが、皇室のために制作した作品ばかり。
明らかに作品の傾向が違う。

そんな中で、「百聞は一見にしかず」という言葉がぴったりだったのが、並河靖之の七宝。
一体どうしたら、こんなに細かい七宝が作れるんだ?!
普通に描くとしても、相当大変なくらい細密な図柄なのに、これを有線七宝で作るなんて、想像を遙かに超える。
この壺一つ作るのに、どれくらいの手間がかかってるんだろう…。

対するに、濤川惣助の無線七宝も、一体どうやってこんなぼかしが出せるのか、全く想像もつかない。


ふうぅぅ~。

頭がくらくらする。



あれ?

そういえば岩佐又兵衛はどこに?


よくよく考えたら、他のものに気をとられていて、すっ飛ばしてしまった。

仕方がない。もう一度最初から。

すると、近世の最後の展示室の真ん中に、人が並んでいる。
ここだったか!

つーか。

なんだこれ?!
物語はよくわからないけれど、「奇想天外」という言葉がぴったりだ!!
全部見てみたいなぁ、これ。
全15巻もあって、おそらく不可能だけど。
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