愛知県歴史教育者協議会

愛知県歴史教育者協議会の研究集会、フィールドワーク等の予告と活動報告

全県委員会 召集

2024-10-12 10:31:45 | 日記
今年の全県委員会は、東海ブロック集会の下見を兼ねて実施します。
10月19日(土)13時30分
一宮駅西口 
信号渡って ローソン一宮駅西店 向かい側に
集合してください。
そこから東海ブロック集会の会場となる、
尾西歴史民俗資料館等に移動します。

歴教協東海ブロック集会2024

2024-09-30 09:51:34 | 日記
歴教協東海ブロック集会2024
尾張の糸と美濃路
⚙日程
<11月16日(土)>
 14時 40分 尾西歴史民俗資料館集合
        TEL 0856-62-9711
   *送迎を希望する場合は、14時15分までにJR尾張一宮駅西口に集合してください。
 14時45分 開会
   講演「尾州の糸」
    講師 伊藤 紫(ゆかり) 氏(尾西歴史民俗資料館)
   資料館見学
   徒歩で「のこぎり屋根」見学など
 18時30分 夕食・懇親会(尾張一宮駅周辺)

<11月17日(日)>
 9時 ホテル出発
        起宿~萩原宿
        市川房枝生家跡など
 10時45分 一宮市博物館
        TEL 0856-46-3215
  宮川 充史 氏(一宮市博物館)の案内で館内見学、重要文化財「足利義教(よしのり)肖像画」などを見せていただきます。
 12時 解散

⚙宿泊地
  一宮グリーンホテル(TEL 0586-23-0511)
  *シングル(禁煙)は13部屋のみ(朝食付きで7,800円)。上記ホテルをご希望の方は愛知歴教協事務局までご連絡ください。先着順・遠方優先とします。ツイン(禁煙)のご希望についても、ご連絡ください。
  *名古屋駅から尾張一宮駅までは約15分ですので、名古屋駅・伏見駅周辺のホテルもおススメです。
⚙費 用
  参加費 1,000円
  宿泊費 7,800円(1泊朝食付き)~
  夕食・懇親会費 5,000円(予定)
⚙申込み・問合せ
  各県ごとに、名前・性別をまとめて愛知歴教協事務局までご連絡ください。
⚙申込み締切
10月12日(金)まで

速報 全県委員会

2024-09-19 07:46:26 | 日記
今年度の愛知県歴史教育者協議会の
全県委員会は、
東海ブロック集会の下見も兼ねて、
10月19日(土)午後
一宮方面にておこないます。
集合場所等詳細は少々お待ちください。

第75回歴教協全国大会 参加記 その3

2024-09-17 16:25:38 | 日記
█ 第6分科会 思想・文化・文化活動 参加報告(成瀬公策)
第六分科会思想・文化・文化活動について簡単ではありますが、報告いたします。参加者は、人の入れ替わりがありながら、10人前後(東京、東北の参加者が多く西は愛知から2人)でした。7本のレポートが予定されていましたが、当日は5本でした。
予想に反して成瀬の「岡崎平和文化講座」についてのレポートが、茶谷さん(秋田)、金野さん(宮城)から過分な評価をいただき、たいへん恐縮いたしました。茶谷さんは70年の大阪万博開催のときに万博に反対するだけでなく、地域から文化を創造していくことが大切であるとの確信を抱き分科会の創設にかかわり、今日にいたるまで情熱的に秋田で小林多喜二や松田解子の調査研究・顕彰活動などをされている方です。
自分のレポートは、様々な歴史的経験を積まれた方に高く評価され、話術が未熟(下手)ということもあり、若い世代にはあまり受けはよくなかったようです。なぜ茶谷さんにこれほど関心を持ってもらえたのか不思議にも思えたのですが、逆に茶谷さんはどのような人生を歩んでこられたのか個人史に関心を持ちました。
竹内さんのレポート「社会に開かれた教育活動実践報告―体験学習考察」をたいへん興味深く拝聴しました。最近新聞報道などでは教師の多忙化(実際にそうだと思いますが)ばかりが強調されていますが、竹内さんのはなしではそのような状況だからこそ、自主的に考え、自発的に行動し、多様な人々とつながっていく必要性が語られていたように思われました。愛高教という一労働組合の中にとどまらず、YWCAとコラボするというのは、これまでにない斬新なアイデアかと思いました。参加者一人一人の感想を丁寧に読み解くことにより、どのような探究学習かがされたのか考察されているが、このようなことは、メンバーの中に社会科教師がいて初めて可能となったと考えられます。
分科会での討論では、竹内さんが在職中に大学院で女性教師たちによる権利獲得のための運動を研究したこと、学校現場で子どもたちが問を立てることの難しさ、日韓のアイドルの違いなど話は尽きることなく盛り上がりました。竹内さんのように自発的に学び、合唱など自主的活動に取り組む姿勢がおのずから生徒さんたちにも伝わるのかなと思いました。教師に時間的な余裕ができれば、今よりは子どもたちが文化を享受する可能性も広がるのではないかとの感想を持ちました。
第6分科会としては時間がたくさんあったはずですが、全体の討論時間が持てなかったのは、悔やまれます。                       (文責・成瀬)

