けれども、これが意外となかなか戻れない。
みんな、だら~っと座っているというだけでなく、なんだかデカイ兄ちゃんが多い気がする…。
それに凶悪そうだしな。
本物のdie ärzteより悪そうな人もいる(笑)
なんとかバックステージまで辿り着く。
どうやらGarderobeのドアが開いているので、もう行っても大丈夫そうだ。
途中、楽屋の前で他の人と話しているBelaが、ちょっと待っててね、と目で合図してくれる。
いい人だ。
楽屋の前で、Peterがどこかのラジオ局か何かのインタビューを受けている。
何を話しているのか聞きたいところだけれど、そうそう近くに行くわけにも行かない。
ドアが開いているとはいえ、Garderobeの中では、やはり何かまだ話し続けている雰囲気だったので、「カメラと上着だけ取りに来た」と行って、すぐさま外に出る。
と、ちょうどひとりになったBelaが、目で、こっちへ来い、と言ってる!!
「さあ、写真撮ろう」
Belaが自分からカメラを持って撮ろうとしているので、通りかかった人が代わりに撮ってくれる。
やった~!Belaと2ショット!!
「ありがとうございました!」
いい人だ、本当にいい人だ。入れ墨だらけだけど、物凄くいい人だ!!(笑)
とりあえずぐるっと一回りしてから戻ってくると、Sportfreunde Stillerの楽屋の前で、3人とBelaが話しているのが見える。
スタッフ用の小屋の前で、すげー、とか言いながらBelaとSportfreundeが話しているのを遠巻きに眺める。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/61/59f49ad899725bbfdfaf485382169a6f.jpg)
Belaと話し終わるのを待って近づいていくと、何か食べに行く、というRüdeに対して、Peterは、今、腹減ってないから、と断っている。
「一緒に行く?」
さっき食べたばかりだから、特に何かを食べようというわけじゃないけれど、Rüdeと一緒にケータリングに行くことにする。
「さっきはごめんね」
「いや、こっちこそ、ごめん。大事な話をしてたんだ。今後の音楽性の話」
「さっき、Belaと一緒に写真撮っちゃった!」
「親切だろ?」
「うん、すっごい親切だね!」
「die ärzteのメンバーは日本語はなせるよ」
あ、それネットで見たことある。日本でライブをやったときに、日本語で挨拶したって。
ってことは、Farinかな?
「die ärzteは、確か2003年に、日本でライブをやったんだよ。もちろん、私はその時は知らなかったけどね」
「へぇ。ドイツのミュージシャンは結構日本に来る?日本でドイツの音楽は手に入る?」
「ほとんどないな。その、日本に来たときに、die ärzteは日本だけのアルバムをリリースしてるけど…」
「買った?」
「もう手に入らないんだ」
「そうかぁ」
「あとはFarinとRodと握手して、一緒に写真撮って、サイン貰いたいなぁ」
「その時はちゃんと、『Sportfreunde Stillerを見るために日本から来ました』って言ってね(笑)」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/60/fb24f545b35ef481dfed477491780de6.jpg)
Rüdeは食べながら話し続ける。
「子供の頃、die ärzteと一緒のステージに立つのが夢だったんだ」
「へぇ~!」
「だから今日はすごく嬉しいよ」
でも、実際には一緒に演奏するわけではない。
Sportfreunde Stillerとスタッフは、今日、ここを21時30分に出発して、8時間半かけてミュンヘンに帰る予定になっている。
バスの中のトイレのドアに、今回のバス輸送の予定が貼ってあって、一昨日も、本当は23時にエアフルト出発予定だったのに、そこを消して、The Killersの後、と書き換えてあった。
でも今日は、一向に書き換えられる気配はない。
「最後まで見られなくて、残念だけどね」
とRüdeは言う。
昼間にも、RüdeがMarcに明日の予定を訊いていたが、Peterは昼間からギターのProbeがあって、夕方からは全員でProbeだと言っていた。
ゆっくり休むヒマもない。
「さっき、会場の方へ行ってきたよ。行って帰ってくるのが大変だった」
「人が沢山いて?」
「それもあるけれど、みんな座ってて(笑) 大きい人が多そうだから、今日はライブを観るのが大変だろうなぁ」
「だったら、ステージの脇から見ればいいじゃん」
「えぇ?!マジで?!」
「うん。それにステージの前は雑音が多いだろ。俺達もそれでイヤホン付けてるけど。でもステージの脇だったら聴きやすいよ。一番いい場所だよ」
うわ~!!ステージの袖で観ていいことになっちゃったよ!!
「あ~、ヒゲ剃らなきゃ!」
そういえば昨日会ったときからずっとそのままだ。
そのまますぎて気付かなかった。
無精ヒゲが生えたままの方が見慣れてしまった(笑)
「おいで、ステージの行き方を教えてあげる」
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