第75回歴教協全国大会 参加記 その2

2024-09-17 12:10:10 | 日記
■第75回歴教協全国大会(東京大会)報告(伊藤和彦)
 8月3日(土)~4日(日)、明治大学和泉キャンパスにて、歴教協全国大会が行われました。今回の大会テーマは「地域に根ざし、平和・人権・命をつなぐ」で、関東ブロックの協力を得ながら、歴教協本部を主催として実施する初めての大会でした。全国から教員・大学生・市民など、オンラインでの参加を含め、500名近くの方が集まりました。愛知からの参加者は19名。全国大会について、簡単に報告します。

◆全体会(10時~)
 山田朗委員長の基調提案などののち、「日韓のモヤモヤから出会った新たな世界」と題した記念講演が行われました。記念講演と言っても、研究者による講演ではなく、一橋大学の加藤圭木ゼミ(朝鮮近現代史)の学生さんによるシンポジウムでした。
 全体会が始まる前から、会場いっぱいに参加者が集まっていました。加藤ゼミによる記念講演に対する期待のあらわれではないかと思われます。加藤ゼミはとても元気で、『「日韓」のモヤモヤとわたしたち』(2021年、大月書店)、続編となる『ひろがる「日韓」のモヤモヤとわたしたち』(2023年、大月書店)、『大学生が推す 深堀りソウルガイド』(2024年、大月書店)と、立て続けに3冊の本を出版し、大きな反響を呼んでいたからです。
 そもそも最初の本を出そうと思ったのは、韓国ドラマやK-POPなど、韓国文化に親しむ人たちがいる一方、日韓関係は最悪とまで言われている状況がありました。それはいったいなぜなのか。かれらにはモヤモヤした思いがありました。そこで、韓国文化を切り口に大学生目線で、歴史問題について学び解説しようとしたのがこの本だったと言います。
 登壇したゼミ生の多くが、日本による朝鮮植民地支配について「興味がなかった」「初めて知り衝撃を受けた」と言っていました。かれらはどのような歴史教育を受けてきたのでしょうか。かれらが言うに、「受験のための歴史教育」「暗記中心」「現代史について学ぶことはなかった」「とくに印象がない」など。一橋大学のゼミ生であるので、それなりの進学校の歴史教育の現状を聞くことができましたが、自分自身も中堅進学校に勤めているので、そのままブーメランで返ってきます。耳の痛い話ですね。
 児童・生徒の歴史教育を担う私たちはどうすればいいのか。なぜ加藤さんの講義を受けて、変わったのか。かれらの話に耳を傾ければ、ヒントがあるように思いました。高校の授業は「民衆の生きざまが見えない」「当時を生きた朝鮮人がどう生きたのかを考えることはなかった」「私とつながらない」。そんなことを加藤ゼミのみなさんはおっしゃっていました。ということは、これと逆のことをやっていけばいいのではないか。それは、歴教協がこれまで積み上げてきた授業実践に学ぶことが重要であることを再確認しました。
また、政治や歴史の話は、ゼミのなかでは共有できるが、それ以外のところでは話しづらい、言えない雰囲気があるとも言っていました。政治の話を日常会話のなかですれば、友だちからは「意識高いね」とも。政治を、オシャレやおいしい食べ物の話題のように軽やかに、安心して語れる場をつくるためには、どうすればいいんでしょうね。考え続けたいと思います。
 加藤ゼミのみなさんは、ゼミでまなぶ朝鮮近現代史はもちろんのこと、「慰安婦」問題を通じてフェミニズムやジェンダーに関心をもち、活動しているという学生さんがいたり、とっても活動的で、若いということもあってキラキラ輝いていました。まさに希望の光です。こういう若い人たちが増えていけば、日本社会も変わっていくことでしょう。そのためにボクら教員の果たす役割も大きいだろうということを感じた全体会でした。

◆分科会
 愛知からのレポートは以下の5本です。五十音順・敬称略です。
◎伊藤和彦「感染症でまなぶ『歴史総合』」
◎大見 功「中学生の歴史認識(中世民衆の戦いの評価をめぐって)」
◎竹内佐和子「社会に開かれた教育活動実践報告-体験学習考察-」
◎成瀬公策「50年代自己教育運動の試み~岡崎平和文化講座」
◎山田聖子「地理のグループワーク~タブレットを操る子どもたち~」
 ボクは、「高校」分科会で2日目のトップバッターとして報告しました。「高校」分科会は、2日間で12本の報告が行われました。そのため、報告時間も質疑を含めて40分と短めな点は少々残念でした。報告者の年齢も、30代前半(?)の植田啓生(神奈川)から中嶋千絵さん(三重)や滝澤民夫さん(埼玉)、辻健司さん(京都)ら、70代半ばまでと多様でした(70代半ばになってまでレポートを出すなんて尊い!)。
 ボクの報告は、タイトルは「感染症でまなぶ『歴史総合』」としました。ちょうど全国大会直前の7月末に、自分自身もちょこっとだけ関わった『感染症でまなぶ日本と世界の歴史』(清水書院)を出版したからです。ただ、報告の中味は、その本に触れつつも、そこで取り上げられなかったポリオワクチンの授業実践について報告しました。報告内容は、会報7ページに書かれていますので、そちらをご覧ください。全国大会でも、質問は時間の関係もあって、2件だけでややさびしい感じがしました(愛知歴教協での報告のときの方が反応は良かった)。
 出版社(清水書院)の編集担当の標佳代子さんにも来ていただき、分科会会場で『感染症でまなぶ日本と世界の歴史』を販売しました。とりあえず出版社がもってきた分はすべて売れたので、何よりでした。
その他、「高校」分科会のなかでおもしろいと感じたレポートを一つあげれば、川島啓一さん(埼玉)の「時をかける高校生!~高校生がガイドする地域の歴史~」です。「歴史って面白い」「歴史って役に立つこともある」「一瞬でもいい。生徒の輝く瞳を見たい」という思いをもって授業づくりに取り組まれてきた川島さん。今回のレポートも、「フィールドワークを通じて地域の歴史に触れることで、生徒たちに歴史への好奇心を持ってもらおうと取り組んだものです」。
川島さんの学校の生徒たちも、自己肯定感・自尊感情が低く、自分に自信を持てず、物事をマイナス思考でとらえる傾向にあります。そんな生徒にフィールドワーク授業を呼びかけ、地域の歴史を紹介するガイドブックづくりに取り組ませました。実際に下調べをさせて、フィールドワークに出かけました。そして学校から予算がつきできたガイドブック。「本物のガイドブックみたいだ」などと、生徒も誇らしげで、自信がついたようです。2024年度の授業では、地元の小学生に対して夏休みにガイドをするという取り組みを行いました。これには、地域の高齢者のボランティアスタッフも付き、高校生が小学生にクイズを出したりしながら、地域をフィールドワークしました。分科会では、フィールドワークをしているところの動画を見ましたが、小学生も、高校生も、生き生きとした顔をしていました。高校生がどんどん成長する姿が見える報告だったので、おもしろく感じたレポートでした。まずは、自校周辺をフィールドワークして歴史を知ることからですね。
出入り口が前方にしかなく、扉も閉じていたので、他の分科会に参加しにくく、「高校」分科会しか参加していませんが、他に「世界」分科会の歴史総合の実践や「日本前近代」分科会の実践など気になる報告がいくつかありました。幸いにクラウドからレポートをダウンロードできるので、大会が終わってからゆっくり読むことができました。その点はありがたいなと感じました。

◆閉会集会
 例年のように、初参加の方々、各分科会、教科書問題などの運動など、多くの方々が報告されました。
 一つだけ違ったのが、引継ぎ式がなかったことです。来年2025年の全国大会も今年と同じ、東京・明治大学で行われるからです。歴教協委員長の山田朗さん(明治大学)におんぶにだっこ感がありますが、これだけ充実し、アクセスも良い施設を、安く借りられるところはあまりないのかもしれません。20もの分科会があるので(中学校は「地理」「歴史」「公民」の3つ、「大学」分科会については今年は非開催)、当然、それだけの部屋が必要になります。となると、全国大会をできる会場もかなり限られるのではないかと思われます。
 一方で、8月土日の東京のホテルは高かった。ボクは安いはずのビジネスホテルに泊まりましたが、コロナ前に比べて、格段に高くなっていました。ビックリです。
 もう東京には行けない、泊まれない~と思いつつ、また来年も参加するつもりです。これほど充実した学びができる場はそうないですし、全国の仲間と会えるからです。半沢さんも書いていらっしゃいますが、ボクも静岡の仲間と2日間、飲んでいました(半沢さんのように「浴びるほど」「堪能した」わけではありませんが)。これがなくっちゃね!


◆番外企画:執筆者交流会(8月4日(日)12時15分~12時50分)
 歴教協編『80テーマでまなぶ世界と日本の近現代史』(大月書店)が全国大会にあわせて販売されました(店頭に並ぶのは8月末)。歴教協編集ということで、全国の会員51名による執筆であったので、会場いっぱいの方が集まりました。
 ボクは途中からこの本に参加したので詳細は知らなかったのですが、東京の河合美喜夫さんの強い思いがあって、この本ができたことを知りました。
 「歴史総合」がはじまる前に、同じ大月書店から歴教協編で『世界と日本をむすぶ「歴史総合」の授業』という本が出版され――これは3刷までいったそうです――ボクも、少しだけ書きました。今回、新たに「日本史探究」「世界史探究」がはじまったということで、この本の企画がスタートしました。
 編集委員の一人である関原正裕さんの話によれば、最近の『歴史地理教育』の執筆者の
なかから、「若手」の方にも声をかけて執筆していただいたが、なかには全面的に書き直しをしてもらった方もいたそうです。その理由はここでは書きませんが、編集委員としてのご苦労も、この場で語られました。
 ボクは、「日本史探究」の日露戦争の項を書くよう言われ、原稿を書きました。日露戦争は、小学校でも、中学校でも、高校の歴史総合でも学び(『歴史地理教育2020年7月増刊号』で、歴史総合での日露戦争の授業については報告したことがある)、探究でも学べば、4回目の学習となります。学び過ぎといえばたしかにそうなのですが、それまでの学習とは異なる視点で文章を書くのはひと苦労でした。
 歴史総合は1項目2ページ、探究は1項目4ページで構成されており、読みやすく、使いやすいと思いますので、現場の教員はもちろん、そうでない方も、学習会のテキストとしてお使いいただければありがたく思います。
 ボクの隣には、大月書店編集部の角田三佳さんがいらして、メールでは何度もやり取りをしているのですが、初めて一言二言会話を交わしました。大会が終わって、次の日、家でメールを見たら、角田さんから次の本(治安維持法に関する本。来年2025年は治安維持法100年です)に関する「執筆要項」が届いていました…。仕事早いな…。

 だらだらととりとめもなく文章を書き綴ってきましたが、歴教協本部を主催として実施する初めての大会ということで、どうなるかと思いましたが、本部のみなさん、関東ブロックのみなさん、若手のみなさんのおかげで、楽しく充実した2日間になったと思います。本当におつかれさまでした。そして、ありがとうございました。
また今年は、なんと勤務校に来た社会科の新任さんも、全国大会に申し込みをしてくれました(ただ残念なことに、前日に部活で熱中症になり、全国大会に行けなかったそうでorz…)。来年こそは、連れて行くぞ!と思いつつ、自分も何か報告できればと思っています。                               (文責・伊藤)